Written by 独鴉


乱筆+粗製文で申し訳ないです。しかも更新遅い+不定期重ね重ね申し訳ありません。


旧チャイニーズ上海海域掃討
ワンダフルボディを撃破したことは当然オーメルグループの耳にも入り、
オーメル・サイエンス・テクノロジーから直々の依頼が舞い込んできた。
同社が保有するGAとBFFの混成艦隊が接近しているとの事だ。
GAとBFFの混成艦隊は一度長距離航行中に隙をつかれ、水陸両用AFギガベースを一機失っていた。
その為長距離航行を避け、停泊中には厳重な防衛網を設けている。
結果としてオーメル・サイエンス・テクノロジーは長らく混戦艦隊に手が出せず、
通常戦力の保有数が少ない同社はネクストを投入することを決定、
ランク22 リンクス カニスの駆るネクスト サベージビースト、ランク31のストレイドが選ばれた。

カラード内独立傭兵共用整備場
ブリーフィングを終え、ストレイドは出撃前の最終チェックを行っている最中だった。
その為自分は時間をもてあまし、整備場を歩き回っている。
カラードに登録されている独立傭兵は大概専用の整備・修理機能を有する設備を持っている。
だがカラード内の整備場は格安で利用できる上、整備機器もしっかり揃っている為使用する独立傭兵は多い。
ハンガーベースごとに厳重に区切られているが、ネクストの胸部辺りの高さでガラス張りの通路が設置されており、
カラード・各企業・技術者・仲介人・リンクスなどの関係者は自由に歩くことが出来る。
実際にすぐ横のハンガーではリンクス・ダン・モロのネクストが整備されており、
時間があるためセレブリティ・アッシュのハンガーベースまで自分は歩いてきている。
ダン・モロ、彼のネクストは昔のコミックヒーローの名前を冠している。
その名もセレブリティ・アッシュだが、リンクスの消極的な性格が問題で大した戦果は上げられていない。
しかし、精神が不安定状態になっても安定したAMS数値を叩き出す希有なリンクスでもある。
ストレイドのリンクスがセレブリティ・アッシュの整備されているハンガーブースの前を横切ると、
ネクストの近くで20代半ばくらいと思われる若い男が本を読みながらイスに座っているのが見えた。

ダン・モロ、今ではほとんど知られていないが、彼もまたNSS計画によって見出されたリンクスの一人である。
とはいっても、メイ・グリンフィールドのようにAMS適性が高いわけでも、
ドン・カーネルのように戦闘に慣れているわけでもなかった。
その為専属契約ではなく、GAよりの独立傭兵として必要があるごとに依頼する形をとっている。

「よう、あんたがストレイドのリンクスか」
通路からセレブリティ・アッシュを眺めていると突如声をかけられ振り返った。
そこには金髪の男が立っている。
着用している軍用のジャケットの左胸にはローゼンタールグループのマークが入っていることから関係者なのだろう。

「俺はカニスだ。そのうちローゼンタールで名を上げるから覚えておけよ」

「はっ?」

「お・ぼ・え・て・お・け・よ!」

相変わらず笑みを浮かべたままだが、徐々に接近してくる。

「・・・わかりました」

自信に満ち溢れる笑みと言葉に一瞬驚いて固まってしまったが、追い討ちをかける言葉につい頷いてしまった。

「おう。覚えておけよ!」

何度かうなずくと満足したのか両腕を組み、セレブリティ・アッシュの方をみる。

「お前は運がいいぜ。あんな奴と違って俺と共に任務に出れるんだからな。感謝しろよ」

見下すかのようにセレブリティ・アッシュみながらそう言うと通路の奥へと向かっていく。

「マッハで片付けてやるぜ。よ~く俺の活躍をみてな」

旧チャイニーズ上海エリア
海上から転々と当時の姿を残している高層ビルが並ぶ中、
停泊中のAFギガベースとBFF艦隊を殲滅する為エアキャリアーから2機のネクストが降下した。
自動防御兵器も設置されていない距離からの降下だが、AFギガベースのFCSセンサーには反応する距離だったらしく、
通信量が一気に増えたことを統合制御体が伝えてきた。

「こちらサベージビースト!いくぜ!!」

降下中でありながらOBを発動すると敵部隊が網を張っているだろう戦域に突撃して行った。
戦闘前の言葉からしてよほど腕に自信があるのだろう。

「マッハで蜂の巣にしてやんよ!」

OBでギガベースに突撃していくサベージビーストに向かって、点在する廃ビルの最上階から砲撃が始まる。
ストレイドは砲撃しているビルを一つ一つDRAGONSLYERで破壊し、崩れ落ちるビルと共に海中へと自動防御兵器は没していく。
その間にもギガベースと艦船からの砲撃がサベージビーストに向かっていくが、
サベージビーストは仮にもネクストAC、
AFギガベースの攻撃をなんとか避けつつ敵艦船を破壊している。

「ストレイド何をしているんだ!?前にも出ろよ!」

カニスの駆るサベージビーストからは先ほど見せていた余裕など微塵も感じない焦った声が響いてきた。
自立防御兵器は全て水没、周辺の艦船も残り僅かであり、
ギガベース以外ネクストに脅威を与える存在は無いが、
サベージビーストのPAが減衰しているのが理由だろう。
周辺の防衛兵器と艦船はすでに片付いている。通常戦力などネクストの足止め程度にしかならない。

「こちらは片付いた。すぐに向かう」

背中のアクアビット製TRESORを担ぎ、右腕のMARVEをギガベース主砲のロングレンジキャノンに狙いを定めトリガーを引いた。
プラズマ粒子とライフル弾が主砲部に叩き込まれ、火花とプラズマ粒子と共に装甲板が周囲に撒き散らされる。
ギガベースの欠点を言うなら自己防衛能力がそれほど高くないということだろう。
AFランドクラブはノーマルの多数搭載が可能であり、
さらに多連装砲塔が四つ、ミサイルランチャーも複数存在する。
しかし、AFギガベースは対空武装や対艦武装ばかりで対ネクスト武装は無かった。
砲塔が爆発したところでストレイドはOBを発動しギガベースに急接近、DRAGONSLYERを発生させる。
こちらの接近の意図に気付いたギガベースからは、各砲座からの砲撃とミサイルで迎え撃つ。
だが単純なミサイル攻撃はMARVEの単射さえ不要だった。
何度かMQBで急加速するだけでミサイルはすぐ背後に着弾するだけだ。
それだけ純正アーリヤタイプは機動性が高い。
砲撃とミサイルの防衛ラインを突破、装甲を容易く貫くDRAGONSLYERをギガベースの側面に突き立て、装甲を引き裂きながら移動する。
装甲板の裂け目から内部が露出し、サベージビーストは装甲裂け目に両背のミサイルを撃ち込んだ。
内部構造に直接叩き込まれたミサイルの爆発が内部に伝播し、誘爆を繰り返しながら海中に没していった。

「やっぱり俺が最強かぁ」

サベージビーストはさっきまでと変わっていつもどおりの調子に戻っている。
最後の一撃は確かにサベージビーストだったが、
回避にばかりしていたので致命傷となるだけの損害は与えていない。

「ギガベースの破壊を確認した。任務完了だな」

それから数分して到着したエアキャリアーに機体を載せるとカラードへと2機のネクストは戻っていった。
この戦闘で数百人、いや千人以上死んだだろう。
そしてGAは貴重なAFギガベースを、BFFは残った艦隊全てと制海能力を失った。


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