小説/長編

Written by えむ


 ソルディオス・オービットによってアサルトセルの排除作業が続く中の出来事だった。
 図らずも、季節は移り変わり、まもなく年末を迎えようとしている。だがその間、世界は比較的穏やかな日々を送っていた。
 全企業とラインアークが協力して対アサルトセル対策に取り掛かったのもあってか、それまで行われていた戦力による経済戦争の頻度が大幅に下がっていたのである。
 最も、反企業体制はラインアーク以外にも存在し、それらが色々厄介ごとを起こしたり、頻度が下がったとは言え、やっぱり企業間が水面下でにらみ合いしてたりすることもある。だが、それでも以前に比べれば、何倍もマシになった言えるだろう。

 さて、それはともかくとして。
 話は、年末年始の時期が見え始めたころのことだった。
 企業連は、アサルトセルの問題以降、一つにまとまっていることを改めて市民にアピールしようと企画を立てようとしていた。だが、やはりそう簡単に意見がまとまるものではなく、話し合いは難航を極める。
 そして、良いアイデアが出来ないままに時間ばかりが過ぎ、このままでは準備もままならなくなるところまで追い詰められたところで。その会議に参加していた一人の重役。BFFの王小龍が一つの提案を出した。

「我々ではなく外部からアイデアをもらうのはどうだろうか」
 
 外部。つまり企業の人間ではない者に、この一件を任せると言うわけだ。だが、それはそれで不安要素も大きい。どことも知れない者に、ある意味重要な一件を任せるなど、誰が出来るだろうか。
 誰もが難しい表情をする中、――何気に王小龍も不本意らしく、似たような表情をしていたが――それでも彼の一言が企業を動かした。

「不安要素はあるが、その人物なら悪いようにはならないと言う確信がある」

 その場にいる誰もが驚いた。だが同時に、それは企業の重役達を納得させるだけの説得力もあった。あの王小龍が認める人間なら、きっと大丈夫だろうと誰もが思ったのである。
 実際、彼らの判断は間違ってはいなかった。間違ってはいなかったが、ある意味後悔することにもなったのだが。それを思い知るのは、少しばかり後のことである。

□  ■  □  ■  □  ■  □  ■  □  ■  □  ■  □ 

 北アフリカ。そこにコルセールの本拠地がある。
 その日、オーメルの拠点防衛依頼を終え、久しぶりに戻ってきてくつろいでいたレックスの元へ、一人の来客が訪れたのが全ての始まりだった。

「副長にお客さんですぜ。なんか、すごく可愛らしいお嬢さんが見えてらっしゃるんですが」
「……言っとくけど、僕はフラン一筋だからな」
「……初っ端に何を言ってるんだ、あんた」
「いや、浮気とかって思われたくなくて…」
「大丈夫ですよ、副長。副長に、そんな度胸があるなんて、誰も思っちゃいませんからっ!!」
「…………」

 笑顔で肩を叩く傭兵仲間に、レックスは複雑な表情を向けていた。確かに自分にその度胸はないだろう。仮にやったとしても相方がそれを知ったらどうなるかは目に見えているし、どんな目にあうかを考えたら怖くて、とてもじゃないけどそんな気にはならない。最もそうするつもりは全くないが。
 ちなみに仲は確実に進展中だ。その証拠として、いつの頃からレックスはネリスのことを愛称の方で呼ぶようになっており、依頼の都合で別行動を取ることもあるとはいえ、プライベートな時間では結構一緒にいたりすることも多くなった。
 誰かさんが思った以上に奥手なため、傍目には今までと変わらないように見えるが…。確実に進んでいるのは、コルセール中の傭兵が認めている。
 まぁ、それはそれとして傭兵の言葉は、言葉には出来ない何ともいえない気分になるものであった。例えるならば、新型グレネードキャノンを手に入れて使ってみたら、全然グレネードっぽくなかった時のような、そんな気分だ。

「……」
「と、ともかく、お客さんですぜ」

 抗議の視線を向けられ、呼びにきた傭兵が視線を逸らしながらに告げた。

「そうだった。あぁ、わかった。すぐに行くよ」

 こいつは後でとっちめるとして、お客さんを待たせては悪い。そう思ったレックスは、手にしていたグレネードキャノンのカタログを机の上に置き、応接室の方へと向かった。
 そして応接室に入ってきたレックスの目に飛び込んできたのは―――

「お久しぶりです。レックス様」
「リ、リリウム・ウォルコット…?!」

 BFF所属のリンクスにしてランク2 のリリウム・ウォルコットの姿であった。もちろん黒服サングラスのボディガード付きで。

「な、なんでこんなところに…?」

 これにはさすがのレックスも驚いた。BFFからの依頼関係かとも思ったが、それならメールなり通信なりで済む話だ。直接出向いて来る必要は一切ない。
 まして相手はBFF…引いてはGAのトップリンクス。言い換えれば、大物と言っても良い。そんな人物がわざわざ辺境にある、こんな場所に来るということは、よほどのこととしか思えない。
 ただリリウム自身の用事と言うわけではないだろう。恐らく、この裏には王小龍がいる。つまり何らかの狙いがあり、それを成功させるためにこんな手を打ってきたのだろう。というか、それしか浮かばない。
 とりあえず変に緊張しつつも向かいのソファーに腰掛ける。

「レックス様にお願いがありまして。業務その他で忙しい王大人の代理としてお伺いしました」

 綺麗な姿勢で椅子に座ったまま、リリウムは静かにそう告げて。そして一部始終を説明し始めた。
 年末年始の時期に、企業連合同で一つのイベントをやる予定であること。その際に、企業連が今までになくひとつにまとまっていることをアピールしたいと思っていること。だけど、どうしても企業間のライバル意識が強くて、平等な立場で事を進められないこと。そして、事がこのままでは進まないため、思い切って外部の人間に企画を任せることにしたこと。

「…で、そんな大それたことを、なんで僕に振るかなぁ…。ただの一リンクスにして独立傭兵に過ぎないのに」
「そう思われるのも最もだとは思います。ですが、王大人がレックス様がそう言ったら、こう伝えるようにおっしゃってました」
「……は?」
「『脅しと言う手段を使ったとは言え、企業をまとめさせることまでしたのだ。この際だから、もう一肌脱げ』」
「うわぁ………」

 リリウムからの伝言に、レックスの表情が固まった。読者にはバレバレだが、アサルトセル排除のためにソルディオス・オービットを使うと言うアイデアをラインアークに伝えていたのは言うまでもなく、レックス本人。この事実を知るのは、ラインアークだけ…と思っていたのだが。
 どうやら王小龍には、しっかり見抜かれていたらしい。
 
「で、でも…だな。確かに、とんでもなく大それたことをやってはいるけど。それはそれで―――」
「それに対する伝言も受け取っています」
「はぃ…?」
「…こほん。『対ORCAにおけるラインアークの動きのほとんどを、お前が裏で糸を引いていたことをばらされたくなければ協力しろ』…と」
「…………」

 ダラダラと脂汗を浮かべつつ、レックスは改めて王小龍の政治的手腕の恐ろしさを知ったような気がした。何より相手が切ってきたカードはレックスにとっては痛い。なぜならORCAにおけるラインアークの動きと、そこから得た結果は、全てラインアークの手柄にしているのだ。自分の動きも含めて。そして、それがあったからこそラインアークの立場は上昇し、企業ともある程度対等に話せるだけの存在となった。だが…もしここで、それをばらされたら。どんな影響があるかわからない。

「…わかった。僕の負けだよ…」

 この交渉において、もはやレックスに断れる理由はなかった。その方法が半ば脅しに近いとは言え…だ。もしかすると、これまでの意趣返しも含まれているのではなかろうか…などと思ったりもするが、実は的外れでもなかったりする。

「何か考えとく。でも、いいんだな? 僕なんかに任せて。どうなっても知らないぞ?」
「それについては心配はしていません。王大人が信頼を置いている方ですから」

 ニッコリと微笑んでリリウムが答える。その微笑みは、なんというか…まぶしく見えてしまった。






 それから数日後。王小龍の下に、レックスからの企画書が届いた。
 その内容を見た彼は、単純明快ながらも効果的と思えるそのアイデアに、やっぱり大した男だと評価を上げざるを得なかった。
 その内容とは、全企業が所有するネクストを使っての「年末の花火大会」プランであった。本来なら敵対していたネクストが一堂に介し、一つの事を行う。そうすることによって、企業のまとまりをアピールしようというものだっ。
 ネクストは企業の看板であるし、やることは一つだけ。単純であるがゆえに、優劣を決める要素などどこにもない。それゆえに、企業全てが平等な立場でやれるというのもメリットとしては大きい。
 だが、推奨装備を見た瞬間。王小龍は手元の通信端末を手にとっていた。電話の先は、言うまでもない。レックス・アールグレイの元だ。しかも、相当感情的に動いてしまったのであろう。直接電話をかけていた。
 呼び出し音が鳴ること数秒。すぐに何度か聞きなれた声が出る。

『はい、もしもし?』
「レックス・アールグレイ。貴様、どういうつもりだ…っ!!」
『は? え? 王小龍!? ちょっと待て。あんた、どうして僕の携帯番号を―――』
「いいから答えろ。何だ、このイベントは…!!いや、イベント自体は悪くないのだが…。花火打上のために全機体にOIGAMI装備を希望とか、どういうつもりだっ!!」
『やはり、そこに突っ込むか…』
「当たり前だ!!よもや、貴様。自分の趣味を――――」
『え? あ…いや、花火打上げに一番最適な装備を選んだだけだぞ。考えてもみてくれ』

 その場で小さく咳払いをし、それからレックスは自信たっぷりの声で説明を始めた。

『花火と言うのは、派手なほど良いものだ。さらに開花直径が大きければ、なおいい。見た目にも映えるし、印象も残る。それにネクストを使った花火打上げイベントだぞ。企業の結束と同時に力を示す機会であると考えたら、花火の規模は大きいほどいいはず。違うか?』
「……それは、そうだが…」
『だろう? そして現存するネクストの装備で、一番大型の弾頭を使用するのは三種類。GAの大型ミサイルと、トーラスのコジマミサイル。そして有澤重工のOIGAMI。しかしながら、少しでも地上の汚染を抑えることを考えればコジマミサイルなんてもってのほかだし。GAの大型ミサイルも悪くはないが、弾薬単価からすれば、OIGAMIの方が安くて済む』
「……む…」
『それに動き回って戦闘するわけじゃない。重量過多でも問題はないだろうし、発射反動でロックが外れるとか考える必要はない。空に向かって、撃てればいいんだから。それにだな…』
「……まだあるのか」
『全ネクストが一つの武装を使っていると言うのも結束感が出ていいと思うんだ。まして、その武装のインパクトが大きければ、それだけ宣伝効果も上がる。その点に置いてもOIGAMIほどのインパクトがある装備はない。…これが、その理由だよ』
「……………」
『あと有澤重工は、BFFが所属している同じGAグループだ。そこにとって利益があると言う事は、大きな目で見ればGAグループにとってのプラスでもある。間接的になるけどBFFにとっても悪いじゃないと思うけど?』
「…ふむ……」

 そこまで説明を受け、王小龍は考えた。確かにレックスの言うとおり、総合的に見てメリットの方がはるかに大きい。さらにそれに加えてGAグループにとってプラスとなると言うのなら、それはそれで悪い話ではない。

「……いいだろう。多少気に入らない部分はあるが、そういうことならこちらにとっても悪い話ではないからな。ちなみに、独立傭兵は強制参加ではないが、お前はどうするつもりだ?」
『もちろん出るさ。一生に一度あるかないかの大イベント、参加しないわけがない。最も、一リンクスとしてだけどな』
「そうか。邪魔をしたな。」
『気にすることはないよ。あぁ、そうだ。一つだけ』
「……なんだ?」
『手柄は入らないから、名前とか出すのはやめてくれ。…あと、一応抗議として言っとくけど。一独立傭兵に頼むことじゃないぞ、こんなこと』
「何を言う。お前がやってのけたことに比べれば、ささいなものだ。違うか?」
『…否定は出来ないな。だけど、今回限りにしてほしいな』
「保障はできん。お前ほどの人間、本当なら一独立傭兵にしておくには惜しいどころではないのだからな。そもそも拒否できるとは思わないことだ」

 それは間違いではない。ある意味、レックスにとっての弱みを王小龍は掴んでいるのだから。

『ひ、卑怯な…っ』
「自分にとって有利になるように事を運ぶ。それが策と言うものではないか?」
『くぅ……』
「ともかく、今回協力してくれたことについては、後日礼でもさせてもらうとしよう。邪魔をしたな」

 通信を切る。そして王小龍は、その場にて口元に笑みを浮かべた。気持ちとしては、してやったり。戦場での駆け引きは全てと言っていいほど負けてしまったが、戦場での駆け引きと政治的な駆け引きは色々と訳が違う。そして、この分野に置いてはレックスよりも一枚上手だった。それが認識できただけでも儲け物と言うものだ。
 最も油断は出来ない。レックスと言う男は、そう言う人間だ。
 それはともかくとして、王小龍はさっそく次の策を巡らし始めた。とりあえず、GA以外のグループをどうにかして説得するために。

 そして同じ頃。

「……ふぅ。まさか本人がツッコミが来るとは…」

 レックスは、片手で額の汗をぬぐっていた。OIGAMI推奨とした件に関して、きっと何らかのアクションはあるだろうと思っていたが。まさか王小龍が直接電話をしてくるとは思ってもいなかったのだ。しかも、こんなに早く。
 
「レックスがそこまで考えて、あんな企画出したなんて。ボク知らなかったよ」

 何気に隣で一部始終を聞いていたフラン――フランソワ・ネリスがなにやら感心した様子でレックスへと話しかける。

「大っぴらに目立つのは性に合わないんじゃなかったっけ?」
「まぁ、そうだけど。事情はどうあれ引き受けちゃったからさ。どうせやるなら全力を尽くすだけさ。あくまで裏方でだけど」
「レックスって昔から好きだよね。裏でコソコソやるの。思えば、勝手にリンクスになったのもその一環になるのか。コソコソって言うにはかけ離れてる気もしてるけど」
「スピリットオブマザーウィルを落とすことになったのは予想外だったからなぁ。でも、まぁ問題ないな。真意さえ見抜かれなければ、どうってことはない」
「あぁ、ボクを守れるようになるために、ボクより強くなる…だっけ?」
「ぶっ?!」

 その一言に、飲みかけていたコーヒーをレックスが吹き出す。それを見て、おかしそうに笑うフラン。
 
「あはははははは!!何やってるんだよ~」
「ちょ…。何やってるとか以前に。それ、誰に聞いた!?」
「え? 第3小隊の1番機の彼」
「あいつかぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

 第3小隊の1番機。ラインアークからコルセールへと移るときに、リンクスになった理由を話した傭兵である。
 ―――口止めもしたと言うのに…おのれっ。ここにはいない相手へと怒り(?)を放つレックス。

「でも実際、レックスって今じゃボクより強いよね。純粋にネクストで正面から戦っても、もう勝てなくなったし」
「そりゃそうだろ。それを目的に腕を磨いてきて、それなりの結果が出せたからこそ…。その……なんだ。今、こうしてるわけだし…」

 改めて今の状況を再認識し、レックスはちょっとだけ照れ気味に視線を宙にさまよわせた。
 今の時刻は夜であり、ちょうど二人でのんびりと話しながら星を眺めていたのである。二人仲良く肩をそろえて一つの防寒布にくるまりながら。

「あははは、それもそっか」

 レックスの言葉に納得したように笑い、それからフランは思い出したように話を戻す。

「それにしても、やっぱりすごいねぇ。ボクもあの企画書見せてもらったけど。てっきりイベントにかこつけて、自分が見たい光景を実現しようとしてるのかと思ってたし」
「……ん?」
「さっきの続き。ほら、前に言ってたじゃない。OIGAMIを装備した機体がズラリと並んだら、壮観な眺めなんだろうなぁ…とかって。だからてっきり―――」
「あ……あ~……」

 そこまで言われたところで。おもむろにレックスの視線がネリスから逸れた。しかも、どことなく罰の悪そうな表情。それなりに付き合いのあるネリスは、それを見てすぐにピンと来た。

「…レックス。まさかとは思うけど…」
「なんだ?」
「さっき話した一連の理由って――――その場でっちあげ…」
「…………」
「花火にOIGAMI使うことを推奨した本当の理由って、やっぱり…」

 じ~っと真っ直ぐにレックスの目を見つめるフラン。そんな彼女の視線に、レックスはしばらく押し黙っていたが、やがて耐え切れなくなったかのように声を上げる。

「い、いいじゃないか。ちょっとくらい良い思いしたって…!!」
「うわ、ぶっちゃけた…!?」
「趣味と実益を両立させることほど素晴らしい一手はないんだぞ!!企画自体は良いものなんだから問題は全くないっ!!」
「それはそうだけど。…いつもながら事を運ぶのが巧みだねぇ…」
「ふっ…。それが売りだからな」

 フランの言葉に、レックスは自慢げな笑みを浮かべる。実際、彼の言う通りである。それはもう、これまでのことを見てくれば、いやと言うほど思い知られる。そもそも今でも、レックスはリンクスより違う職業の方が向いていると思うくらいだし。

「それにしても……。ここ最近、一段と星が見えるようになった気がするな」
「やっぱりアレじゃない?アサルトセル…だっけ。アレが減ったからとか」
「あぁ。ってことは、ちょうどこの上あたりを今排除してるのかな?」

 よくよく見てみれば、一定周期で流星が見えているような気もする。あくまで、そんな気がするだけで実際どうなのかはわからない。というか、気分的には違ってほしい。なんとなく。

「………」
「………」

 そのままそこで会話が途切れるも、ほんの少し時間を置いて。フランがおもむろに口を開いた。

「レックス」
「ん?」

 名前を呼ばれ横を向く。すぐ傍には、彼女のちょっぴり子供っぽさのある顔がそこにあった。

「キス」
「い、今…!?」
「今」
「唐突だな…」
「ほら、ちょうど二人だし。誰もいないし。…駄目?」
「あ……いや、駄目じゃないけど…」
「じゃあいいね」

 そう告げて、フランが目を閉じ、ちょっとだけ顎を上げる。対するレックスは、小さく息を吐き、それからそっと顔を近づけていった。

□  ■  □  ■  □  ■  □  ■  □  ■  □  ■  □ 

 そして、それからさらにしばしの時間が流れ、企業連主催による花火大会の日となった。
 言うまでもないが、その会場となる場所には、現在カラードに所属するネクストの大半がOIGAMI装備の上で一列に並んでいた。
 例外的にノブリス・オブリージュとホワイトグリントだけは、手持ち用に仕様変更されたOIGAMI改(保持に両手必要)を装備している。これはノブリス・オブリージュは象徴とも言える両背のレーザーキャノンを外すことをローゼンタールが断固拒否してしまったためで、ホワイトグリントはコアの仕様装備できなかったためである。
 あとフォートネクストと雷電はOIGAMI2門装備であることを、この場を借りてこっそり付け加えておく。

『これよりミッションを開始します。全機展開してください』

 オペレーターからの声に合わせ、横一列にならんだ全ネクストが折りたたまれていたOIGAMIを展開しはじめた。そして砲口が空へと向けられる。

『第一射用意。カウント。5……、4……』

 その光景は確かに壮観であった。それは見る者全てに、忘れられない印象を植え付けるものだ。

『3……、2……、1……』
 
 カウントが迫る。

『発射』

 そして、ある意味歴史に残る花火大会が始まった。

~つづかない?~

 


now:209
today:3
yesterday:4
total:2930


移設元コメント


☆作者の一言コーナー☆
 年末の時期に風邪引いて(´・ω・`)な、えむです。
 何の脈絡もなく、後日談と言う名目で1エピソード+α書いてみました。
 正確には年末特番的な意味で、急に書きたくなったから半ば思いつきだけで突っ走ってみた。途中止まりかけたけど、それはそれで後悔はしていない。
 でも自分で言うのもなんですが、レックスは絶対リンクスより別の職業の方がむいていると思う…。本人は、その気ゼロなので転職はしないでしょうけど…(・▽・;

 さて、なにはともあれ。ここまでお付き合いただきありがとうございましたっ


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