検索
AND検索
OR検索
トップ
|
リロード
|
新規
|
一覧
|
単語検索
|
最終更新
|
ヘルプ
| Color:
Top
/
ACfA
/ in the end 12(小説・全年齢))
/
in the end 12(小説・全年齢)) の編集
Last update on |
編集
|
複製
|
名前変更
|
差分
|
バックアップ
|
添付
重要なお知らせ
サイトがSSL/TLSに対応しました。
【詳細はこちら】
↑
Menu
↑
概要
【トップページ表示イメージ確認】
トップページ表示内容を編集
スパム対策のためトップページを編集禁止にし、別ページの内容を表示しています
左メニューを編集
【MobileStation】
軽量簡易トップページです
編集要望
編集メモ
編集の手引き
特別演習室
まだ備忘録状態
SandBox
サイト構成
臨時難民ゲットー
公民館
サークル活動等はこちらから
DAEMON X MACHINAや模型、TRPG等
DAEMON X MACHINA
DAEMON X MACHINA談話室
法務部
各種ルール制定及び問題解決はこちらまで
討論ページ「サンダードーム」
おみくじ
画像アップローダー
【全ページの添付ファイル一覧】
Google:
↑
最近の作品
↑
ARMORED CORE Ⅵ
FIRES OF RUBICON
+
パーツリスト
頭部パーツ
HEAD
胴体パーツ
CORE
腕部パーツ
ARMS
脚部パーツ
LEGS
火器管制器
F.C.S.
ジェネレータ
GENERATOR
ブースタ
BOOSTER
腕部兵装
A.UNIT
左腕部兵装
L-A.UNIT
背部兵装
B.UNIT
コア拡張機能
EXPANSION
OS TUNING
初心者向け講座
レギュレーション
Ver 1.05更新チェックリスト追記
アセンブルの手引き
ミッションリスト
システム・操作・テクニック
登場人物
/
登場AC
ロケーション
エネミー
/
勢力
アーカイブ
用語集
/
世界観考察
談話室
/
攻略情報交換所
発売前情報
オンライン用相談室
↑
ELDEN RING
エネミー
/
ボス攻略
+
武器
武器
短剣
/
直剣
大剣
/
特大剣
刺剣
/
重刺剣
曲剣
/
大曲剣
刀
/
両刃剣
斧
/
大斧
槌
/
フレイル
/
大槌
特大武器
槍
/
大槍
斧槍
/
鎌
鞭
/
拳
/
爪
小弓
/
長弓
/
大弓
クロスボウ
/
バリスタ
杖
/
聖印
松明
小盾
/
中盾
/
大盾
/
戦技
?
/
装備の強化
防具
/
タリスマン
戦灰
魔法
(
魔術
/
祈祷
)
システム・操作等
素性
/
キャラクター育成
侵入・侵入対策
+
アイテム
アイテム
道具
/
遺灰
製作素材
/
強化素材
貴重品
/
矢・ボルト
情報
登場人物
(
イベント
?
/
商人
)
レギュレーション
世界観
/
用語集
エルデンリング談話室
情報提供
↑
各種攻略情報
↑
アーマード・コア シリーズ
PSタイトル
PS2タイトル
PS3 / 360タイトル
PS4・5 / Xbox One・SeriesX・S / STEAM
PSPタイトル
携帯電話向けタイトル
↑
ソウル シリーズ
Demon's Souls
DARK SOULS
DARK SOULSⅡ
DARK SOULSⅢ
↑
その他
METAL WOLF CHAOS(XD)
Bloodborne
Déraciné(デラシネ)
SEKIRO:SHADOWS DIE TWICE
↑
創作関連
Illustration[投稿画像]
全年齢向け
成人向け
Picture[投稿写真]
Movie[投稿動画]
Novels[投稿小説]
連載中作品
完結済作品
長編
短編
R-18系作品
アップローダー
画像アップローダー
↑
機体関連
AC Showroom[機体画像展示室]
AC Garage[アセンブル相談室]
↑
メディアミックス・グッズ情報
出版物情報
音楽関連情報
プラモデル・立体物関連情報
グッズ情報
?
↑
Link
公式サイト
FROM SOFTWARE
ARMORED CORE
DARK SOULS
Bloodborne
↑
各種ログ
過去の公式発表
各種コメントログ
サイト名ダービー跡地
強化月間ログ
TRPGログ
TRPG愛好会外部サイト進出投票結果
削除ページ一覧
削除したページはここから確認・復旧できます
過去のトップページ
編集の参考に過去のトップページを保存してあります
↑
ヤーナムおみくじ
トスニルス
↑
今日の運勢
【小吉】
ハロ~ナイストゥーミーチュー
話せる?のかな?アーユー何人?
火星人?ハセヨ?
現在、317 人がアクセス中です。
Total:4972/Today:2
-- 雛形とするページ --
2系 エネミー・メカニック
3系 エネミー・メカニック
404_Not_Found
ACfA/in the end 1(小説・全年齢))
ACfA/in the end 2(小説・全年齢))
ACfA/in the end 3(小説・全年齢))
ACfA/in the end 4(小説・全年齢))
ACfA/in the end 5(小説・全年齢))
ACfA/in the end 6(小説・全年齢))
ACfA/in the end 7(小説・全年齢))
ACfA/in the end 8(小説・全年齢))
ACfA/in the end 9(小説・全年齢))
ACfA/in the end 10(小説・全年齢))
ACfA/in the end 11(小説・全年齢))
ACfA/in the end 12(小説・全年齢))
ACfA/in the end 13(小説・全年齢))
ACfA/in the end 14(小説・全年齢))
ACfA/in the end 15(小説・全年齢))
ACfA/in the end 16(小説・全年齢))
ACfA/in the end 17(小説・全年齢))
ACfA/in the end 18(小説・全年齢))
ACfA/in the end 19 エピローグ(小説・全年齢))
ACfA/in the end 20 後日談 1(小説・全年齢))
ACfA/in the end 21 後日談 2(小説・全年齢))
ACfA/in the end 22 後日談 3【最終話】(小説・全年齢))
ACfA/in the end 23 クリスマス番外編その1【12月18日のお話】(小説・全年齢))
ACfA/in the end 24 クリスマス番外編その2【12月21日のお話】(小説・全年齢))
ACfA/in the end 25 クリスマス番外編その3【12月24日 イブのお話】(小説・全年齢))
ACfA/in the end 26 クリスマス番外編 エピローグ【年明け後のお話】
ACfA/in the end 27 バレンタイン番外編その1(小説・全年齢))
ACfA/in the end 28 バレンタイン番外編その2(小説・全年齢))
ACfA/in the end 29.5A ホワイトデー番外編 前編(小説・全年齢))
ACfA/in the end 29.5B ホワイトデー番外編 中編(小説・全年齢))
ACfA/in the end 29 バレンタイン番外編その3(小説・全年齢))
ACfA/in the end 30 -after the end-(小説・全年齢))
ACfA/in the end 過去編 -The Journey of Past- 1(小説・全年齢))
ACfA/in the end 過去編 -The Journey of Past- 2(小説・全年齢))
ACfA/in the end 過去編 -The Journey of Past- 3(小説・全年齢))
ACfA/in the end 過去編 -The Journey of Past- 4(小説・全年齢))
ACfA/in the end 過去編 -The Journey of Past- 5(小説・全年齢))
ACfA/in the end 過去編 -The Journey of Past- 6 end(小説・全年齢))
ACFA/Iria's Report 01
ACFA/Iria's Report 02
ACFA/Iria's Report 03
ACFA/Iria's Report 04
ACFA/Iria's Report 05
ACFA/Iria's Report 06
ACFA/Iria's Report 07
ACFA/Iria's Report 08
ACFA/Iria's Report 09
ACFA/Iria's Report 10
ACFA/Iria's Report 11
ACFA/Iria's Report 12
ACFA/Iria's Report 13
ACFA/Iria's Report 14
ACFA/Iria's Report 15
ACFA/Iria's Report 16
ACFA/Iria's Report 17
ACFA/Iria's Report 18
ACFA/Iria's Report 19
ACFA/Iria's Report 20
ACFA/Iria's Report 21
ACfA_CWUBRG_01/Dirty Worker(小説・全年齢)
ACfA_CWUBRG_02/Dearly Beloved(小説・全年齢)
AC Garage
AC Showroom
AR2E第1回テストセッション 『入団試験』
ARMORED CORE
ARMORED CORE 2
ARMORED CORE 2 ANOTHER AGE
ARMORED CORE 2 ANOTHER AGE/ミッション
ARMORED CORE 2 ANOTHER AGE/ロケーション
ARMORED CORE 2 ANOTHER AGE/登場人物
ARMORED CORE 2 SERIES 用語集
ARMORED CORE 2/FCS
ARMORED CORE 2/インサイド
ARMORED CORE 2/エクステンション
ARMORED CORE 2/オプショナルパーツ
ARMORED CORE 2/コアパーツ
ARMORED CORE 2/ジェネレータ
ARMORED CORE 2/ブースタ
ARMORED CORE 2/ミッション
ARMORED CORE 2/ラジエータ
ARMORED CORE 2/ロケーション
ARMORED CORE 2/世界観考察
ARMORED CORE 2/企業
ARMORED CORE 2/右腕部武器
ARMORED CORE 2/左腕部武器
ARMORED CORE 2/登場人物
ARMORED CORE 2/背部武器
ARMORED CORE 2/脚部パーツ
ARMORED CORE 2/腕部パーツ
ARMORED CORE 2/頭部パーツ
ARMORED CORE 3 / 企業
ARMORED CORE 3/エネミー
ARMORED CORE V
Bloodborne
FrontPage
MenuBar
PHP
...
[[小説/長編]] #setlinebreak Written by 雨晴 ---- "To nobles Welcom to the earth"。 貴族共、地球へようこそ。ORCA旅団がアルテリア同時襲撃に際して発した、短い声明文。 その言葉の下アルテリア施設の過半は制圧され、強固な防衛戦力が企業連の奪還を阻止している。 突如発生した未曾有のテロ行為。その対応を迫られた企業に、3つの難題が圧し掛かった。 ひとつは、都市蹂躙型アームズフォートの存在が確認されたこと。 ひとつは、かつてレイレナード社が建造した衛星破壊砲、エーレンベルクが彼らの手に落ちていることが確認されたこと。 そしてもうひとつは、クレイドル空域に出現した、未確認のネクストの存在。 全ての難題に対し、最精鋭を送り込む必要がある。企業連はそう判断している。 最も早く対応しなければならないのは無論、未確認ネクスト。それは、刻一刻とクレイドル03へと近づいている。 失敗すれば、1億もの人間が死ぬ。失敗は許されない。 現状の企業連で派遣することの出来る、最高のネクスト戦力を選出しなければならない。 各企業の老人たちの全会一致で、その名が直ぐに導き出された。 どの企業にも属さない、ランク9。 ストレイド。 本来であれば飛行を許されない高空を、高速で航行する輸送機がある。積み荷はネクスト。 「クレイドル03が近い。そろそろ準備をしておけ」 『了解』 セレン・ヘイズはその中で一人、男と会話していた。 「この作戦、老人達にとっては絶対に負けられないものだ。それに選ばれるのが何を意味するのか、わかるな」 肯定が返ってくる。この男は、自分の可能性を否定しない。ならば。 「見せ付けてやれ、お前の力を」 『言われずとも』 そうか、と苦笑。プライマルアーマーの展開が完了したようで、自動的にハッチが解放される。アームがストレイドを機外へと押し出した。 クレイドル03を視認、だが。 「・・・既に始まっているか」 『そのようですね』 そのエンジンからは黒煙が見える。戦力は、ネクストだけではないようだ。 あれは、自立型ネクストだろうか。旧レイレナード社の試作機が、なぜ。 今はそんな事を考えていても仕方ない。セレンは首を振る。息を吸い込んだ。 「急げ、クレイドルを守るんだ」 『了解。ストレイド、戦闘開始』 アームがストレイドをリリース。同時に、コジマ粒子がその背に注がれる。オーバードブースト。 見送りながら、その背に思う。死ぬなよ、と。 唯一救われた点は、最も手前のクレイドルが襲撃を受けていたことだ。 戦力を確認する。ネクスト1、逆関節機。自立型ネクスト4。 『クレイドルとは、良く出来た体制だな』 唐突に、敵からの通信を拾う。低い、どこか楽しそうな感情が込められたもの。 『まとめて殺るには最適だ』 違う。なぜかそう思う。 この男は本当にORCAの人間か?違う。彼らの答えは、こんなものとは違う。 どちらかと言えば過去の自分を見ているようで、顔を顰めた。ならばそれは、私の越えるべき壁だ。 状況確認、自立型ネクスト、クレイドル攻撃中。先に、こちらか。 無人機は隙が大きい。エネルギー充填のためか、攻撃前に静止する。グレネード2発射出、一機。 後方より射撃、被弾。回避、確認。 ネクスト?ライフル?後回しだ。クイックブーストにて敵射程外へ離脱。ミサイル接近、回避。 自立型ネクスト2機目へ接近、敵機回避機動。だがそのルーチンは、あまりに雑だ。 遅い。ミサイル射出、マシンガン起動、下方より射撃。 撃墜。 3機目、距離800、4機目、右方推定1200。両機静止、エネルギー充填中。 攻撃か?これ以上このクレイドルの被弾は避けるべきだ。 だとすれば、攻撃前に仕留めなければ。2機を?同時には無理だ。この位置からは、どちらか一方へしか攻撃できない。 ここまでの思考を一瞬で追え、確認を含めてひとつ頷いた。サイティング、手動へ切り替え。グレネード展開。目を細める。 ノーロック射撃。3機目へ命中、撃墜。 マシンガン起動。クイックターンで回頭90度、オーバードブースト。 4機目へ接近、ミサイル確認、マシンガンで対応、被弾1、接敵。 グレネードのゼロ距離射撃。敵機撃墜至らず、マシンガンで撃墜。 自立型ネクスト排除。 次目標、不明ネクスト。 一気に肉薄する。 「チッ」 使えねえ、そう思う。一機も落とせないんじゃ、くすねてきた意味が無い。 「まあ、いいか」 黒のアリーヤが迫ってくる。自立ネクストを数十秒で片付けたそれを見据える。 どう考えても接近戦使用。ジュリアス・エメリーはアレに殺されたらしいが。 ミサイルで牽制を掛ける。被弾しようがしまいが、無関係に飛び込んでくる敵機。 上昇。垂直推力とクイックブーストでクレイドルへ近づく。 まあ、アレは目標ではない。目標はクレイドルの連中だ。 途端、進路に複眼が見えた。超至近距離。 ライフルを被弾し反射的にサイドブースターを吹かす。距離を取ったつもりだった相手が、再びそこにいる。 再び舌打ちが出た。 「クソが」 アルゼブラ製のライフルとショットガンが敵を捉えきれず、仕方なくオーバードブーストで撤退する。 警告、後方からミサイル複数。クイックターン、ミサイルを打ち落とす。だが、それは囮。爆発。グレネードの直撃。 空中戦で軽量の逆接機相手にグレネードを使う奴なんて、頭が悪いか腕が悪いかのどちらかだと思っていた。 口元が歪む。爆風の向こうから、銃口が見えた。久々に味わう恐怖感。銃口が輝く。 プライマルアーマー消失、回避、回避、回避。 メインブースターを一杯に踏み込み、ようやく敵の射程外へと飛び出す。感じた安堵に、愕然とした。恐怖?馬鹿な。 正対し、ミサイルを絡めてライフルで引いていく。だが、一発たりとも当たりはしない。 敵機の回避運動は正確そのものだ。FCSの未来予測が機能していないのではないか。 必要最低限のクイックブーストで、確実な回避。突然、黒が落下し始める。 何だ?そう思うと同時、黒が視界から失せた。 長時間滞空戦は厳しい。ブースターにアリーヤのものをそのまま使っているからだ。 たまにジェネレーターの回復速度が追いつかなくなる。 まあ、これが無ければ始まらないしな。 そう思いつつ、張り詰めていた緊張感を一時的に取り除く。 敵機は600前方。クレイドルへ向かおうとすれば、いつでも接近できる。 今は充填だ。飛んでくる弾丸やミサイルをあしらいながら、コンソールを操作。各クレイドルの損害状況を確認。 今のところは、奇襲で受けた被害以外問題は無いようだ。 ミサイル接近、回避。ライフル弾回避、回避。ミサイルで牽制。 そろそろグレネードの残弾が気になる。パージするか?いや、納期の事を考えれば、次の戦闘に間に合わないか。 有澤製グレネードの魅力は、その信頼性だろう。重いが、流石グレネードの老舗。扱いやすいし、威力もある。壊れもしない。 その信頼性を獲得する為に、ひとつひとつがハンドメイドらしい。この大きさをハンドメイドとは、恐れ入る。 ミサイル接近、排除。 さて。 意識を戦場に戻す。プライマルアーマー回復、エネルギー充填率95、各兵装展開準備良し、リロード良し。 どうするか。そう思考し、いつかのリリウムとの戦闘を思い出す。 口元が少し緩んだ。垂直推力をカットし、自由落下。あのときの機動を試してみよう。 数秒後、オーバードブースト点火。敵の視界から消えるよう、クイックブーストも使用。 敵機直上、オーバードブースト解除。バックブースターでブレーキを掛ける。距離300、敵機回避行動。だが、それは。 ホワイト・グリントのリンクスには及ばない。 彼は速かった。判断力も、反応速度も、回避錬度も一級品。 両腕部兵装起動、射撃。命中。 敵機迎撃、ショットガン、チェーンガン。ショットガンは取り回しに難がある。チェーンガンは直下に対しては効果がない。 当たらない。 敵機オーバードブースト展開準備。させるか。垂直推力全開、メインクイックブースターで一歩前へ出る。クイックターン、正対。 マシンガン全力射撃、プライマルアーマーを弾く。オーバードブーストの点火に失敗し、メインブースターの火がちらりと見えた。 同時、敵機が突っ込んでくる。これまで見せなかったその姿勢に、しかし冷静に対処する。 バッククイックブーストとサイドクイックブーストの連続。視界内に収めつつ、後退する。理由が分かった。 クレイドルか。 被弾していたクレイドルが、高度を下げる為に規定のコースから外れている。 プライマルアーマーが回復したらしい敵機が、高速でそちらに向かう。させない。オーバードブースト。 敵機射程まで、・・・ダメだ。敵射線上にクレイドルの推進装置を確認する。敵機に躊躇いは見られない。 一瞬で見出した判断。このクレイドルは、これ以上被弾させるわけにはいかない。 なら、射線上に潜り込め。 クイックブースターで敵を追い越し、クイックターンで敵を見据える。その前に、被弾した。連続。衝撃。 マシンガンで敵の位置取りを変えようにも、こちらが何を考えているかわかっている様だ。そのまま、これでもかと弾を撃ち込んでくる。 回避が思い通り出来ず、ミサイルの対応はマシンガンに任せる。全て打ち落とす。 クレイドルの推進装置にたどり着きそうな弾丸は、徹底的にストレイドへとぶつける。AP減少、ジリ貧だ。 セレンからのAP警告。まだだ、まだ。まだ動くな、もう少し。 敵、ライフルリロード開始。 ここだ。 全力で500の距離を詰める。プライマルアーマーが干渉し合い、剥がれ落ちていく。 右腕を振りかぶった。モーターコブラ。皿状の頭部へと突きつけ、全力射撃。よろめく敵機。リロード警告。 そのまま上へ回り込み、グレネードで叩き落す。落下していく敵機に乗り上げ、マーヴを起動、モーターコブラ、リロード完了。 斉射。金属を抉り取る音を間近で聞き取る。 『早すぎるが、まあ、仕方ない』 グレネード展開、距離200まで後退。 『殺しているんだ。殺されもするさ』 射出。 『良くやった。彼らはお前が守ったんだ』 セレンの賛辞を聞きながら、プライマルアーマーを解除。クレイドルに着地する。 護衛部隊のノーマルに迎えられ、クレイドルの内部からは沢山の人の目が向けられている。その騒ぎは、喜んでいるように見えた。 「悪くないものですね」 それは、かつて守りたかったものではないけれど。でも。 『そうだな』 これもきっと、私の答えだ。 頷く。 「セレン、近くに前線基地はありますか?状況の確認がしたい」 少し待て、そう言われて待つ。直ぐに、レーダー上に光点が現れた。 『GA社のグレートウォールが、発見されたORCA旅団のアームズフォート対策の為に出撃している』 「アームズフォートですか」 『ああ。その作戦は既に成功している。整備と弾薬の補給を、喜んで引き受けるそうだ』 「了解」 振り返り、飛び出す。 その汚染されていない空は、本当に綺麗だった。 「君が、ストレイドの?」 話しかけると、その若者はネクストへ向けていた視線をこちらへ向けた。一礼。 「はい。ハイン・アマジーグと申します。あの、失礼ですが」 「グローバル・アーマメンツ社、ローディーだ。君の噂は聞いている」 あなたが、と改めて一礼をする若者に、礼儀正しい男だと感想を得た。 「GA社の英雄とお話させて頂けるとは、光栄です」 「私など、ただの老兵だとも。それよりもクレイドル03防衛、成功だと聞いた。労いを一言な」 「有難う御座います。あなたも、ORCA旅団のアームズフォートを撃破されたと伺いました」 お疲れ様です、と労われる。有難うと返す。 途端、少し疑問を抱くような視線を向けられた。 「何だね?」 「失礼かもしれませんが、顔色が芳しくないように感じます」 ああ、顔に出ていたか。目を瞑り、抑えようと努力する。 「AMS適正が低いものでな。作戦後は、あまり気分が優れん」 「大丈夫なのですか?」 心配そうに尋ねてくる若者に、大丈夫だと制す。しかし、と本当に心配そうにされる。人の良い男だ。もう一度制する。 「父も、AMS適正は高くありませんでした。心身に、かなりの疲労を催すものだと伺っています」 その言葉に、マグリブ解放戦線のアマジーグを思い出す。 直接戦ったことはないが、劣悪なAMS適正で驚異的な能力を発揮していたという。 「まあ、こればっかりは経験では騙せないからな」 「何か飲まれますか?」 「いや、構わない。大丈夫だ」 言って、グレートウォール内のネクストハンガーへと視線を移す。そこには二機。フィードバックと、ストレイド。 「ローディー様」 良く世話になっているオペレーターに声を掛けられ、向く。焦ったような彼女に、どうしたのかと尋ねる。 「BFF社より、支援要請です。エーレンベルク攻撃隊が劣勢との事で」 「状況は?」 「第一陣は壊滅、第二陣であるアンビエント、ストリクス・クアドロ両機が戦闘エリアに向かっているようです」 隣の若者が肩を動かした。 「それで、私に要請が?」 「はい。敵戦力はネクストをはじめ堅牢とのことで、2機では心許ないと」 わかった、準備しよう。そう歩みを進ませたところで、引き止められた。 「ローディ、今のあなたが戦場に出ては危険です」 「大丈夫だ、慣れている。フィードバックも、先の戦闘での被弾箇所は殆どない」 「私が出ます」 何?その疑問が顔に出ただろうか、若者が続ける。 「幸い、私はまだ戦闘に出られます。私では、不足でしょうか」 しかし、とオペレーターが間に入る。 「ストレイドの修復は、殆ど完了していません」 「弾薬の補充は?」 すぐさまの切り替えしに、オペレーターが一瞬躊躇う。 「・・・終了しています」 「なら、問題ありませんね」 ですから、と迫るオペレーターに柔和な笑顔を向けるストレイドのリンクス。 「被弾しなければ良いんですよ。装甲類は構わないので、各ブースターと間接部の点検をお願いしても宜しいですか?」 ローディー様、と助けを求めるような視線を向けられる。心なしか顔が赤い。 いつかロイが、"アイツは天然タラシですよ"と言っていたのを思い出す。確かに。そう思い、笑ってしまう。 オペレーターから訝しげな視線を受けた。 「構わないのか?ハイン・アマジーグ。頼んでしまっても」 「ええ」 迷いの無い、その返事。 「ただし、弾薬費と修理費はそちら持ちという事で」 その言葉に、笑みが増した。それで後腐れ無しと言う事か。こちらの面子を潰さずに。 面白い男だ。 「わかった。すまないが、宜しく頼む」 「わかりました」 言って、一礼。またお会いしましょうと去っていく。若者の後姿は、堂々としていた。 「老いたな、私も」 それは、心からの感想だった。 ---- now:&online; today:&counter(today); yesterday:&counter(yesterday); total:20000くらい+&counter(total); ---- **コメント [#z966916e] - 毎度沢山の感想、有難う御座います!12話、古王戦です。トゥートゥー言わせようかと思ったんですが自重しました。残念です。 次回はリリウム協働フラグの消化ですね。早いうち持ってくるつもりですが、もしかしたら3日くらい間が開いてしまうかもしれません。極力急ぎます・・・ -- [[雨晴]] &new{2009-08-02 (日) 00:18:06}; - 純正のアリャーで古王に食らいつけるって、どんなEN管理してんすかハインさん…… -- &new{2009-08-02 (日) 00:51:34}; - つ、ついにリリウム協働・・・楽しみにしております。 無理せずに頑張ってくださいー。 そこは言わせるべきだった>とぅーとぅー -- &new{2009-08-02 (日) 01:31:14}; - 王大人<貴様、いい腕をしているな。私の盾になれ -- &new{2009-08-02 (日) 01:53:05}; - ↑干<その話、私が尻を貸そう> <や ら な い か >興 -- &new{2009-08-02 (日) 02:00:37}; - 協働怖いよぉ…沈むのは王だけにしt(ry -- &new{2009-08-02 (日) 05:24:23}; - 今はこれが一番面白いです!多少時間がかかっても面白いものならば問題なしbb -- &new{2009-08-02 (日) 06:29:44}; - 次回はハインさん手負い戦か・・・頑張れハインさん! -- &new{2009-08-02 (日) 12:30:14}; - 応援してます!頑張って完結させて下さい! -- &new{2009-08-02 (日) 17:43:23}; - この天然タラシめ…GAのオペレーターまで落とす気か。 それはそうとしてMBアリャでQB付加しまくって古王を圧倒するハインさんに脱帽 -- &new{2009-08-03 (月) 01:20:59}; - オレのグレは不良品だったのか・・・なんたって古王に当たんないもん -- &new{2009-08-03 (月) 11:45:13}; - 有澤製グレネードはハンドメイドだったのか…さこれからは -- &new{2009-08-03 (月) 14:23:20}; - ↑失礼しました これからはパージができなくなりそう -- &new{2009-08-03 (月) 14:24:34}; #comment ---- RIGHT:[[小説へ戻る>小説]]
タイムスタンプを変更しない
[[小説/長編]] #setlinebreak Written by 雨晴 ---- "To nobles Welcom to the earth"。 貴族共、地球へようこそ。ORCA旅団がアルテリア同時襲撃に際して発した、短い声明文。 その言葉の下アルテリア施設の過半は制圧され、強固な防衛戦力が企業連の奪還を阻止している。 突如発生した未曾有のテロ行為。その対応を迫られた企業に、3つの難題が圧し掛かった。 ひとつは、都市蹂躙型アームズフォートの存在が確認されたこと。 ひとつは、かつてレイレナード社が建造した衛星破壊砲、エーレンベルクが彼らの手に落ちていることが確認されたこと。 そしてもうひとつは、クレイドル空域に出現した、未確認のネクストの存在。 全ての難題に対し、最精鋭を送り込む必要がある。企業連はそう判断している。 最も早く対応しなければならないのは無論、未確認ネクスト。それは、刻一刻とクレイドル03へと近づいている。 失敗すれば、1億もの人間が死ぬ。失敗は許されない。 現状の企業連で派遣することの出来る、最高のネクスト戦力を選出しなければならない。 各企業の老人たちの全会一致で、その名が直ぐに導き出された。 どの企業にも属さない、ランク9。 ストレイド。 本来であれば飛行を許されない高空を、高速で航行する輸送機がある。積み荷はネクスト。 「クレイドル03が近い。そろそろ準備をしておけ」 『了解』 セレン・ヘイズはその中で一人、男と会話していた。 「この作戦、老人達にとっては絶対に負けられないものだ。それに選ばれるのが何を意味するのか、わかるな」 肯定が返ってくる。この男は、自分の可能性を否定しない。ならば。 「見せ付けてやれ、お前の力を」 『言われずとも』 そうか、と苦笑。プライマルアーマーの展開が完了したようで、自動的にハッチが解放される。アームがストレイドを機外へと押し出した。 クレイドル03を視認、だが。 「・・・既に始まっているか」 『そのようですね』 そのエンジンからは黒煙が見える。戦力は、ネクストだけではないようだ。 あれは、自立型ネクストだろうか。旧レイレナード社の試作機が、なぜ。 今はそんな事を考えていても仕方ない。セレンは首を振る。息を吸い込んだ。 「急げ、クレイドルを守るんだ」 『了解。ストレイド、戦闘開始』 アームがストレイドをリリース。同時に、コジマ粒子がその背に注がれる。オーバードブースト。 見送りながら、その背に思う。死ぬなよ、と。 唯一救われた点は、最も手前のクレイドルが襲撃を受けていたことだ。 戦力を確認する。ネクスト1、逆関節機。自立型ネクスト4。 『クレイドルとは、良く出来た体制だな』 唐突に、敵からの通信を拾う。低い、どこか楽しそうな感情が込められたもの。 『まとめて殺るには最適だ』 違う。なぜかそう思う。 この男は本当にORCAの人間か?違う。彼らの答えは、こんなものとは違う。 どちらかと言えば過去の自分を見ているようで、顔を顰めた。ならばそれは、私の越えるべき壁だ。 状況確認、自立型ネクスト、クレイドル攻撃中。先に、こちらか。 無人機は隙が大きい。エネルギー充填のためか、攻撃前に静止する。グレネード2発射出、一機。 後方より射撃、被弾。回避、確認。 ネクスト?ライフル?後回しだ。クイックブーストにて敵射程外へ離脱。ミサイル接近、回避。 自立型ネクスト2機目へ接近、敵機回避機動。だがそのルーチンは、あまりに雑だ。 遅い。ミサイル射出、マシンガン起動、下方より射撃。 撃墜。 3機目、距離800、4機目、右方推定1200。両機静止、エネルギー充填中。 攻撃か?これ以上このクレイドルの被弾は避けるべきだ。 だとすれば、攻撃前に仕留めなければ。2機を?同時には無理だ。この位置からは、どちらか一方へしか攻撃できない。 ここまでの思考を一瞬で追え、確認を含めてひとつ頷いた。サイティング、手動へ切り替え。グレネード展開。目を細める。 ノーロック射撃。3機目へ命中、撃墜。 マシンガン起動。クイックターンで回頭90度、オーバードブースト。 4機目へ接近、ミサイル確認、マシンガンで対応、被弾1、接敵。 グレネードのゼロ距離射撃。敵機撃墜至らず、マシンガンで撃墜。 自立型ネクスト排除。 次目標、不明ネクスト。 一気に肉薄する。 「チッ」 使えねえ、そう思う。一機も落とせないんじゃ、くすねてきた意味が無い。 「まあ、いいか」 黒のアリーヤが迫ってくる。自立ネクストを数十秒で片付けたそれを見据える。 どう考えても接近戦使用。ジュリアス・エメリーはアレに殺されたらしいが。 ミサイルで牽制を掛ける。被弾しようがしまいが、無関係に飛び込んでくる敵機。 上昇。垂直推力とクイックブーストでクレイドルへ近づく。 まあ、アレは目標ではない。目標はクレイドルの連中だ。 途端、進路に複眼が見えた。超至近距離。 ライフルを被弾し反射的にサイドブースターを吹かす。距離を取ったつもりだった相手が、再びそこにいる。 再び舌打ちが出た。 「クソが」 アルゼブラ製のライフルとショットガンが敵を捉えきれず、仕方なくオーバードブーストで撤退する。 警告、後方からミサイル複数。クイックターン、ミサイルを打ち落とす。だが、それは囮。爆発。グレネードの直撃。 空中戦で軽量の逆接機相手にグレネードを使う奴なんて、頭が悪いか腕が悪いかのどちらかだと思っていた。 口元が歪む。爆風の向こうから、銃口が見えた。久々に味わう恐怖感。銃口が輝く。 プライマルアーマー消失、回避、回避、回避。 メインブースターを一杯に踏み込み、ようやく敵の射程外へと飛び出す。感じた安堵に、愕然とした。恐怖?馬鹿な。 正対し、ミサイルを絡めてライフルで引いていく。だが、一発たりとも当たりはしない。 敵機の回避運動は正確そのものだ。FCSの未来予測が機能していないのではないか。 必要最低限のクイックブーストで、確実な回避。突然、黒が落下し始める。 何だ?そう思うと同時、黒が視界から失せた。 長時間滞空戦は厳しい。ブースターにアリーヤのものをそのまま使っているからだ。 たまにジェネレーターの回復速度が追いつかなくなる。 まあ、これが無ければ始まらないしな。 そう思いつつ、張り詰めていた緊張感を一時的に取り除く。 敵機は600前方。クレイドルへ向かおうとすれば、いつでも接近できる。 今は充填だ。飛んでくる弾丸やミサイルをあしらいながら、コンソールを操作。各クレイドルの損害状況を確認。 今のところは、奇襲で受けた被害以外問題は無いようだ。 ミサイル接近、回避。ライフル弾回避、回避。ミサイルで牽制。 そろそろグレネードの残弾が気になる。パージするか?いや、納期の事を考えれば、次の戦闘に間に合わないか。 有澤製グレネードの魅力は、その信頼性だろう。重いが、流石グレネードの老舗。扱いやすいし、威力もある。壊れもしない。 その信頼性を獲得する為に、ひとつひとつがハンドメイドらしい。この大きさをハンドメイドとは、恐れ入る。 ミサイル接近、排除。 さて。 意識を戦場に戻す。プライマルアーマー回復、エネルギー充填率95、各兵装展開準備良し、リロード良し。 どうするか。そう思考し、いつかのリリウムとの戦闘を思い出す。 口元が少し緩んだ。垂直推力をカットし、自由落下。あのときの機動を試してみよう。 数秒後、オーバードブースト点火。敵の視界から消えるよう、クイックブーストも使用。 敵機直上、オーバードブースト解除。バックブースターでブレーキを掛ける。距離300、敵機回避行動。だが、それは。 ホワイト・グリントのリンクスには及ばない。 彼は速かった。判断力も、反応速度も、回避錬度も一級品。 両腕部兵装起動、射撃。命中。 敵機迎撃、ショットガン、チェーンガン。ショットガンは取り回しに難がある。チェーンガンは直下に対しては効果がない。 当たらない。 敵機オーバードブースト展開準備。させるか。垂直推力全開、メインクイックブースターで一歩前へ出る。クイックターン、正対。 マシンガン全力射撃、プライマルアーマーを弾く。オーバードブーストの点火に失敗し、メインブースターの火がちらりと見えた。 同時、敵機が突っ込んでくる。これまで見せなかったその姿勢に、しかし冷静に対処する。 バッククイックブーストとサイドクイックブーストの連続。視界内に収めつつ、後退する。理由が分かった。 クレイドルか。 被弾していたクレイドルが、高度を下げる為に規定のコースから外れている。 プライマルアーマーが回復したらしい敵機が、高速でそちらに向かう。させない。オーバードブースト。 敵機射程まで、・・・ダメだ。敵射線上にクレイドルの推進装置を確認する。敵機に躊躇いは見られない。 一瞬で見出した判断。このクレイドルは、これ以上被弾させるわけにはいかない。 なら、射線上に潜り込め。 クイックブースターで敵を追い越し、クイックターンで敵を見据える。その前に、被弾した。連続。衝撃。 マシンガンで敵の位置取りを変えようにも、こちらが何を考えているかわかっている様だ。そのまま、これでもかと弾を撃ち込んでくる。 回避が思い通り出来ず、ミサイルの対応はマシンガンに任せる。全て打ち落とす。 クレイドルの推進装置にたどり着きそうな弾丸は、徹底的にストレイドへとぶつける。AP減少、ジリ貧だ。 セレンからのAP警告。まだだ、まだ。まだ動くな、もう少し。 敵、ライフルリロード開始。 ここだ。 全力で500の距離を詰める。プライマルアーマーが干渉し合い、剥がれ落ちていく。 右腕を振りかぶった。モーターコブラ。皿状の頭部へと突きつけ、全力射撃。よろめく敵機。リロード警告。 そのまま上へ回り込み、グレネードで叩き落す。落下していく敵機に乗り上げ、マーヴを起動、モーターコブラ、リロード完了。 斉射。金属を抉り取る音を間近で聞き取る。 『早すぎるが、まあ、仕方ない』 グレネード展開、距離200まで後退。 『殺しているんだ。殺されもするさ』 射出。 『良くやった。彼らはお前が守ったんだ』 セレンの賛辞を聞きながら、プライマルアーマーを解除。クレイドルに着地する。 護衛部隊のノーマルに迎えられ、クレイドルの内部からは沢山の人の目が向けられている。その騒ぎは、喜んでいるように見えた。 「悪くないものですね」 それは、かつて守りたかったものではないけれど。でも。 『そうだな』 これもきっと、私の答えだ。 頷く。 「セレン、近くに前線基地はありますか?状況の確認がしたい」 少し待て、そう言われて待つ。直ぐに、レーダー上に光点が現れた。 『GA社のグレートウォールが、発見されたORCA旅団のアームズフォート対策の為に出撃している』 「アームズフォートですか」 『ああ。その作戦は既に成功している。整備と弾薬の補給を、喜んで引き受けるそうだ』 「了解」 振り返り、飛び出す。 その汚染されていない空は、本当に綺麗だった。 「君が、ストレイドの?」 話しかけると、その若者はネクストへ向けていた視線をこちらへ向けた。一礼。 「はい。ハイン・アマジーグと申します。あの、失礼ですが」 「グローバル・アーマメンツ社、ローディーだ。君の噂は聞いている」 あなたが、と改めて一礼をする若者に、礼儀正しい男だと感想を得た。 「GA社の英雄とお話させて頂けるとは、光栄です」 「私など、ただの老兵だとも。それよりもクレイドル03防衛、成功だと聞いた。労いを一言な」 「有難う御座います。あなたも、ORCA旅団のアームズフォートを撃破されたと伺いました」 お疲れ様です、と労われる。有難うと返す。 途端、少し疑問を抱くような視線を向けられた。 「何だね?」 「失礼かもしれませんが、顔色が芳しくないように感じます」 ああ、顔に出ていたか。目を瞑り、抑えようと努力する。 「AMS適正が低いものでな。作戦後は、あまり気分が優れん」 「大丈夫なのですか?」 心配そうに尋ねてくる若者に、大丈夫だと制す。しかし、と本当に心配そうにされる。人の良い男だ。もう一度制する。 「父も、AMS適正は高くありませんでした。心身に、かなりの疲労を催すものだと伺っています」 その言葉に、マグリブ解放戦線のアマジーグを思い出す。 直接戦ったことはないが、劣悪なAMS適正で驚異的な能力を発揮していたという。 「まあ、こればっかりは経験では騙せないからな」 「何か飲まれますか?」 「いや、構わない。大丈夫だ」 言って、グレートウォール内のネクストハンガーへと視線を移す。そこには二機。フィードバックと、ストレイド。 「ローディー様」 良く世話になっているオペレーターに声を掛けられ、向く。焦ったような彼女に、どうしたのかと尋ねる。 「BFF社より、支援要請です。エーレンベルク攻撃隊が劣勢との事で」 「状況は?」 「第一陣は壊滅、第二陣であるアンビエント、ストリクス・クアドロ両機が戦闘エリアに向かっているようです」 隣の若者が肩を動かした。 「それで、私に要請が?」 「はい。敵戦力はネクストをはじめ堅牢とのことで、2機では心許ないと」 わかった、準備しよう。そう歩みを進ませたところで、引き止められた。 「ローディ、今のあなたが戦場に出ては危険です」 「大丈夫だ、慣れている。フィードバックも、先の戦闘での被弾箇所は殆どない」 「私が出ます」 何?その疑問が顔に出ただろうか、若者が続ける。 「幸い、私はまだ戦闘に出られます。私では、不足でしょうか」 しかし、とオペレーターが間に入る。 「ストレイドの修復は、殆ど完了していません」 「弾薬の補充は?」 すぐさまの切り替えしに、オペレーターが一瞬躊躇う。 「・・・終了しています」 「なら、問題ありませんね」 ですから、と迫るオペレーターに柔和な笑顔を向けるストレイドのリンクス。 「被弾しなければ良いんですよ。装甲類は構わないので、各ブースターと間接部の点検をお願いしても宜しいですか?」 ローディー様、と助けを求めるような視線を向けられる。心なしか顔が赤い。 いつかロイが、"アイツは天然タラシですよ"と言っていたのを思い出す。確かに。そう思い、笑ってしまう。 オペレーターから訝しげな視線を受けた。 「構わないのか?ハイン・アマジーグ。頼んでしまっても」 「ええ」 迷いの無い、その返事。 「ただし、弾薬費と修理費はそちら持ちという事で」 その言葉に、笑みが増した。それで後腐れ無しと言う事か。こちらの面子を潰さずに。 面白い男だ。 「わかった。すまないが、宜しく頼む」 「わかりました」 言って、一礼。またお会いしましょうと去っていく。若者の後姿は、堂々としていた。 「老いたな、私も」 それは、心からの感想だった。 ---- now:&online; today:&counter(today); yesterday:&counter(yesterday); total:20000くらい+&counter(total); ---- **コメント [#z966916e] - 毎度沢山の感想、有難う御座います!12話、古王戦です。トゥートゥー言わせようかと思ったんですが自重しました。残念です。 次回はリリウム協働フラグの消化ですね。早いうち持ってくるつもりですが、もしかしたら3日くらい間が開いてしまうかもしれません。極力急ぎます・・・ -- [[雨晴]] &new{2009-08-02 (日) 00:18:06}; - 純正のアリャーで古王に食らいつけるって、どんなEN管理してんすかハインさん…… -- &new{2009-08-02 (日) 00:51:34}; - つ、ついにリリウム協働・・・楽しみにしております。 無理せずに頑張ってくださいー。 そこは言わせるべきだった>とぅーとぅー -- &new{2009-08-02 (日) 01:31:14}; - 王大人<貴様、いい腕をしているな。私の盾になれ -- &new{2009-08-02 (日) 01:53:05}; - ↑干<その話、私が尻を貸そう> <や ら な い か >興 -- &new{2009-08-02 (日) 02:00:37}; - 協働怖いよぉ…沈むのは王だけにしt(ry -- &new{2009-08-02 (日) 05:24:23}; - 今はこれが一番面白いです!多少時間がかかっても面白いものならば問題なしbb -- &new{2009-08-02 (日) 06:29:44}; - 次回はハインさん手負い戦か・・・頑張れハインさん! -- &new{2009-08-02 (日) 12:30:14}; - 応援してます!頑張って完結させて下さい! -- &new{2009-08-02 (日) 17:43:23}; - この天然タラシめ…GAのオペレーターまで落とす気か。 それはそうとしてMBアリャでQB付加しまくって古王を圧倒するハインさんに脱帽 -- &new{2009-08-03 (月) 01:20:59}; - オレのグレは不良品だったのか・・・なんたって古王に当たんないもん -- &new{2009-08-03 (月) 11:45:13}; - 有澤製グレネードはハンドメイドだったのか…さこれからは -- &new{2009-08-03 (月) 14:23:20}; - ↑失礼しました これからはパージができなくなりそう -- &new{2009-08-03 (月) 14:24:34}; #comment ---- RIGHT:[[小説へ戻る>小説]]
テキスト整形のルールを表示する