GM:点呼開始!
風間サスケ:準備完了!(1/2)
リュウ:準備完了!(2/2)
全員準備完了しましたっ!
GM:ベネベネ。よくぞ集った我がヒーロー達
PC3:結局、PC2さんから連絡は来なかったな……
GM:やむなし
PC1:オンセだとそういうこともあるよね…
GM:では第三話、はじめようか?
PC1:よろしくおねがいします
リュウ:おう!
GM:そしてアテンションプリーズ。当セッションに参加される皆様、及びご観覧者の皆様に注意書きでーす
PC1:wkwk
GM:当セッション、第三話には胸糞展開、だまして悪いが、バッドエンド等々が想定されます
GM:ご気分を害される可能性も極めて高いのでその場合は遠慮なくGMに見えない形で
GM:「GMのくそやろうがぁぁぁぁぁぁぁっ!!」と叫ばれることを推奨いたします
リュウ:OK!(ズドン)
PC1:大河物ならバッドエンドは逆転への布石だし…希望は残るはずだし…
GM:また、それらの展開によって気分を害されたとしても当方は一切責任をもちますぇぇぇぇん!
PC1:道半ばで息絶えるのもまた忍の運命よ…
GM:以上の事に同意された方は今回のセッションに参加してくださーい!
GM:以上、注意書きでした
GM:意訳すると「気分悪くしたらごめんよ!」である
リュウ:ばっちこーい
リュウ:グロ耐性はないが
PC1:その意思がすべてを変える(変わらない)とかじゃんきゃへーきへーき
GM:では、同意もいただけたので第三話開始なのだ
【プロローグ】
その日は、朝から澄み切った晴天で、一か月前の街の破損からようやく復興しだした街がおこなった英雄感謝祭の日だった
店主:「おう!歌姫のねぇちゃん。今日はうちのイカ焼きがいいよ!とれたてのを焼いたんだ。彼氏と食ってきな」
PC1:最後を告げる、『評決の日』が…
店主2:「馬鹿だねー、あんた。歌姫みたいな高学歴の人がイカ焼きなんて服が汚れそうなもの食べるもんかい。お嬢ちゃん。うちの綿あめ持ってきな」
店主:「そうかい?じゃあ英雄のにいちゃん。あんた食ってきな。はたらいてもらってるんだ。たまにはがっつり食ってきな」
いきのいい露店の店主に呼び止められて、初々しさの残る二人が照れくさそうに微笑む
怪我をして入院している仲間もいる。明日は我が身。しかし、それでも今はこの日常を大切にしたいと、彼らは言う
[評議会議事堂にて]
十二賢者A:「外はだいぶ騒がしいようですな」
PC1:○○賢者とか元老院とかいうと海千山千の腹黒爺さんイメージしちゃうけど違うんだよな…
十二賢者B:「全く。英雄がこの世界に持ち込むものに良いものなど何もない」
十二賢者B:「特にあの当座の半身を得た成り上がりの歌姫モドキを見ろ。面汚しにも程がある」
PC3:ん?
十二賢者C:「然り。奇声蟲掃討の折には、等しくふるいにかけて希少な才を持つ者のみに選別しなくては」
十二賢者D:「……して、暗蒼の。白銀不在の折に我々を呼び出し、臨時議会を招集するとは一体なんのつもりかな?」
暗蒼の歌姫:「……白銀の歌姫様に不穏な動きがあるようです」
十二賢者A:「フォルミカめ……案の上か」
十二賢者E:「大方自分の英雄に情でも湧いたのだろう」
十二賢者A:「いやいや、あやつはそもそも英雄召喚そのものに反対をしていた。以前から準備していたものであろうさ」
十二賢者C:「そもそも当代の黄金の歌姫様のご幼少のみぎりに御傍係をしていただけの小娘が、よくも成り上がったものよ」
十二賢者D:「『銀貨のフォルミカ』……裏金で成り上がったという噂もありましたな」
十二賢者B:「して、暗蒼の。ここに報告にあがったという事は何かあるのだろう?」
暗蒼の歌姫:「残念ながら。当初は昨日の黄金の歌姫様の襲撃事件の黒幕かとも思いましたが、犯人がまだ口を割りません」
十二賢者A:「まだ粘っているのか」
暗蒼の歌姫:「はい。先日ヴァッサマイン領に出立した三騎士のリュウ様がいらっしゃる間は彼が毎日のように尋問を行っていましたので何も出来ませんでしたが」
リュウ:尋問官だってー()
暗蒼の歌姫:「彼らが居なくなってから一か月。好き物の英雄たちのなぶりものにさせていますが思うような成果は。大した忠誠心です」
PC1:ええ…
リュウ:GMから一体どういう目で見られているんだー
十二賢者B:「まぁよい。あちらの一件が片付く前に犯人はこちらの手の中にしまうまで……戦後処理をするにあたって、犯人が誰であろうともあの者の情報はあやつに渡さぬ方がよかろう」
リュウ:ですよねー
GM:一応、リュウさんの名誉のために言うと普通の尋問です。精々警察レベル
リュウ:そんなことしたらイーディスに見放されるからね
十二賢者D:「あとはツムギか……奴はそこが知れん。リュウはよい。あやつの首には首輪がついている。狂犬には違いないが、首輪がある限りあばれはすまい」
リュウ:狂犬()
PC1:しらない?名前がでてきた
リュウ:ツムギは1話にいるよ……
PC1:あっ…
十二賢者F:「査察を行わせますか。同じ三騎士、資格的には口出しできまい」
十二賢者A:「いなことを。そのような肩書、我々が奴らを制御する為に与えたただの名前よ」
十二賢者B:「奴らもそれは理解していようさ。しかし、対外的にそれが意味を持つのもまた事実……」
十二賢者D:「いざとなれば面倒な相手が共倒れに」
PC1:共倒れですってよ奥さん…
リュウ:こっちは死なないからあっちが死ぬね
十二賢者C:「それは皮算用が過ぎる。どちらにしろ奴らには蟲退治が終わるまでは生きていてもらわねばならんのだ」
十二賢者F:「蟲退治、ね……」
議事堂に失笑が漏れる。
一人二人ではない。悪意を含んだその失笑は短く、しかし確実に議事堂の重い静寂に吸い込まれると闇に消えた
暗蒼の歌姫:「では、リュウ様ご一行が帰還し次第、白銀の歌姫様の居城、及びヴァッサマイン領内の査察を実行するということで」
十二賢者A:「認可しよう。少しでも疑わしきものあれば拘束せよ。今のアーカイアには秩序こそ寛容。これは世界の為の行いである」
暗蒼の歌姫:「御下命、謹んで」
暗蒼が深々と頭を下げ、その顔が議事堂を上から照らすシャンデリアの照明の影に隠れる。
暗闇の影に張り付いていた表情は果たしてなにか……
しかし、それを誰かが見定める前に、事態は動く。彼女らの思いもしない方向に、予想もしない形で
歌姫A:「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」
ギィィィィィィィィィィィィィィィィッ!!
議事堂内部にまで響く悲鳴
それと同時に弦楽器をむやみにかき鳴らしたような音が響く。
この、『防音装置の塊のような議事堂』に、だ
PC1:急展開!
暗蒼の歌姫:「これは、一体……ッ!?」
PC3:いやぁ主役がいないですもんねー
PC1:内通者かな?
暗蒼の歌姫が慌てたように顔を上げる、それと同時に轟音と共に議事堂の一角、天井の一部を形作るステンドグラスが音を立てて次々と吹き飛ぶ
室内に舞い散る色付きのガラス片。それはさながら色付きの雨のように、シャンデリアの光を跳ね返しながらキラキラと乱反射する
そして、その空いた窓から巨大な複眼が室内をのぞき込んでいたのだった……
暗蒼の歌姫:「そんな、奇声蟲だっていうの……」
【幻奏戦記Ru/Li/Lu/Ra ノイシュタルト】
第三話 [女王種討伐作戦]
GM:以上、プロローグでした
風間サスケ:ぱちぱちー
リュウ:ぱちぱちー
GM:では、今回はリュウ、イーディス組からオープニングフェイズだ
リュウ:来たか……
【オープニングフェイズ】
参加PC: リュウ、イーディスペア
GM:ちなみに第二話が終わった後に村Aに戻ってきて撤収準備をしているときの話だからサスケたちも出てきたければ出てきていいよ
風間サスケ:はーい
GM:では、リュウ。君はあの館の事件の後、反対するイーディスを説き伏せて一旦館の近くの森の中にゼクストを隠してきたところだ
リュウ:ほい
GM:ヴァッサマインは豪雪地帯。今は数週間にもわたって吹き続けていた吹雪も収まってはいるがそれも長くは続くまい
GM:奇声蟲の討伐などもある中、君達がそうだったように恐らく土地勘のない人間があの地方の森の中にあてもなく入ってゼクストを見つけられるとは思えない
GM:一旦、ゼクストを誰の目にも届かない場所に隠すことが出来た状態だ。
GM:しかし、ここからが問題だった……
イーディス:「賛成できません」
リュウ:「参ったな……」
イーディス:「評議会に属するものとして、奇声蟲討伐は最優先事項です。あのような戦力を遊ばせておく事の意味をお考え下さい」
リュウ:「(イーディスにここまで反対されるとは思ってなかった。いや、考えもしなかったというのが正しいか)」
イーディス:「アレがあれば!今前線で戦っている方々のどれだけ助けになるか」
イーディス:「いえ、仮に前線に投入しなかったとしても、あれは前大戦の遺物です。しかるべきところで管理を受けるか、工房で調査の上で技術として、他の絶対奏甲にフィードバックを行うべきです」
イーディス:「それを破壊するだなんて……承服しかねます」
リュウ:「それは確かにそうだ。アレが今の奏甲より1か2ぐらい上のレベルなら私だってそうする」
リュウ:「だが、アレはそんなものではない」
リュウ:「……今からどれほどの時を経て作り出せるかわからないほどレベルは上だ……」
リュウ:「強大過ぎるんだよ。イーディス」
イーディス:「問題はありません。個々人が持つのならばリュウ様の懸念もわかりますが、管理は評議会が責任をもって行います」
リュウ:「そうだな。評議会だけにあれば問題はないな」
イーディス:「どういう意味でしょう?」
リュウ:「あのはっぱのついたけもの。ユグドラシルだったか」
リュウ:「あれが言ったことを覚えているか」
セルビウム:(オイ、サスケ。すげぇよ。修羅場だよ。コップじゃ壁越しなんで殆ど聞こえないけど)
風間サスケ:(静かにするでござる。ばれたらどうなるかわからないでござるよ…。)
リュウ:「『他の』と言った。アレは一機じゃない。他にも現存している」
リュウ:「だとしたら……今、どこにある?」
イーディス:「星芒装甲の目覚めは戦乱を呼ぶ、でしたか。確証のない発言です」
リュウ:「確証がなかったとしても、本当にないのかもわからない」
リュウ:「少なくともわかっているのは」
リュウ:「アレを表に出せば、他のところからも必ず現れるということだ」
イーディス:「それならばこそ!ゼクストは我々評議会が持つべきです。私欲なく世界の為に奉仕する我々評議会こそ、他の星芒奏甲が災厄をまき散らすときに止めうる力を持つべきです」
リュウ:「私もそうしたい。災厄は必ず止めなければならない」
風間サスケ:(私欲なく…でござるか。はたして……)
リュウ:「だが、アレがあるということを知られること自体が不味いんだよ」
リュウ:「猜疑心に駆られた人間が」
リュウ:「評議会を敵視することだってある」
イーディス:「そんなことはありません!評議会は……」
伝令:「し、失礼します!」
リュウ:「なんだ!」
GM:イーディスが反論しようとしたその時、けたたましい音をたててドアが開かれる
伝令:「お取込み中申し訳ありません!リュウ様、イーディス様に至急電です!」
イーディス:「……聞きましょう」
リュウ:「……わかっているさ」
伝令:「ポ、ポザネオ島陥落!リュウ、イーディス両名はトロンメイル臨時議会に至急参集されたし!以上です」
イーディス:「……え?」
リュウ:「なんだと?」
風間サスケ:「マジでござるか…」
GM:相当急いできたのだろう、肩で息をする伝令が膝から崩れるように倒れ、四つん這いになるのと、伝令にイーディスが飛びついたのはほぼ同時
セルビウム:「これ、やべぇよな?」
イーディス:「評議会は!……いえ、議員の皆様はどうなったのですか?黄金の歌姫様は!?」
伝令:「ひょ、ひょうぎかいは……ぜぇぜぇ」
イーディス:「ッ……はっきり答えなさいッ!」
GM:いらだったイーディスが声を荒げる。いつも穏やかにしている彼女を知っているものからすれば予想すらできない姿に一瞬部屋の空気が凍る。
リュウ:「落ち着いてくれ。イーディス」
伝令:「評議会議事堂は半壊。十二賢者の皆様はトロンメイルへと脱出へと成功しました」
イーディス:「ああ、よかった……なら、黄金の歌姫様もご無事なのね?」
伝令:「……いえ」
イーディス:「え?」
伝令:「100日の眠りに入られている黄金の歌姫様を動かすことが出来ず、黄金の歌姫様はポザネオ島評議会の地下室に」
リュウ:「……参ったな」
伝令:「黄金の歌姫様及び、逃げ遅れた市民の方々の保護の為に暗蒼の歌姫様が防御歌術を展開。現在評議会議事堂地下のシェルターに市民と共に立てこもっています」
風間サスケ:「これは荒れるでござるな…」
イーディス:「……何故」
伝令:「は?」
イーディス:「何故あなたはこんなところに来ているのです!黄金の歌姫様が取り残されているのならこんなところに来ていないで今すぐお助けに行きなさい!」
リュウ:「イーディス」
イーディス:「あの方の命がアーカイアにおいてどれだけ重いか……ああ、私もすぐに準備をして……」
リュウ:「イーディス!」
イーディス:「ッ!?……リュウ、さま……」
リュウ:「頼むから。落ち着いてくれ。パニックになるのはわかる。だからこそ一旦落ち着こう」
イーディス:「そう……ですね……まずはおばあさま達と合流しましょう……あなたもごめんなさい。それで、私たちはどこにいけばいいの?」
伝令:「いえ。お二人にはトロンメイルに向かっていただき、臨時評議会に合流していただきたく思います」
イーディス:「そう。わかりました。ご苦労様。下がって構いません」
GM:イーディスが力なく部屋を出るように手を振る。
GM:リュウの一喝でとりあえずは落ち着いたようだが、一言でいうと明らかに目がヤバい。所謂情緒不安定のそれだ
リュウ:なら、抱きしめる。ついでに頭もなでて落ち着けるぞ
伝令:「で、では失礼します……セルビウム氏、サスケ氏にもこの連絡をお任せしても?」
イーディス:「………」
リュウ:「わかった。こちらでするから早く行ってくれ」
伝令:「し、失礼します!」
GM:伝令が焦ったように部屋を飛び出していくと部屋の中には重苦しい沈黙だけが残った
イーディス:「……リュウさま……」
リュウ:「…………」
リュウ:無言で抱きしめる
風間サスケ:(音を立てずに場を離れる)
イーディス:「これでも、星芒奏甲に頼っては駄目だって言うんですか……」
GM:リュウの回答でこのシーンは終了です
リュウ:「頼りたい。とても」
セルビウム:(続くようにこの場を離れる)
リュウ:「でも、使ってはいけない力が世の中にはあるんだよ。イーディス……」
リュウ:「私が、その分頑張るから……」
GM:イーディスは答えなかった。ただ、リュウの服をつかむ力が強くなったような、そんな気が、リュウにはした……
【オープニングフェイズ2】
参加プレイヤー: サスケ、ヴィルヘミーナペア
GM:時間と場所は少し飛んでトロンメイル
風間サスケ:さくっと合流
GM:サスケたちは二人から見ても情緒不安定なイーディスを連れたリュウから「評議会に合流する」という事で別れを言われて一旦分かれています
風間サスケ:ふむふむ
GM:一方、君たちはトロンメイルの政府に呼び出されたのが数時間前。
GM:そして現在、君は……
風間サスケ:はい
GM:花の首輪を3つつけて、紙吹雪をあびまくっていた
風間サスケ:ええっ
GM:周囲からは「キャー!サスケさまー!こっちむいてー!」と黄色い声も聞こえる
風間サスケ:「HAHAHA! ゴザルゴザルー」
GM:ちなみに隣でミーナも同じような状態になって微妙そうな顔をしている
GM:アーカイアは前々から言っている通り女性しかいない世界なので当然女性にも黄色い悲鳴は来る
PC3:あっ…手n
GM:なんでこんなことになってるかというと事はトロンメイル政府に呼び出された直後の事になる
ゼロッテ:「あなたたちが英雄のサスケ様と歌姫ヴィルヘミーナですね?私はゼロッテ、トロンメイルの領主をしています」
ゼロッテ:「ヴィルヘミーナさん。あなたと会うのはこれで二度目かしら?」
ミーナ:「はい、ゼロッテさま。ポザネオ島への留学許可証をいただくとき、一度お会いさせていただきました」
風間サスケ:「ゼロッテ殿、領主様にお会いできて光栄でござるよ。」
ゼロッテ:「いいえ、こちらこそ。ヴィルヘミーナさんもポザネオ島では大変だったようね」
ゼロッテ:「辛いことも多かったのではなくて?」
ミーナ:「はい……でも、辛いと思ったことはありません。よき先輩に導いていただきましたし、今の私にはパートナーが居ます」
ミーナ:「一人でなければ乗り越えられます」
ゼロッテ:「そう」
GM:ゼロッテは満足そうに二人を見ると二度うんうんと言うようにうなづく
風間サスケ:「ええ、拙者も彼女にはよく助けていただいた。頼りになる相棒でござるよ。」
ゼロッテ:「そんな二人に、私から贈り物がります」
ミーナ:「贈り物、ですか?」
風間サスケ:「ほう!それは楽しみでござるな!」
ミーナ:「こら、がっつかないの!……ゼロッテ様、私たちは別に褒章が欲しくて戦ったわけでは」
ゼロッテ:「謙虚なのはいいことですが、無欲なのは褒められることではありませんよ。それに、あなたたちの名前は意外とあなたたち自身の認識よりも有名になっているのよ『緋色の翼の英雄』さん」
GM:ゼロッテはそういうとたおやかにほほ笑む。
GM:『緋色の翼』それはポザネオ島市街地迎撃戦を見たものが、ラーヴェに描かれたエンブレムとサスケが首につけているマフラーの色をもじってつけたあだ名
風間サスケ:「『緋色の翼の英雄』…忍としては有名になるというのは嬉しい反面複雑でござる…」
GM:ポザネオ島迎撃戦の立役者としての二人につけられた小さな、しかし確かにある小さな結果の形だった
GM:そして、現在……
ゼロッテ:「英雄サスケ、及び歌姫ヴィルヘミーナ。あなたたちをトロンメイル女王ゼロッテの名において表彰します。たゆまぬ努力とその勇名に恥じぬ貢献をこれからも望みます」
GM:街の大通りをぐるりと回る2時間コースのパレードを笑顔を振りまき手を振り続けた君達はいま、トロンメイルの古城の前にしつらえられたお立ち台でメダルをゼロッテから首にかけられていた
GM:ちなみにミーナはだいぶぐったりしてる
風間サスケ:「はっ!光栄であります。一族の名にかけて必ずやご期待にこたえてみせましょう!!」
ミーナ:(ちょっとサスケ、あんたなんでそんなに元気なのよ……)
風間サスケ:(ミーナ殿にかっこわるいところは見せられないでござるからな。あとこういう場所は割とあこがれだったんでござるよ)
ミーナ:(そ、そう……でも私はもうへとへと……じゃあ表彰式みたいな疲れそうなのはあなたに任せるわ……)
風間サスケ:「うむ、適当に休んでいてかまわないでござるよ)」
GM:メダル授与が終わりお立ち台から降りてきた君達がそんな話をしていると、サスケの耳にふとこんな声が響く
町人A:「泥棒だー!誰か捕まえてくれー!」
風間サスケ:「む!不届き者でござるな。ミーナ殿、ちょっと捕まえてくるでござるよ」と駆け出す
ミーナ:「ちょ、ちょっとサスケ!表彰式まだ終わってないのよ!?」
GM:ミーナが会場からひらりと飛び出していくサスケに声をかけるがそれは雑踏の喧騒の中に消えてしまいサスケには届かない
風間サスケ:「前言撤回で申し訳ないのでござるが、英雄として見過ごせないのでござるよ!」
【オープニングフェイズ2-2】追走
GM:サスケが雑踏をかき分けて泥棒を追いかける
GM:追跡だけど、今回は判定はいいや
風間サスケ:ふむ
GM:どうやら子供のようだね。小脇に荷物を抱えて走っているのがわかる
風間サスケ:通行人を滑るようにくぐり抜けてお供無く接近する
風間サスケ:音もなく
PC3:確かにお供なしっすね
PC1:ヤメロー
泥棒:「ッ!?……!」
GM:追われていることに気づいた子供が路地に逃げ込む
PC3:路地?(察し)
風間サスケ:追って路地に進むよ
GM:そうすると路地の奥で「ギャン!」って感じの悲鳴があがる。どうやら何かにぶつかったようだ
風間サスケ:「むっ!壁にでもぶつかったでござろうか…」
コーダ・ビャクライ:「ああ?なんだガキじゃないか」
PC3:でかい
風間サスケ:大きな男だ…
泥棒:「このっ!てめぇ、離せよ!」
風間サスケ:「失礼、貴殿も英雄とお見受けするが、こんなところで一体何を?」
コーダ・ビャクライ:「人様にぶつかってその口の利き方はねぇんじゃねぇか?」
コーダ・ビャクライ:「あ?いや、別に?野暮用の片づけって感じかな」
GM:はい、ではここで推理ジャッジです
風間サスケ:なんか来た!
GM:判定は2D10で15以上で成功です
風間サスケ:結構キツい!
風間サスケ:2d10>=15 南無三!
DiceBot : (2D10>=15) → 20[10,10] → 20 → 成功
GM:おおっと、成功したぁ
風間サスケ:うひょー!!!
PC1:MPコストにばかり高い目が出る傾向であったが遂に成し遂げたぜ…
GM:そうするとサスケは男から硝煙の匂いがすることに気づく
GM:んでもって20なので追加情報。サスケ、君はこの男の顔に見覚えがある
風間サスケ:おお!
GM:それもテレビのニュースでだ
PC3:嫌な予感しかしねぇんだよな
PC1:きっと高名な英雄なんだろーなー
GM:君の記憶にあるニュースの見出しはこうだ
GM:「N国軍事クーデター勃発、S国軍が国境付近に軍隊を進軍」
PC1:おいおいおい
GM:「N国軍事クーデター首謀者国外逃亡、首謀者コーダ・ビャクライを国際指名手配に」
PC3:いや、まあ、顔見ればわかるぐらいでしょ
GM:「テロ組織ESがコーダ・ビャクライに接触。D国が情報開示」
GM:「国連が空爆、コーダ・ビャクライは生死不明」
PC3:あ、まさか……
GM:と、まぁ、こんな感じ。一言でまとめると複数の国家から国際指名手配をうけるテロリストだ
GM:その男が、いま君の目の前で泥棒の少女の首根っこをつかんで興味無さそうにその女の子を見つめている
PC3:精神面の問題で三騎士から落とされたやつって……こいつかぁぁ!!?
GM:はい。その通りです
GM:ちなみに、四騎士こと最初に召喚された4人は カブラ・ツムギ コーダ・ビャクライ ロイ・マッケンジー そして、リュウさんの4人です
風間サスケ:「ミスター、すまないが彼女を離してやって欲しい。彼女に用があるんだ。」
PC1:リュウさん!同期のよしみでなんとかしてくださいよ!
PC3:で、こいつの宿縁は?
GM:居ました、が、性的に手を出したので歌姫としての能力を失いました
PC3:なるほどなー
PC1:いったい路地裏でなにやってたんだろーなー…
GM:それ以外にも何人も歌姫を(同意のうえで)性的に食っちゃったので、それが問題になって四騎士の座を追われました
風間サスケ:「(あの顔…この硝煙の臭い…やばいでござるな…)」
PC3:心身掌握が得意……と
コーダ・ビャクライ:「ん?ああ、構わんが……これ、こいつのか?」
GM:ビャクライがいつのまに取り上げたのか、泥棒の少女が持っていた盗品を片手で持ちながらサスケに問いかける
泥棒:「このっ!返せよ!あたしんだ!」
コーダ・ビャクライ:「ああもう、うるせぇな。ちょっと引っ込んでろガキンチョ」
PC3:こういう人種は放っておくと禄でもないことしかしないから
PC3:できれば殺したいところだ
コーダ・ビャクライ:「で、どうなんだ?」
風間サスケ:「そちらの想像している通りでござるよ。だからその子を引き渡して欲しい。」
コーダ・ビャクライ:「ふーん……」
風間サスケ:「それとも庇い立てするのでござるか?」
GM:ビャクライはつまらなさそうに手に持った荷物を見ると徐に包装紙を口で食い破る
GM:片手ふさがってるからね
PC1:暗殺チャンス!
GM:そして、中身を見るとさらにつまらなさそうな顔をして少女にその荷物を渡すと首から手を放す
コーダ・ビャクライ:「こんなもん盗んだのかお前」
泥棒の少女:「悪いかよ!」
コーダ・ビャクライ:「いいや?だがばれると面倒だ。ここで食っちまえ。証拠は残らない」
風間サスケ:「んな!?」
GM:そういうとビャクライは少女の頭をひとなでして体の向きを変え、サスケを見据える
GM:サスケの位置からも少女に返された荷物が大きめのフランスパンだという事がわかる
コーダ・ビャクライ:「そこのお前、こいつが食い終わるまでそこで見張りしてやれや」
PC3:英雄殿クーデター首謀者に言われてお守りですかー?
PC1:すごい困ってるからちょっと待って
風間サスケ:「一つ聞きたいでござるよ。」
GM:そういうと路地に設置されていたゴミ箱にふたをつけてドッカリと座り込むビャクライ
コーダ・ビャクライ:「なんだ?……ああ、ガキンチョ見逃してやるんだからちょっとパンよこせや」
泥棒の少女:「は?やだよ、おっさん英雄だろ?」
コーダ・ビャクライ:「そうけちけちすんな。どうせそんなパン一人でこの場で食いきれないだろ。証拠隠滅手伝ってやるって言ってんだよ」
泥棒の少女:「ちぇっ……ちょっとだけだぞ……」
風間サスケ:「随分と良い"香水"を使っているようですな、一体どこで手に入れたのでござるか?コーダ・ビャクライ殿。」
コーダ・ビャクライ:「おお、あんがとな」
コーダ・ビャクライ:「あ?お前俺の事知ってんのか?……いや、あっちじゃ有名人だからな。まぁ、知ってるか」
コーダ・ビャクライ:「どこって現世だよ?こんなもんこっちで売ってるわけねぇだろ。精々時代遅れのマスケットがいいところだ」
GM:少女から受け取ったパンをかじりながらしれっとビャクライは腰からオートマチックハンドガンを取り出してくるっと回して見せる
風間サスケ:「そのような貴重品を路地裏で試射とは随分と剛気なものだと思いましてな。」
コーダ・ビャクライ:「試射だ?おいおい、こんなもんに試射もなんもねぇだろ。安心しろ、別にお前にゃなんもしねぇよ」
GM:「ぱっさぱっさしてんなぁ。こんなん美味いか?」と顔をしかめながら少女に愚痴をいいつつ、ビャクライはハンドガンを腰のホルスターにするっとしまう。こうして少女に接している姿を見ている限りは、ニュースで流れる人物像とは全く合致しない。
風間サスケ:「貴殿の経歴を考えれば、警戒する気持ちもわかってもらえると思うのでござるが?」
コーダ・ビャクライ:「遍歴ねぇ。で、お前は俺の何を知ってるわけだ?」
GM:ビャクライは初めて面白そうな表情を浮かべるとサスケの事をうかがうように視線を送る
風間サスケ:「元の世界を賑わせたテロリストで、こちらでも随分と好き勝手していると聞き及んでいる。」
風間サスケ:「何か企んでいるのであれば見過ごせない」
コーダ・ビャクライ:「あきれた……お前、騙されやすいタイプだろ?」
風間サスケ:「なっ!何を根拠に!?」
コーダ・ビャクライ:「肩書がテロリストってのは否定しないがね、それだって自分に不都合な相手に大国がつけたレッテルだろうが」
コーダ・ビャクライ:「そんな誰かがつけた意味ありげなレッテルと他人から聞いた話に引っ張られるようじゃ青二才さ」
コーダ・ビャクライ:「こっちに来てからの話だってそうだ。何人か食っちまったのは事実だけどな、男と女だ、合意の上なら何が悪い?」
コーダ・ビャクライ:「御大層にリュウやツムギの小僧は相手の将来を考えろだのとのたまっていたがな、そんなものは本人が決めることだ」
コーダ・ビャクライ:「籠の鳥でもショーケースのマネキンでもないんだ、自分たちが納得したのならそれでいい。違うか?」
PC1:ちょっと待ってね…
PC1:この会話をどういう方向にもっていくべきか悩んでます
PC3:相手の未来を考えろなんて発言したのか私
GM:まぁ、そこは二人の関係性を演出するためにねつ造しましたw
PC3:ww
GM:でも、リュウはイーディスに肉体関係なんて迫らないでしょ?
GM:特に、歌姫は肉体関係を持ったら歌姫としての力を失いますから
PC3:迫りませんよー
PC3:迫らないよ?
PC1:コーダについてPCが知っている事ってさっきの判定の事くらいですよね?
GM:そうですね、基本情報はテレビで見た国際指名手配犯である、という事くらいですね
PC1:こっちでは素行が悪いってくらいですよね?
GM:そうですね、しいて言うなら現世騎士団という組織を作って、そこのリーダーをやってるくらいでしょうか
GM:召喚された英雄の中でも文系の人も居れば体育会系の人もいるわけで
GM:そのなかの荒くれもの系の英雄や第二話の立てこもり犯の人たちのように歌姫を信用できなくなった英雄たちをまとめ上げて
GM:アーカイアに馴染めない英雄の一種の居場所となっている、って感じですかね。
GM:もっとも、この時点では現世騎士団はそれほど大きな組織ではないので世間的には英雄が集まって作った傭兵団がある程度の認識です
PC1:評議会的には不穏分子だけど英雄的にはそうでもないと
GM:そうですね。アーカイア的にはそうなります
GM:まぁ、良くも悪くも2面性がある人物なことは確かです
GM:見る人や立場によってこの人の評価は多分大きく変わるので、サスケが「どこのポジションから彼を見るか」を考えて会話をすることをお勧めします
PC1:了解です
風間サスケ:「…ここには貴殿と男女関係のありかたについて話しに来たわけではないでござるな。」
コーダ・ビャクライ:「そりゃそうだ。だが、お前のいう経歴ってのはそういうものさ、一面的でしかも誰かから与えられたものだ」
コーダ・ビャクライ:「柄にもなくアドバイスしてやると、ここではそういったものには疑問を感じた方がいいぞ」
コーダ・ビャクライ:「ま、信じるかどうかは別問題だがね」
ズボンをはたきながら座っていたゴミ箱から立ち上がるビャクライ。腰に付けたホルスターから除く銃がサスケにこの男が危険人物であるという事を思い出させる。
コーダ・ビャクライ:「おい、ガキンチョ。食い終わったみたいだが、お前これからどうする?」
泥棒の少女:「どうするって?」
コーダ・ビャクライ:「鈍い奴だな。このまま泥棒続けて生きてくのかってことだよ」
泥棒の少女:「えっと……他に手もないからな」
コーダ・ビャクライ:「お前な、いつか捕まるぞ」
泥棒の少女:「だって……」
コーダ・ビャクライ:「じゃあお前うちに来い。雑用として使ってやる」
泥棒の少女:「やだよ、汗臭い傭兵団なんて」
コーダ・ビャクライ:「誰が現世騎士団で働かせるって言った。邪魔なだけだ。俺が経営してる娼館がある。そこの雑用だ」
泥棒の少女:「しょうかん、ってなに?」
PC3:やはりかぁ
PC3:うん。まあ、打倒だわな
PC1:娼館がなりたつほど英雄来てるんだ…
コーダ・ビャクライ:「あー、そうかこっちにはないもんなー。あー、男と女が傷なめあうところだ。詳しくはもう少しでかくなってからな」
PC3:単純に考えて性欲の吐きどころがないわけで
PC3:歌姫とせっ!するわけにもいかんでしょ
PC1:確かに…
GM:5000人超える規模で召喚されて、周りはきれいどころだらけで、強制禁欲生活ですから
PC3:だったらできる場所で、できることをやればいいのよ
PC3:英雄相手の一番の儲け口ですな
泥棒の少女:「うーん……おっさん胡散臭いからなぁ」
コーダ・ビャクライ:「おっさんじゃなくてビャクライな、コーダ・ビャクライ」
泥棒の少女:「ビャクライ……わかった、他に道もないし、行くよ」
PC3:まあ、まだ成り立っているみたいではあるがね
風間サスケ:「拙者の意見としては、やめたほうが良いと思うでござるな…」
コーダ・ビャクライ:「本人が決めたことだ。他人が口出すことじゃねぇな。それとも、お前がこいつの面倒見るか?」
風間サスケ:「ふむ…ということはビャクライ殿がその娘の保護者ということでござるな。」
コーダ・ビャクライ:「まぁ、そうなるわな」
風間サスケ:「だったら責任を持ってパン代くらいは払うべきでござるな。」
コーダ・ビャクライ:「ま、それは理屈だな……」
GM:そういうとビャクライはポケットから銀貨を取り出すとサスケに向かって弾いて投げる
風間サスケ:「そもそもはそこが問題だったのでござるからな」
コーダ・ビャクライ:「果たしてそうかな?」
GM:ビャクライがニヤッと笑う
風間サスケ:「何?」
PC3:やはり来るか(何度目だよ
コーダ・ビャクライ:「そもそも、このガキはなんでパンなんてものを盗むことになった?」
コーダ・ビャクライ:「別に取り立てて飢饉でも、凶作でもない」
コーダ・ビャクライ:「この世界もパンなんてたいした額じゃねぇ……いや、無い筈だ」
コーダ・ビャクライ:「俺たち英雄の居食住は評議会が保障した、保証されている」
風間サスケ:「確かにそうでござるな」
コーダ・ビャクライ:「俺たちは別に金にも、美味い食いものにも、快適な住処にも、綺麗な服にも困らない。当然だ、評議会がすべてを保障している」
コーダ・ビャクライ:「だが、それは本来当たり前にあるものじゃないんだぜ?」
コーダ・ビャクライ:「世界にあるリソースは限られている」
風間サスケ:「どこかで帳尻を合わせなくてはならない」
コーダ・ビャクライ:「そう。じゃあ、俺たちに割り当てられているリソースはなんだ?って話さ」
コーダ・ビャクライ:「小僧、名前は?」
風間サスケ:「風間サスケ。伊賀の末裔にして英雄だ。」
コーダ・ビャクライ:「そうか、サスケ。お前、今の待遇に……いや、環境に不満はないか?」
風間サスケ:「拙者は自身の歌姫に仕えていられればそれで幸福。不満などないのでござるよ」
コーダ・ビャクライ:「そうか、じゃあ不満が見つかったらうちに来な。現世騎士団ってしがない傭兵団だ。調べりゃわかるだろ」
風間サスケ:「…まぁ、一応覚えておくでござるよ。」 特になければ被害者のところに行こう
GM:そういってふとく笑うとビャクライは少女の手を取って路地の闇に消えていった
GM:君の手の中にちっぽけな銀貨一枚とアーカイアの抱える問題の一旦を残して
GM:OPシーン終了!
【オープニングフェイズ3】
ミーナ:「はぁ……ひどい目にあった……」
GM:ミーナは髪に混ざった何枚目かの紙切れを取り除きながらため息を吐く。
GM:自分たちのやってきたことが評価されることがうれしくないわけではない。しかし、褒められるためにやってきたわけでもないのだ
ミーナ:(そういえば、まだ家に連絡してない……)
GM:空は抜けるように青い。故郷の空を見るのは考えてみればいつ以来の事か……
教師:「もう3小節までをこなせるのね。凄いわ!この子は天才よ!」
ミーナ友人:「ミーナちゃんすごーい!もう歌術使えるんだ」
ミーナ:「えへへ。あんまり、凄い事してるつもりないんだけどな」
GM:考えてみれば子供の頃はよかった。周囲の希望に合わせてただ歌っていればよかったし、それで皆喜んでくれていた。いつからだろう、それが変わっていったのは……
ミーナ友人:「ミーナちゃん、なんでそんなこと出来るの?」
ミーナ:「お母さん。なんでみんな私を避けるの?」
ミーナ母:「ミーナ、あなたはもっと他人を知りなさい。皆があなたのようになれるわけじゃないのよ」
教師:「ミーナさん。歌術学園に進学してみる気はない?あなたの才能を伸ばす絶好の機会よ」
ミーナ友人2:「へ、へー留学するんだ。だよねーミーナ優秀だもん」
ミーナ友人3:「ミーナ留学するんだって」
ミーナ友人:「そう」
ミーナ友人2:「あれ?あんた、ミーナと一番付き合い長かったのに悲しくないの?」
ミーナ友人:「冗談、あの子と一緒にいて私がどれだけ割をくらったと思ってるの?せいせいするわ」
ミーナ友人2:「だよねー。私もー」
ミーナ:(………ッ!)
GM:古い思い出が胸を突く。思えば吐き捨てるような、それでいて怯えるような声を物陰からきいたのはいつのことだったか……
ブリギット:「……ですから、私はそういうことは……」
ミーナ:(……ブリギット?)
GM:物思いにふけっていた思考が現実に引き戻される。
???:「でもね、これはご実家の意向でもあるのよ?」
ブリギット:「実家は関係ありません。私にはもうパートナーも居ますし、彼を裏切るようなことは出来ません」
GM:いつになく緊張したブリギットの声に違和感を感じながら声の方に向かって歩く。
GM:そして、通路の角から見慣れたブリギットの背中と一緒に見えてきたものを見てーーー
ミーナ:「……ッ!?」
GM:一瞬、息が止まった。同時に心臓が早鐘にでもなったかのように鼓動のペースを引き上げる
GM:昼の陽光の中、シルクのような滑らかさで風になびく薄茶の長髪
GM:「周りと釣り合いが取れない」と気にしていた長身に絡みつくようでーーー
ミーナ:(そんな……おねぇさまはあの時、私をかばって……)
GM:「そんなことあるはずがない」と冷静に言い聞かせる理性と「奇跡が起こった、これで全て元通りだ」と叫ぶ感情がせめぎあい、自然と足が速くなる
GM:六歩。さらに足が速くなる
GM:14歩。もう我慢できない、駆け足に
GM:20歩。走ってくる自分の姿に気づいたブリギットがこちらに視線を向けすぐにまずいものを見たように表情を曇らせる
ブリギット:「ミーナ、待って!この人は……」
ミーナ:「おねぇさま!?」
GM:ブリギットの間に割り込むようにして相手の顔を確認する
???:「あら、あなたは……」
先輩歌姫:(あら、あなたどうしたの?一人ぼっちで。クラスメイトの子たちは?)
GM:在りし日の光景がフラッシュバックする。突然の乱入者に困惑したようなその表情を、自分は知っている。
GM:ふと、ほほを涙が伝った。
ミーナ:「おねぇさま……ご無事で……」
???:「おねぇさま?……もしかしてあなた……」
ブリギット:「ミーナ!違うの、この人は違うの!」
ミーナ:「何言ってるのブリギット!おねぇさまがご無事だったのよ!あなたも知っているなら……」
ミーナ:「……え?」
???:「どうも勘違いがあるようね」
GM:目の前の女性が柔らかく微笑みながら姿勢を正す。と、同時に今更ながら二人の違いに気づく
???:「私をあの子と間違えるということは、あなたがミーナさんね?妹がお世話になったみたいで、ありがとう」
GM:瞳だ、アンバーに輝いていたおねぇさまとは決定的に違う。暗い。闇を凝縮したようなダークブルー
GM:その瞳と一瞬視線が交差する。どこか値踏みをするような、視線を浴びて一瞬背筋に鳥肌が立った。
セリアメンテ:「私はセリアメンテ。あの子……シュヒテルンの姉で、いまは自由民という組織の代表をしています。以後、よろしくね」
GM:あの人のようにやさしく微笑む彼女を前に、乗り越えたはずの様々な感情が心の中で荒れ狂う。だからだろうか、その隣で一人、苦虫をかみつぶしたようなブリギットがミーナの事を見つめていたことに、ついぞミーナが気づけなかったのは……
【ミドルフェイズ~改修依頼~】
参加プレイヤー: 全PC
GM:君達は赤銅の歌姫のところに到着したラーヴェの様子を見に来ていた
GM:ラーヴェは昨日の戦闘でボロボロ、かろうじて自立飛行は可能ではあったが、とてもトロンメイル郊外から市街地まで安定して飛べる状態ではなかったので
GM:別途荷馬車で運ばれてきた形になります
風間サスケ:「うわぁー…思ったより派手にやっちゃったでござる…」
GM:ちなみにミーナは出てきますが、イーディスは気分が悪いと言って自室に居ます
赤銅の歌姫:「ええ、酷い状態ね。乗ってたのは誰?」
リュウ:うぇーどうしよう
風間サスケ:「はい…拙者です…」
赤銅の歌姫:「へぇ、私の傑作のラーヴェをこんなにしてくれてどうしてくれようかしら……」
リュウ:ずっとついててあげたいけど、一人にすることも大切と思ってこのときだけこよう……!
ミーナ:「すみません。私のフォローも足りなくて……」
風間サスケ:「お、お手柔らかにお願いします…ラーヴェのパワーが無ければかなり危うかったのでござる…」
赤銅の歌姫:「そういえばあなたたち」
赤銅の歌姫:「前に市街地にラーヴェを墜落させたこともあったわね」
リュウ:「今回ばかりは相手が悪かったんです。これでも善戦した方ですよ」
ミーナ:「すみません……」
風間サスケ:「ひっ…!わざとじゃ、わざとじゃなかったんでござるよ…」
赤銅の歌姫:「へぇ、そんなに強敵だったの?」
赤銅の歌姫:「参考までに聞かせてもらおうじゃない」
~~説明中~~
赤銅の歌姫:「そう、そんな相手が……でも、よくラーヴェだけで倒せたわね。話を聞く限り、途中でダインスレイヴ壊れてるじゃない」
リュウ:「ええ、ダインスレイヴでつけた傷がなければ」
リュウ:「私達はここにはいなかったかもしれません」@
風間サスケ:「予備のロングソードをダインスレイブのつけた傷にねじ込んでやったのでござるよ」
赤銅の歌姫:「ふーん……そうなると、いよいよラーヴェもパワー不足、か」
風間サスケ:「いやぁ…思い返せな勝てたのは偶然の代物でしたなー」
GM:赤銅の歌姫がボロボロになったラーヴェを見上げる
リュウ:余計なこと言ったら殺すと目配せ
風間サスケ:ハイ
赤銅の歌姫:「リュウくんは知ってると思うけど、この子は次世代機を産み出すためのテストベッドとして開発された機体だからね、出力自体はかなり高いけど、安定性に難があるのはわかってた事だから」
リュウ:「はい。彼らはよくやってくれています」
赤銅の歌姫:「いつかバージョンアップはさせなきゃな、とは思ってたんだけど……」
風間サスケ:「初戦も空中でいきなりシステムダウンでござったからなぁ…」
赤銅の歌姫:「やかましい!今度の作戦に向けてドライとヴルムも製造中だし、いいわ。この子も改修しましょう」(サスケの頭をはたきながら)
赤銅の歌姫:「一応プラン自体は立ててあるのよ、使用者として意見を頂戴」
GM:と、いうわけで強化パターン公開でーす
風間サスケ:どんどんぱふぱふー
GM:空戦型プラン フォイアロートラーヴェ/シュナーヴェル
GM:陸戦型プラン フォイアロートラーヴェ/ドラッヘンヴァールト
GM:シュナーヴェルは地上性能が据え置きですが、セーフモードでも飛行可能。また、空戦時に性能が飛躍的に向上します
どどんとふ:「風間サスケ」がログインしました。
GM:また、カタパルトなしでの離陸が可能です
GM:ドラッヘンヴァールトは従来通りの性能ですが、全体的な性能強化型です
GM:特に地上での性能と積載量が増加、ダインスレイヴの出力上限も向上しています
風間サスケ:ふむふむ
GM:ドラッヘンヴァールトの方で二重記載の部分があったので一部削りました
GM:また、ハミングシステムの仕様が一部違います
PC1:シュナーベル少し探してしまったw
PC3:(ちょっと遠かった
PC1:二重起動は両方とも出来るんでしたっけ
GM:どちらもそこは共通です
PC1:シュナーベルかなぁ
PC1:毎回離着陸で難儀してたし
GM:あ、シュナーヴェルのハミングシステム一か所変え忘れてる
GM:ちょっとお待ちを
PC3:げっもう0時回ったのか
GM:これの決定で今日は終わりの予定です
GM:修正も終わりました
GM:シュナーヴェルはパワーモードがなく、代わりに歌術モードという別モードが追加されます
PC1:あらっ
PC3:これは私向けでもあるかな
PC1:(火術の仕様がよくわかってない)
PC1:忍者だけど違う
GM:いいえ、両方ともお二人の特性を生かせるように作ってあります
GM:歌術は取得した回数でレベルが上がって性能が向上します
GM:例えば歌術Aレベル1を2回とると歌術Aレベル2みたいな感じです
PC1:ふむふむ
GM:で、使用するたびに歌姫は気力判定というものを行って
GM:2D10を振って気力ゲージ以上の数値を出したら気力ゲージにダメージが入ります
GM:左上にイーディスのゲージが書いてありますが
GM:例えばイーディスの気力ゲージは4つ。判定値は13+(歌術時限定で)1なので
GM:合計14以下を2D10を振ってそれ以下ならノーダメージで歌術を使えます
GM:逆に15以上を振ってしまった場合、気力ゲージのひとつにダメージが入り
GM:4つすべてにダメージが入ると意識を失ってしまったりして一定時間行動不能になってしまいます
PC3:大変なのですよ
GM:で、改めてシュナーヴェルの歌術モードの説明をすると
GM:この気力ゲージ判定に+1をするのでイーディスで説明すると15以下がセーフになります
GM:で、歌術のレベルが向上されるので、歌術モードに入っているときにはレベル1で取得している歌術がレベル3扱いになります、2だったら4、というブースト機能ですね
PC1:あー…それはすごい!
PC1:奏甲戦闘補助とかを高レベルで使える
PC1:と
GM:そうなります
PC3:強い!
PC3:ほいで、どうします?
PC1:シュナーベル!
PC3:了解
GM:ファイナルアンサー?
PC1:ふぁ、ファイナルアンサー!
PC3:ファイナルアンサー
GM:了解しました。ではドラッヘンヴァールトはさようならー
PC3:クロイツを放り投げたのは伊達ではない(できれば破壊したい)
GM: ~~プラン決定~~
赤銅の歌姫:「わかったわ、じゃあこっちのプランで改修をくわえるから、修理が終わるのは……作戦前日くらいかしらね」
風間サスケ:「随分とギリギリでござるが、期待して待っているでござるよ!」
赤銅の歌姫:「ええ、任せて頂戴」
GM:【ミドルフェイズ1】
登場PC: リュウ、イーディス
GM:時間はリュウたちが工房で話をしてから数分後
GM:リュウは体調が悪いといって部屋に残っていたイーディスの部屋に向かって歩いていた
リュウ:「(……さて、どうしたものかな)」
GM:ポザネオ島への黄金の歌姫の残留がわかった後、イーディスの反応は明らかに異常だ。
GM:それは、トロンメイルに到着してからさらに悪化しているように見える
GM:それは、黄金の生存とはまた別の事のように……
GM:と、そんな事を君が考えていると、通路の先、イーディスの部屋の前に人影を見つける
白銀の歌姫:(………)
リュウ:「白銀の歌姫様……?」
白銀の歌姫:「あら、リュウくん。私の領内のもめごとを片付けてくれたそうね。ありがとう」
リュウ:「ありがたきお言葉です」
白銀の歌姫:「ところで、あの子はこの中?」
リュウ:「はい、そうですが……何か?」
白銀の歌姫:「いいえ。体調を崩していると聞いたものだから、ちょっと心配になっただけ」
リュウ:「そう、ですか」
GM:サラリと長い髪をかき上げる白銀。
GM:その表情は少なくとも君の目にはイーディスを心配する姉のような、そんな風に見えた
白銀の歌姫:「面会、出来るかしら?」
リュウ:「(少し思案して)はい、お願いできますでしょうか」
白銀の歌姫:「……ええ。イーディス、入りますよ」
GM:室内からの返答がないまま白銀の歌姫はドアノブに触れるとドアを開ける
GM:黒檀製のドアはあっけなく、そして静かに開いた
GM:窓際に立って外を眺めているイーディスの姿が二人の視界の中に入ってくる
GM:肩をおとし、心ここにあらずといった風貌だ
リュウ:「イーディス。白銀の歌姫様が来てくださったよ」
イーディス:「・・・・・・」
白銀の歌姫:「・・・・・・」
リュウ:「(どうしたものかな)」
GM:イーディスの視線の先に何があるのかを追った白銀は何かを理解したようにそっと、イーディスの方へを歩みを進める
GM:そして……
白銀の歌姫:「しっかりしなさい!」
GM:パシィンッ
GM:乾いた音が室内に響く
リュウ:「っ」
イーディス:「フォルミカさま……」
白銀の歌姫:「しっかりしなさい、イーディス。いつまで昔の事を引きずっているの。あなたは任務を果たしただけ」
白銀の歌姫:「誰がせめても私が責めさせるものですか。胸を張りなさい。あなたは誇りある評議会の歌姫でしょう」
白銀の歌姫:「まして、今はアーカイアの一大事。彼を支えるべきあなたがそんな状態でどうするの」
GM:しっかりと、一言一言いい含めるように、白銀がイーディスの肩に手を置きながら話す
GM:「私はあなたをそんな情けない歌姫に育てた覚えはありませんよ」
イーディス:「フォルミカさま……私……」
白銀の歌姫:「辛いのはあなただけではないわ。大丈夫、次の作戦には私もツムギも参加します。何とかなるわ、その為に出来るだけの事をしましょう」
白銀の歌姫:「ね?」
GM:そこまで言うと、白銀がいたずらっぽくリュウに視線を送る
リュウ:「イーディス。私たちにできることをやろう」
リュウ:「なに、二人でならなんでもできるさ」
イーディス:「……はい!」
リュウ:なお、ここに意志が揺らいでいる者が要る模様
風間サスケ:がんばれ☆がんばれ☆でござる
GM:イーディスが明るく表情を変えて答える
白銀の歌姫:「よし、大丈夫そうね……では、白銀の歌姫として命じます。イーディス、リュウ両名は1時間後に作戦会議に出頭。ポザネオ島奪還作戦の指揮下に加わりなさい」
GM:サスケは別方向でもっと大変な思いするんだよなぁ
リュウ:「承知致しました」
イーディス:「拝命します」
GM:白銀の歌姫が満足そうに微笑むと部屋を後にする
GM:時計の針が進んでいた、次の時代へのカウントダウンが……
GM:特に何もなければリュウのシーンは終わりますが何かあります?
風間サスケ:ええっ…
リュウ:今はないかな。決戦前に行くところはあるけど
GM:【ミドルフェイズ2】
登場PC: サスケ
GM:サスケ、君は工房から出た後、臨時政府の建物の中を特に何をするでもなく歩いていた
GM:ちなみにミーナとはまだ合流できていない
風間サスケ:うろうろ
GM:外であんな状態を見たばかりだからだろうか、華美に彩られた臨時政府の建物はあの路地裏の状態とはまったくの別世界のように見える
GM:あの、パレードさえも、まるで夢のように……
GM:ちなみにトロンメイルは礼節の国として有名ですが、同時に貴族国家でもあり、身分格差が一番顕著な国家でもあります
風間サスケ:ふむふむ
GM:大規模な穀倉地帯も抱えているので、今回のように食料に困るようなことはまぁ、そうあるものではない上、社会福祉も進んでいるのであまり問題化はしていませんが
GM:貴族がワイン片手に優雅な午後のひと時を過ごしている裏でストリートチルドレンが今日を生きれるかどうかの生活をしていることも少なからずあります
GM:まぁ、裕福な国なので、そういった人々のおこぼれにあずかろうとそういった貧困層が集まってくるのもそういったことが起こっている原因でもありますが
風間サスケ:「寄声蟲の脅威を思えば必要性はわかるが、釈然としないでござるな…」
GM:と、そんなことを思いながら君が歩いていると君は通路の曲がり角で人とぶつかってしまう
風間サスケ:「おっと、すまないでござるよ」
???:「……ッ……ッ……ッ!!」
GM:ぶつかった人物は顔色が悪く、口元を抑えている
GM:そして……
???:「げばぁぁぁぁっ!!」
風間サスケ:「う゛ぇえ!だ、大丈夫でござるか!?」
GM:噴き出す鮮血。周辺が赤く染まる
???:「ごほっ、ごほっ……ああ、やっちゃった……ごめんね、君、服が」(サスケのマフラーで手をふきながら)
風間サスケ:「謝りつつも人の服で拭くとは剛気でござるな」
風間サスケ:「医者を呼ぶ必要はあるか?」
???:「いやぁ、ぼく体が弱くてね。吐血なんて割としょっちゅうだから慣れちゃって、はははっ」
???:「まぁ、結核とか伝染性の病気じゃないから心配しないで」(ふきふき)
風間サスケ:「ならいいんだが…あとマフラーで拭くのはやめるでござるよ」
???:「ん?ああ、そうだね。でも、ここで吐血してたのは黙っててくれよ。また病室に連れ戻されちゃこの後の会議に出られない」
???:「リュウくんと、ツムギくんも来るだろうからぼくだけでないわけにもいかないでしょう」
風間サスケ:「まさか、貴殿は…」
風間サスケ:「いや、了解でござる。拙者は何も見なかった。そういうことになったでござる」
???:「うん、助かるよ」
???:「さて、じゃあそろそろぼくはいげばぁっ」
風間サスケ:「拙者は風間サスケ、ご縁があればまたよろしくでござる」
風間サスケ:「ってええ!?」
???:「ははは、これは困ったな……きみ、悪いけど会議室まで一緒に来てくれないか、ほら、君の服色的に血がついててもわかんないし」(ふきふき)
風間サスケ:「…わかったでござる。ご一緒させていただきで候」
風間サスケ:これで血の臭いのする危険な男になってしまった…
???:「ああ、そうだ、そういえばまだ名乗っていなかったね」
ロイ:「ぼくはロイ。ロイ・マッケンジー。見ての通り弱すぎて前線に出られない英雄さ」
GM:サスケに肩を貸してもらいながら、にこりと人好きのする笑顔を男は浮かべると血まみれの手をサスケへと差し出した
風間サスケ:「ロイ殿、噂は伺っております。お会いできて光栄でござるよ」とその手を握り返す
リュウ:血にまみれてるな
【ミドルフェイズ3】~作戦会議~
GM:サスケがロイを連れて会議場に入ってくると既にリュウ、イーディス、ツムギ、白銀、赤銅、など中央の軍事面関係者がそろって地図をにらんでいる
GM:地図に関しては表示しているMAPをご参照ください
ロイ:「やぁ、遅くなったね。ごめんよ」
PC1:はい
風間サスケ:「失礼するでござる」
ツムギ:「どうせどこかで行き倒れていたんだろう。ゆっくり病室で休んでいろ」
ロイ:「ははは、そういうわけにもね。それに英雄で奇声蟲の生態を一番理解しているのは僕だ」
ロイ:「専門家として意見はさせてもらうよ」
リュウ:「ロイか。無理はするなよ」
GM:ロイは先程の演出の通り、体が弱く前線で戦力として活躍が見込めないために後方での内務に専念している英雄です
GM:また、現世で医者の卵だったこともあり、アーカイアで奇声蟲の生態を調べる仕事もしています
GM:パートナーは暗蒼の歌姫
リュウ:なんだよこいつらー
ロイ:「勿論。それに今日は体調がいいんだ、今日はまだ血もはいてない」
リュウ:「嘘を付くなよ。血の匂いがするぞ」
風間サスケ:「それは拙者の…鼻血でござるよ」
リュウ:「そうか、また何かやらかしたんだな?」
風間サスケ:「ちょっと路地裏で喧嘩を…」
リュウ:「喧嘩?サスケにしては珍しいことだな」
風間サスケ:「胡散臭いおっさんに絡まれただけでござる。大したことではござらんよ」
ツムギ:「………」
ロイ:「はははっ、喧嘩はいけないなー。それにリュウくん……ぼくの歌姫も島に残っているんだ。君がぼくの立場だったら黙っているかい?」
GM:ツムギがリュウに何がしかいいたそうに視線を移す
リュウ:「いや?黙るどころか突撃しそうだ」
ロイ:「だろう?だったら無用な問答さ、さぁ、時間がない。始めようか?」
リュウ:「……ツムギ。言いたいことがあるなら早く言った方がいいぞ」
ツムギ:「……いや、のんきなものだと思っただけだ。ロイの言う通り時間がない。会議を始めよう」
ツムギ:「イーディス、人はそろった。一部部外者がいるようだがはじめてくれ」
リュウ:「(ツムギのやつ、何か隠しているな)」
イーディス:「はい。今回の会議の司会、進行を務めます。イーディス=シックザールです。よろしくお願いいたします」
イーディス:「では、皆さんセンターテーブルの地図をご覧ください」
GM:そういえばブリーフィングの曲の用意しわすれたんで、適当にACのガレージの曲辺りを聞きながら進行してください
イーディス:「現在、敵奇声蟲は評議会議事堂を中心にポザネオ島全域に展開。アーカイア各地の奇声蟲もゆっくりとですがポザネオ島へと終結の動きを見せています」
ロイ:「奇声蟲には蟻や蜂と同じく社会型外骨格生物の一種であると推測されているが、コロニーを持たない非定住型生物でもある」
ロイ:「何がしかの群れの核になる存在がポザネオ島に移動したと考えるべきだろうね」
イーディス:「はい、その点について、この映像をごらんください」
リュウ:「これは……」
イーディス:「ポザネオ島で確認された大型奇声蟲の映像です」
イーディス:「貴族種にはない器官がいくつか散見されます」
イーディス:「我々評議会は、この個体が蟻で言うところの女王種、群れの長であると推定しています」
イーディス:「また、未確認ではありますが、この個体から衛兵種が出現したとの目撃情報もあり、産卵能力を備えた個体であるとも推測されます」
ロイ:「産卵能力は、やっかいだね。歌姫さえ守れば奴らの数は自然減衰していくものだと思っていたが、その根底を覆されかねない」
ロイ:「いや、生物として考えればそもそも他の生命体への奇声が繁殖のベースになっていること自体、不安定に過ぎる」
ロイ:「寄生先が絶滅したら同時に自分たちも滅びるという事だからね、そういう意味では実に正しい生命としての繁殖方法に立ち返ったと言える」
風間サスケ:「確かに…」
ツムギ:「感心している場合か。より奴らの殲滅がしづらくなったという事だ」
リュウ:「殲滅、か(ユグドラシルの言葉を思い出しながら)」
イーディス:「幸いなことに、現状この個体は一体しか確認されていません」
風間サスケ:「女王さえ仕留めれば敵の勢いを挫くことができそうでござるな」
イーディス:「その通りです。この個体が突然変異なのか、それとも本来の奇声蟲という種族におけるこれが女王種に相当するものなのかは不明ですが、これを撃破することに成功すればアーカイアの未来は切り開けるでしょう」
PC1:すいません、用事で今日は17:30が限界です…
イーディス:「続けます。現在、この新種、呼称クイーンは評議会議事堂メインホールを根城にしていると想定されています」
GM:了解しました
GM:「これは、ポザネオ島に残った暗蒼の歌姫様からもたらされた情報なので恐らく間違いはありません」
イーディス:「生存……失礼、残留組は同じく評議会議事堂西側エントランス及び地下シェルターを拠点に活動」
イーディス:「暗蒼の歌姫様が議事堂地下の《黄金の玉座》を運用。ポザネオ島全域に歌術フィールドを展開して内外の行き来を遮断しています」
イーディス:黄金の玉座は英雄召喚などの為にも使用された歌術にブーストをかける大規模装置の名前です
イーディス:「黄金の玉座の機能で歌術の効果時間は延長されていますが、フィールドが持つのは推定残り7日」
リュウ:ふむ
イーディス:「奇声蟲の増援と本体をたたくまでの準備時間はこのフィールドが解除されるまでの本日を含めて残り7日という事になります」
イーディス:「また、この西エントランス周辺以外にも民間人の避難者などが居る為、ポザネオ島攻略戦において通常時と同様の空爆作戦は行えません」
イーディス:「地上戦メインでの作戦となります」
風間サスケ:「1週間…それだけで未知の女王種への準備をせねばならんでござるか…」
イーディス:「また、こちらも未確認情報ですが一か月前にポザネオ島を襲撃した飛行型の目撃情報が複数あげられています。こちらへの対策も急務です」
リュウ:「(想像以上に過酷な戦いとなるか)」
赤銅の歌姫:「それはこちらで何とかするわ。これを見て」
イーディス:「新型、ですか?」
赤銅の歌姫:「そう。シャルラッハロートシリーズの最新型、シャルラッハロートⅢ(ドライ)とシュヴァルベタイプの後継機ハルニッシュヴルム」
赤銅の歌姫:「ドライには奇声蟲への対策を重点に改良を加えたから、少しは歌姫と英雄の負担も軽くなるはずよ」
赤銅の歌姫:「ハルニッシュヴルムはリュウ君」
赤銅の歌姫:「リュウくんたち英雄から話をきいてた現世の「せんとうき」をベースに改良を加えました」
リュウ:「……(浮かない顔)」
赤銅の歌姫:「可変機構を加えたことによってより一層の高速での空中戦が出来ます」
赤銅の歌姫:「現世の兵器も一部再現してあるから、運用可能よ。ミサイルっていうんだったっけ?」
ツムギ:「はい」
風間サスケ:「変形!ミサイル!ふぁんたじーのちからはすごいでござるな!」
赤銅の歌姫:「幻想(ファンタジー)じゃないわ、技術(サイエンス)よ!」
赤銅の歌姫:「あとこれも見て」
イーディス:「これは……ハイリガートリニテート!」
リュウ:……って何のことだ?
赤銅の歌姫:「そう。先日牙の海で偶然発掘されたの。現在修復作業中だからこれも作戦までには間に合わせることも出来るわ」
風間サスケ:「失礼、そのハイリガートなんたらとは一体?」
GM:ハイリガートリニテート。双胴型と呼ばれる特殊型絶対奏甲で
イーディス:「ハイリガートリニテート。双胴型と呼ばれる絶対奏甲です」
イーディス:「大型のアークドライブを2機搭載し、歌姫と英雄を二人同時に乗り込ませることにより歌術、戦闘面を飛躍的に向上させた前大戦の異物の一つです」
イーディス:「その製造コストが高く、一部にしか出回らなかったそうですが、名機ですよ」
風間サスケ:「それはすごい。期待できるでござるな!」
GM:ちなみに、読者参加版では伝説の機体扱いで、プレイヤーが任意で選べる唯一の伝説の絶対奏甲でした
リュウ:おおー
赤銅の歌姫:「でもねぇ、劣化が酷いのと正直今では失われちゃった技術が多すぎて、ちょっと解析に時間かかりそうなのよ」
赤銅の歌姫:「修復しようとしたらこっちに人員をだいぶ持っていかれるわね」
リュウ:「間に合うかはわからない、ということですか」
PC1:また選択肢かな!
赤銅の歌姫:「いいえ、間にあわせようと思えば間に合わせられるわ、必ず。でも、他の機体の生産ラインとかが落ちるわね」
リュウ:「…………」
イーディス:「絶対奏甲の抱える問題という面ではもう一つ問題があります」
イーディス:「戦場が島であるという事です」
イーディス:「避難の際には人命優先で奏甲を乗り捨て、人間だけ船に乗り込み逃げることに成功しましたが、攻め込む場合はそうも行きません」
イーディス:「ポザネオ島に居る奇声蟲の総数がわからないわけですから、出来る限り最大戦力を持ち出したいところですが、奏甲を運搬できる船となると数が限られてきます」
イーディス:「当然大型奏甲の運搬ともなればなおさら……」
白銀の歌姫:「それだけじゃないわ、各地に散っている英雄たちを一度にポザネオ島に集結させてしまっては各地の奇声蟲が野放しになる」
白銀の歌姫:「各地の守りを完全に崩すわけにもいかない。そもそも、各地の幻糸門を使ったとしても物理的に時間が足りないでしょうけれど」
イーディス:「現状、海運の能力ではシュピルドーゼ海軍とファゴッツのベールゼン協会が恐らく最大手ですが、協力してくれるかどうか」
白銀の歌姫:「させるしかないわね。あとはうちの海軍も出しましょう」
イーディス:「ヴァッサマインの海軍ですか?」
白銀の歌姫:「ええ、うちでも独自開発した奏甲があるの。見て」
ツムギ:「ヴラオヴァッサ、水中型絶対奏甲だ。水中でのキルレシオは対シャルラッハロートⅡで6対1」
風間サスケ:「6:1!?」
リュウ:「水中戦に特化しているのか」
ツムギ:「驚くことじゃない。水中ではシャルラッハロート側の動きが悪くなるがこちらは性能が向上する」
ツムギ:「高機動、重装甲、高火力、三拍子そろっているんだ。負ける要素がない」
ツムギ:「だがフォルミカ、こいつは水中戦特化型だ、船の安全を守る分には使えるが上陸したらシャルラッハロート以下だ、問題は解決していない」
白銀の歌姫:「ええ、だから輸送手段はなんとかしないと」
十二賢者:「評議会が保有している輸送船があります。それを出しましょう」
十二賢者:「あとは評議会の指令書という形で協力要請を行えば、おいそれと拒否する国家はありますまい」
白銀の歌姫:「で、あればいいですが」
リュウ:「(……やはり不確定要素が多すぎる)」
十二賢者:「白銀殿、なにか言いたいことでも?」
リュウ:「(まともに作戦を実行できるかも怪しいとはな)」
白銀の歌姫:「いいえ。ですが、現在は有事下です、各国共に自国を守るのに手いっぱいでしょう」
白銀の歌姫:「そうなれば、同意したくとも出来ないというもの。無い袖は振れませんから」
十二賢者:「これはこれは、水不足に悩まされ食料自給にも困る国家の出身の方は流石に言う事の重みが違いますな」
ツムギ:「………」
リュウ:評議会相手に発言するのこーわーいー
GM:ツムギの視線がスッ、と一瞬で冷たくなる
風間サスケ:平英雄にはにがおもいー
白銀の歌姫:「勿論です。あの子の願ったことと同じく、私は私の守れる範囲の人々を守るために尽力する義務があります。無責任なことは言えません」
リュウ:「お二方、今は”味方”同士で争っている場合ではありませんよ」
十二賢者:「……そうでしたな、お見苦しいところをお見せいたしました」
イーディス:「では、まとめます」
イーディス:「ポザネオ島奪還作戦決行に辺り、目下問題とされる点は以下の3つ
イーディス:1つ、絶対奏甲の輸送手段
イーディス:2つ、生存者の安全確保
イーディス:3つ、戦力の確保手段
イーディス:この三つを残り6日で片付けなくてはなりません」
イーディス:「皆様、黄金の歌姫様、及び残留された皆様の救出のために、なにとぞお力をお貸しください」
GM:イーディスが手に持っていた資料をパタリと閉じると深々と頭を下げる
風間サスケ:「微力ながら力を尽くさせてもらうでござるよ」
リュウ:横に行って頭を下げる
ツムギ:「安心しろ、奇声蟲討伐は俺たち英雄の責務だ」
ツムギ:「その為に、俺たちは呼ばれたんだ」
GM:頭を上げたリュウとツムギの視線が一瞬交わる。心の底を探るような、そんな視線を、リュウは感じる
ロイ:「そうだね、ぼくは前線には行けないのかもしれないけれど、それでも大切な人たちは守りたいな」
ロイ:「やれることをやろう。ぼくたちが、ぼくたちに出来ることを」
GM:ロイの言葉が静かな会議室に響く、その言葉はその場に居た各人の心の中に、それぞれの形へと姿を変えて消えていった……
GM:以上、ミドルフェイズ3、終了
リュウ:こっからか……
リュウ:辛いんぁ
GM:これより、交渉フェイズに入ります
GM:挑戦できることは1ペアにつき1日2回各国家、各組織と交渉を行えます
GM:各組織はそれぞれの思惑をもって、ポザネオ島奪還作戦の当日を迎えることになりますが、
GM:それまでに起こるイベントなどを受けながら、当日を迎えてください
GM:ルール的には以下のようになります
【ポザネオ島奪還作戦ルール】
[ポザネオ島上陸ルール]
1.ポザネオ島へ上陸させられる絶対奏甲の総数は100機まで
2.輸送船1つに詰める絶対奏甲の数は(中型機換算で) 小型船:1機 中型船:3機 大型船:5機 軍艦:10機
3.絶対奏甲の種別は ①小型機 ②中型機 ③大型機 ④飛行型 ⑤水中型
4.大型機は中型機2機分のスペースを要求する。飛行型と水中型は輸送の際に船を必要としないが、自力で島に向かった場合、消耗判定をして失敗したら開始から3ターン戦闘不能になる
5.絶対奏甲と歌姫は2スクウェア以上離れてはならない
6.準備期間中に生産できる新型絶対奏甲は1日3体まで。ハイリガートリニテートを修復する場合、1日の生産量は1機になる。
7.ハイリガートリニテートを修復しようとした場合、修復期間は3日。
[ポザネオ島戦闘ルール]
1.ポザネオ島には上陸ポイントが3つあってそれぞれ指定ポイントから上陸して作戦を行う
2.各スクウェアに隠されている奇声蟲の固定値を超える戦力をぶつければ勝ち。越えられなかった場合、こちらの数値分相手の固定値が減少、こちらは消耗判定を行い失敗したらランダムでチームの絶対奏甲が1機破壊
3.移動は1ターンにつき1チームがそれぞれ1回ずつ。地上は1スクウェア、空中は2スクウェア移動可能
4.戦闘力は 小型:3 中型:5 大型:8 伝説級:10
5.1チームは編成は中型機、最大10機まで 小型機は2機で中型機1機分の編成として数えることが出来る。大型機は1機として扱う(なので小型機のみで編成した場合、最大20機で編成可能です。)
6:戦闘では地上戦力は空中戦力に攻撃を行えません。空対空のみ反撃が可能。
GM:以上、ポザネオ島奪還作戦のルールになります。以上の事を頭に入れて各勢力と交渉してください。
GM:交渉する事が可能な勢力は以下の通り
国家 トロンメイル、ヴァッサマイン、シュピルドーゼ、ファゴッツ、ハルフェア
組織 ペールゼン協会、評議会、現世騎士団、黄金の工房、自由民
GM:以上です
風間サスケ:キツイな
リュウ:ここからどうするか
リュウ:ハイリガートリニテートは伝説扱い?
GM:以上です。以上の情報を元に交渉を行ってください
GM:ハイリガートリニテートは 伝説/大型 ですね
リュウ:了解です
GM:戦闘力は伝説級で構いませんが、輸送には大型機分のスペースを要求します。