小説/長編

Written by えむ


 追加ブースターの力を借り、スプリットムーンが爆発的な加速を持って迫る。だが以前と違って、フォートネクストは回避行動を取ろうとはしない。6門ものグレネードの砲身をスプリットムーンに向け、迎撃の構えだ。
 まず一発。右腕のNUKABIRAを放つ。前回同様切り払うかと思ったが、予想に反して回避。そして近距離まで距離を詰めたところで動きを止め、マシンガンで攻撃を仕掛けてきた。
 やはり相手もこちらを警戒している。それはレックスから見ても一目瞭然だった。

「…だよな」

 相手の主力がブレードであるのは機体構成を見れば一目瞭然だ。マシンガンはあくまで牽制と削り。軽量機なら、それも悪くはないだろう。だがこちらはタンク。しかもガチガチに硬めまくってグレネードを積みまくった火力・防御特化機。
 アルギュロスコアほどではないにしてもPA関連にFRSチューンを集中させている手前。マシンガンとしては強力な部類に入るモータコブラと言えども、簡単にこの守りは破れない。
 となれば、必然的に相手はブレードを使用せねばならなくなるのは確かだ。それでもすぐに斬りかかってこない理由は、恐らく手数の差にある。
 相手はグレネードすら切り払ってしまうような、とんでもない技量の持ち主だ(VoW 16参照)。だがそれでも限度はある。相手のブレードは一本。グレネードの連続発射を捌くには手数が圧倒的に足りない。
 つまりのところ今回はこちらが圧倒的に有利なのだ。だが、それは相手も充分に理解しているのだろう。だからこそすぐに仕掛けず、距離を保ったまま攻撃を仕掛け、隙を伺っている。
 最も、こちらが有利とは言え、確実に勝てるのかと言われれば首を縦には振れない。相手の両肩にはフラッシュロケットがあるのだから。そして、撃たれたら確実に当たる自信がある。そしていかに重装甲であろうと、GA系列のパーツ。エネルギー防御はお世辞にも高くはないため、ブレードの一撃を受ければ一たまりもないのだから。よって勝負はわからない。
 
「………………」

 真改は攻めあぐねていた。
 フォートネクストの姿を見て、すぐに正面から仕掛けても勝てないと悟り、隙を伺いながら牽制を続けていた。相手をしとめるには、確実にスプリットムーンのブレード――ムーンライトによる一撃が必要だ。
 その一撃が入れば、あとは流れは自然とこちらへと傾く。ムーンライトの威力は、重装甲相手だろうと劣ることはない。ダメージによって、一瞬でも相手の動きを封じることが出来れば、勝負はつく。
 だが相手は過剰なまでの重火力。先に攻撃を叩き込まれでもしたら、まず一たまりもない。
 一番簡単なのは、死角をつくことだが――その隙はほとんどなかった。相手は移動こそ、ほとんどしないものの。クイックターンを駆使して、確実にこちらを正面に捉えているのだ。よって下手に突っ込めばグレネードキャノンの餌食となってしまう。
 しかし勝つには、相手より先に一撃を入れなければならない。だが一撃を先にいられられたら、そこで勝負は終わるだろう。
 
「―――――」

 いかに一撃を入れるか。その答えは一つ。相手の攻撃をかわし、懐に飛び込み、そして斬る。それだけのこと。今までやってきたのと同じことだ。

「――勝負」

 両肩に装着されたフラッシュロケットを放つ。相手もそれを読んでいたらしく、回避しようとするが避けきれない。まばゆい閃光がフォートネクストを覆う。
 その一瞬の間に、真改はスプリットムーンを動かしていた。前方向へとクイックブースト。だがブレードは振らない。
 正面から放たれたグレネードを避け、さらに前進。こちらが見えないにも関わらず、動きを読んで狙ってきたことに、ささやかな賞賛を送りつつも、フォートネクストの横を一瞬のうちに抜け、ムーンライトを振りぬく。
 寸前のところでフォートネクストが横へと跳ねて、その一太刀をかわした。――旋回さえ殺せば後は動きを追うことすら出来なくなる。そのために肩の追加ブースターを狙ったが、それは読まれていたらしい。
 だが、まだここは自分の間合い。すれ違い、すぐにクイックターンでフォートネクストの方へと機体を向ける。
 恐らく、すぐに相手はクイックターンでこちらを捉えに来るだろう。だが、それだけでは遅い。振り返るのは間に合っても、グレネードの攻撃は間に合わない。
 よって、さらなる一撃を加えるべく、踏み込んだ。
 





 同じ頃。
 レイテルパラッシュもまた、アンサングとの戦闘を続けていた。
 
「――この戦い方……」

 そして、その戦闘の中。ウィン・D・ファンションは相手の動きに既視感を覚えていた。アリシアを使うリンクスなどは知らないにも関わらず。
 逆関節特有の上昇力を生かした上下機動に加えて、クイックブースターによる高機動。激しくも繊細な動きの中、PMミサイルの弾幕に混じって、レーザーバズーカの砲撃とアサルトライフルの弾幕が寸分の狂いもなく放たれてくる。
 ――攻撃の仕組みは簡単。ミサイル到達までの間に、武装を切り替え。相手にミサイルが届くタイミングにあわせて、攻撃をしているだけのことだ。
 回りこんで飛んでくる弾幕と正面からの弾幕。それらの交差射撃に気を取られた隙に、レーザーバズーカの一撃が、レイテルパラッシュを掠める。

『これをかわすか。さすがはランク3に位置するだけある』
「……くっ…」

 それら全てを避けてみせたウィン・Dの技量に、テルミドールはやはり一筋縄でいく相手ではないと、そう考えていた。
 かつて戦った時と同じように食らい付き、牙を向いてくる。戦闘の状況は一進一退。勝負の流れは、今はまだ…わからないまま。だが―――
 
「だが…。それだけのことだ」

 今乗っているのは仮初の愛機ではなく、本当の愛機。自分の戦い方を100%引き出せる物だ。仮初の機体と言うハンデを背負った状態で、かろうじて勝てた相手に。全力を出せる状態で勝てないはずがない。
 再びアンサングを飛ばす。そしてレイテルパラッシュへと猛攻を仕掛ける。
 視界の片隅に、フォートネクストに斬りかかるスプリットムーンの姿が映った。距離を詰め、まさに必殺の一撃を見舞おうとする瞬間だった。
 同時にフォートネクストがスプリットムーンへとクイックターンで向き直り、両者が正面を向き合う。だが…勢いをつけすぎたのか、フォートネクストがさらに余計にクイックターンによる旋回を行った。
 ――明らかな隙。その期を真改が見逃すはずはない。そう思ったのも束の間。次の瞬間。スプリットムーンの機体が、不自然に大きく横へと傾いた。






 ムーンライトの刃がフォートネクストの装甲を焼く。だが直前でスプリットムーンが大きくバランスを崩したため、その一撃は深手を与えるには届かない。

「―――」

 ――真横から頭部への重い一撃。
 ダメージこそ少ないものの、それがスプリットムーンのバランスを崩した原因だった。
 衝撃を受ける瞬間。メインカメラを通して、真改が見たのは、真横から迫るOIGAMIの長砲身だった。
 クイックターンを使ったOIGAMIによる直接打撃。死角からの予想外の一撃は、真改の不意を突き、その役割を果たしていた。
 それでも機体バランスを建て直し、踏みとどまる。なんとか昏倒するのを阻止。だが――体勢を立て直したところで、フォートネクストの片腕がしっかりとこちらに狙いを定めていることに気がつく。距離は近距離。弾速の遅いグレネードとは言え、この距離ではかわせない。

「……無念」

 まだ生きてはいる。機体も健在。だが―――勝負は決した。






『敵ネクスト撃破』

 至近距離でのグレネードキャノン連射を受け、正面のネクストが沈黙。それを確認したセレンがそのことを通信にて伝える。

「危ないところだった…」

 そもそも最初の一撃こそ先読みで回避したものの、相手の切り返しは予想以上に早かった。旋回が間に合ったとしても、グレネードを叩き込む余裕がないのは、レックス自身がわかっていたのである。
 だが、なんとしてもブレードの一撃を受けるわけにはいかなかった。何か手はないかと考え、その場で思いついたのがOIGAMIの砲身を僅かに下げてクイックターンを行い、相手を吹き飛ばす…と言うものだった。最悪、片方のOIGAMIが使えなくなる覚悟の上で実行に移したのだが―――

「さすが有澤重工…。こんな無茶やっても異常なしとか、どんだけ頑丈にしたんだ…」

 スプリットムーンの頭部へとぶつけた片方のOIGAMIの状態はコンディション・グリーン。多少のダメージはあったようだが、それでも使用に支障が出るほどのダメージは受けていないと言うものだった。
 機体ダメージも、それほど大きくはなく、これなら続投も充分可能だ。最も、その要因の一つは過剰なまでの重火力装備のおかげと言うのもあるのだが。
 ともかくこちらの勝負は終わった。あとはレイテルパラッシュと共にアンサングを撃破することができれば、作戦は完了だ。

「これで2体1。すぐにレイテルパラッシュの援護に―――」
『待て、増援だ。反応はネクスト…!!』

 レーダーに新たな反応が現れた。すぐさま敵を確認すべく、機体をそちらへと向ける。視線の先には、こちらへと迫ってくる深紅のアリーヤが一機。

「クラースナヤ!? …ぐぅっ?!」

 遠距離の位置からクラースナヤが連続で何かを撃ち出す。当然回避能力の落ちているフォートネクストではどうすることもできず、周りでいくつもの爆発が起こり、2~3発は直撃をもらう。

「――よりにもよって大型ロケット弾か…っ!! 」

 爆発の衝撃と爆音から、すぐさま相手の攻撃を割り出すレックス。その予想通り、クラースナヤの背中には大型ロケットが二門装着されていた。
 
『前回のリベンジだ。だけど、今回は逃がさねぇ…!!』
「…っ」

 両腕のグレネードキャノンを構え、4門ものグレネードを一斉に放つ。 しかし、時間限定の天才と称されるハリの技量を持ってすれば、同時発射数が増えた程度のグレネードを避けることなど造作もないことだった。
 砲撃を潜り抜け、さらにその間隙を縫うように大型ロケットをフォートネクストへと放つ。通常のネクスト戦闘なら、ロケットなど…そうそう狙って当てれるものではない。だがフォートネクストは、ほとんど固定砲台状態だ。いくらロックが出来ない武装とは言え、止まっているも同然の的を狙うことなど誰でも出来る。

「……くっ」

 ロケットによる攻撃にさらされながら、それでも少しでもダメージを減らそうと、動けないなりに精一杯動きつつ、状況を判断していた。
 ―――一言で言ってしまえば、いきなりピンチだ。
 一斉射撃を叩き込めれば、ほぼ一撃で落とせるだけの火力があるとは言え、クラースナヤはグレネードを撃たれても十分対処可能な距離を保ったまま、大型ロケットを叩き込んできている。
 スプリットムーンの時は向こうから接近してきたのもあってチャンスは充分にあったが、遠距離相手に全弾直撃を狙うのはまず無理。まして相手は、仮にも天才と称されるほどのリンクス。そう簡単に当たってくれるはずがない。
 さらに、こちらは地上からほとんど動けず、大型ロケットの良い的状態。コレでは一方的にやられてしまう。

『損傷率が上がってるぞ?!』
「わかってる…っ。だけど、こんな機体で逃げまくれるわけがない…!!」

 このまま被弾を重ねるわけにはいかないと、大型ロケットをNUKABIRAで迎撃する。しかし、これも一時しのぎ。迎撃にグレネードを撃ち切ってしまったりでもしたら、唯一の長所が消えてしまう。だが、それでもここで落ちてしまっては、元も子もない。

「後のこと考えたら、無駄撃ちは避けたいところなんだけど…!!」

 グレネードが火を吹く。だが4発同時ではなく、撃ちだしたのは2発。相手の動きを読み交差射撃を使っての空中起爆を狙う。さらにNUKABIRAとSAKUNAMIを交互に切り替えながら撃つことで、発射間隔時間を短縮し、手数をも増やす。
 
「前と同じと思うなよ…!!」
『……なっ?! …くそっ!!』

 交差射撃によって空中起爆するグレネードによる連続対空攻撃。それまで攻撃だけに徹していたクラースナヤが初めて攻撃の手を緩めて、回避行動へと移る。その判断は間違ってはいない。グレネードの爆発によって、大型ロケットが誘爆しては危険でしかないからだ。
 だが、ただ逃げ回るハリでもなかった。攻撃の手を緩めれば、それだけ撃破までの時間が延びてしまう。時間制限のある身としては、時間を無駄にすることはできないのだ。
 この攻撃の中で、なおも攻めるべく武器を両手のライフルに変更。回避行動を取りつつ、ライフルで削りにかかる。
 しかしGA系列のフレームで組まれたフォートネクストは実弾に対しては特に鉄壁を誇る防御力。大型ロケットによる攻撃と比べれば、与えられるダメージは大きな差がある。それでも確実にダメージを重ねていくクラースナヤに対し、フォートネクストはいまだ大したダメージを与えられてはいない。
 やがて、両腕のグレネードの弾が残り1発となった。

「次で打ち止めか…。少しは痛手を与えたけど…っ」
『どうやら、流れはこっちに来てるようだな…!!』

 再びクラースナヤが大型ロケットを展開する。だが、レックスは慌てる様子もなく、落ち着いた表情のまま口元に笑みを浮かべた。

「―――仕方ない。奥の手の一つだ。傍から見れば、そうは見えないかもしれないだろうけどな」

 グレネードの残りの弾を地面めがけて叩き込む。爆発によって土煙が上がり、フォートネクストの姿が見えなくなる。

『…なんのつもりだ…?』

 大した機動力もないタンクで姿を隠す理由がわからない。さらに言えば、自分は空の上におり、どこから飛び出してこようとも把握をすることは簡単だ。これが地上戦ならば、まだ効果も望めただろうが。
 それゆえに、フォートネクストの行動の意図がつかめない。

『まぁいい。火力で圧倒するだけだっ』

 残った大型ロケットも叩き込むつもりで、フォートネクストがいるであろう場所を予測して撃ち込もうとする。
 その瞬間、光が見えた。その光は、今まさに発射されようとしている大型ロケットを撃ち抜き、爆発にクラースナヤを巻き込む。

『…んなっ?!』

 さらにもう一発。今度は、かろうじて回避したクラースナヤの傍らを、高出力のレーザーがすり抜けていく。
 視線を戻した先には、両手にハイレーザーライフルを持ったフォートネクストの姿があった。HLR01-CANOPUS。圧倒的総火力を誇るハイレーザーライフルの中でも名作と言われる代物だ。
 再び回避行動を取るクラースナヤ。だが――フォートネクストの攻撃の命中精度は恐ろしいまでに高く、2~3発に一回の割合で直撃をもらってしまう。さらに当てられているのはハイレーザー。ダメージも侮れない。

『やばい、残り時間が…。こうなったら…!!』

 クラースナヤが大型ロケットをパージする。残された時間はわずか。それならばと勝負に出る。機体を上へと飛ばし、ライフルもパージ。格納のブレードを装備し…フォートネクストの「真上」から急降下を仕掛けるべく、オーバードブーストの起動へと入る

『敵機直上。来るぞ!!』
「誰かは絶対仕掛けてくると思ってた…!!」

 今のフォートネクストを組んだ時に。必ず真上から攻撃されると考え、レックスは対策をしっかりと練っていた。元となっているのは、クレイドル03での戦闘にて咄嗟に行った垂直射撃。あの時は、地形を利用して機体を傾けたが今回は違う。自分の力のみで、機体を傾ける。
 ブーストを吹かし、フォートネクストを浮かべる。そうしている間に、直上のクラースナヤがオーバードブーストを使って強引な急降下をしてくる。
 続けてネクストに搭載されている反動軽減システムを解除。
 通常、ネクストには使用武器の反動を大きく軽減する特殊なシステムが組み込まれている。それのおかげで、大反動の武器を使っても機体が転倒したりせずに済んでいるのだ。
 良い例としてはフラジールがある。フラジールにOIGAMIを搭載して発砲しても、フラジールは決してひっくり返ったりすることはない。もちろん、そのシステムは完全に反動を消せるわけではないため、軽減できなかった分の反動が影響して、ロックが外れてしまうと言った現象を生むのだが。
 当然、それはネクストである以上、タンクにも当てはまる。
―――OIGAMIを片方撃つ。空中と言う不安定な条件の中、強力な発射反動がそのまま作用し、機体が後ろへと仰け反る。
 通常なら、そこまで。だがスタビライザーによって重心を限界まで後ろに下げてあるフォートネクストは、さらに後ろへと仰け反る。OIGAMIの砲身が機体の動きに合わせて、上へと傾く。さらに上方向への射角ギリギリまで砲身を上げる。
 ――FCSがクラースナヤを捉えた。距離400。間違っても外す距離ではない。
 発砲。
 轟音と共に大口径の榴弾が空へと。真上に。クラースナヤへと放たれる。直撃する、そう思われた瞬間。ハリが吼えた。

『その程度で落ちるかよっ!!』
「なっ!?」

 クラースナヤがクイックブーストで横に避けた。高いAMS適正だからこそ可能な、驚異的な反応。そしてそこから瞬時に、間髪入れず前へとクイックブースト。
 両手のブレードを振りかぶる。距離30。
 ハイレーザーライフルでの迎撃は間に合わない。OIGAMIもすぐには撃てない。
 もう相手に反撃の手段は――――
 
「……ないと思ったら大間違いだ!!」
『!?』

 直後。フォートネクストが閃光をまとい、その光が爆発した。






『……アサルトアーマー…かよ』
「思いつく限りの攻撃手段を仕込んできたんでね…」

 光が収まると、そこには中破したクラースナヤとOIGAMIの片方を破壊されたフォートネクストの姿があった。

「こっちだって負けられないんだ。だったら―――今まで使わなかった物に手を出してでも勝ちに行かないと。対峙する方だって、一度も使ってこなかった装備をこの機に使い出すなんて思わないだろう…?」
『…違いねぇ……』
「…ともかく勝負はついた。その様子じゃ、もう戦えないだろうしな」

 フォートネクストが踵を返した。

『…また見逃すってのか』
「そうなるな。まぁ、単に運がよかっただけだよ」

 そう告げて。レックスはすぐに移動を開始する。OIGAMIを片方失ったのは痛いが、まだカノープスの残弾も余裕がある。OIGAMIも1門残っている。機体のダメージもかなり受けたが、それでも深刻と言うレベルには至ってない。
 結果として、戦闘は続投可能だ。

「セレン。ウィン・Dの状況は?」
『今確認を―――』
『…いや、その必要はない』

 通信に割り込むような形で、ウィン・Dの声が入った。

『すまない…あとは君に任せることしかできない』
「……!!」

 その一言が聞こえたタイミングで、アンサングとレイテルパラッシュの姿が確認できた。
 機体の各所から火花を散らし、その場に鎮座するレイテルパラッシュ。そして少し離れた位置に、アンサングが佇んでいた。

『残るは君だけだ。レックス・アールグレイ』
「そのようだ」
『やはり勝つ気でいるのか?』
「当然だとも。火力はこっちが上だ。だったら話は早い。こっちがやられる前に落とせば良い」
『口で言うのは簡単だ。だがそれを実践できなければ意味はない』
「それなら実際に見てみれば良い。でも先に言っておく」

 レックスは告げる。アンサング、マクシミリアン・テルミドールに。

「撃ち負けはしない。当てるんだからな」

 そして、フォートネクストが両手のハイレーザーライフルとOIGAMIを向けた。

To Be Countinue……


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移設元コメント


☆作者の一言コーナー☆
 買いなおしたPS3が1ヶ月で壊れて修理に出す羽目になった、えむです。
 おかげでしわ寄せが小説の方に!!(主に加速的な作用として)

 今回はここでのコメントは控えさせていただきます。
 例によって突っ込みどころ満載かもしれませんが…。私はやっぱり後悔はしていない。 ただ全力で突っ走るのみです。 

 次回VSアンサング。泣いても笑っても、これでラスト。
 どんな展開になるかは未定ですが、お楽しみに~(・▽・)ノシ
 

>完全武装タンクwww
>魔改造ワロスwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
 何ヶ月も前から、やりたかったネタでしたw

>レックスは既に死んだ、ここにいるのはガチタン愛好家だ!今回の奇策はOBとスタビが鍵ですな
 レックスはガチタン愛好家なので問題はない。

>あれ・・・「視線の先には、ネクストが3機」・・・あと1機は・・・誰だ?次回のお楽しみ?
>レックスが知っているのは三機のうち二機、レックスはアンサングを見たことがないはずだから・・・今のところ敵でない機体はレックスが見たことがある機体、一体誰なんだ!?
 3機~については、こちらの完全なミスだったの指摘のあったところ含めて修正。 なんといううっかり…orz

>かつて勘違いさせるようなコメをした結果がこれかwww  なぜか某拠点防衛型ガンダムのごとく、OBで真正面から突っ込み、老神でスプリットムーンを串刺しにするフォートネクストが見えた
 あの一言がなかったら、二門装備は考えなかった…。
 素晴らしいネタ提供、重ね重ねありがとうございます(ぉ

>レックスよ、まさか全砲門一斉射撃の反動を打ち消すためにオーバードブースト点火! なんて無茶なことしないよね?
 しませんw

>自重で腕千切れないかwww格納にもグレ絶対に入ってそうだしww
 騙して悪いが格納はハイレーザーライフルなんだ…。

>「敵は今のところ2体」前のところで敵は3機と有ったが。後老婆心ながら、単位は統一した方が全体の見栄えが良くなりますよ
 修正しました><

>あれはネクストがグレネードを装備してるんじゃない、――グレネードがネクストを装備してるんだ。なんという魔剣的発想wwwww名前をつけるならフォートグレネードだな!w
 新型機の名前。マジでそれにしようかと思ったのはここだけの話。

>なんつー無茶苦茶なwww しかしNUKABIRAとSAKUNAMIだと後部が干渉しそうな気も。WADOUとSAKUNAMI→格納NUKABIRAだと、弾数的にもちょうどいいかも?
 こまけーことはいいんd(ry 実機による確認ができなかったので、手遅れと言う事で一つ。

>これからどうなるのか・・・。企業サイドにはアンサラーが、ORCAサイドにはジェットがそれぞれ有るはずだが、出番は有るのだろうか?
 未定ですが、ジェットは確実に出番ありません…。

>些細なことではありますが、気になった文章があります。「一番ベストなのは、『彼』だろうが…」ですが、ベストは最上、最高という意味なので、その前の一番は必要ないかと。
 あ…(==;

>どうでもいい計算。旧フォートネクストからトーラス製FCSだけ抜き取ってきて、今回も搭載したとして・・・6門全弾直撃時の攻撃力、163416らしい。並のネクストで耐えれるレベルじゃないw
 あたれば一撃。素晴らしい。

>ネクストの皮をかぶった何かwww いよいよ最終決戦か・・・レックス君がどのような奇策を見せてくれるか楽しみだな!
 だって下手なAFよりも、火力ありそうですし…。

>浪漫だな その一言に尽きるよ
 浪漫追求しつつも、しっかり勝つ工夫込みと言う理想機体です。レックス的に。

>老神二本が本体ですね分かります 全弾一斉発射で軽二なら軽くAP30000は消し飛びそうなもんだwww 次回、楽しみにしてます!
 PAダウンされたら、もっとすごいことになりそうな予感。

>まさに固定砲台、そして超基準違反機体www真改とテルミドールがいろんな意味で心配だ・・・じゃあ最終回楽しみにしてますw
 これはもう小説ならではですね。実機できるのなら、どんなハンデを背負うことになってもやりたいですが…(ぇ
 
>なぜかスタビを支えにしてOIGAMI2門を真上に撃つフォートネクストが見えた
 残念ながら、ちょっと無理でしたorz

>ウィンディーは本気の輝美に勝てるのだろうか…?そしてレックス、なんて恐ろしい機体に…真改が心配だ。後、ネリスに何言う気なのかが気になる
 ネリスへのコメントは、今後をお楽しみにっ。

>ゲームではウィンDに負けるテルミドールだが、実際は自分に合っていない機体でランク1だから、本来の戦闘スタイルが出来る状態では彼女に勝ち目はないのではないだろうか。ラインアーク戦では水没の「芝居」だったから、個人的にはテルミドールの本気の活躍を見てみたい。
 結果はご覧の通りとなりました。そして本気の活躍は次回―――

>ブーストで無理やりだなんて…その発想はなかった。最初はタンク主人公どうなるかと思ってたけど……とてもおもしろく読ませてもらってます、ラストまで頑張ってください!
 ここまで来れるとは正直自分も驚きでした。ありがとうございます><

>ラストバトルは社長が相棒かとも思ったが、6グレならまずいらないなw
 ラストバトルに社長を相棒…。しまったぁぁぁぁぁぁぁっ_| ̄|○ノシ

>この重装備、ウィンD が敗れ、レックスが倒すということかっ!
 そういうことです><b

 と言うわけで、非常にたくさんのコメントをありがとうございました。
 もしかして、今までで一番多かったんじゃないだろうか、コレ…(汗


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