アーマード・コア シリーズ/AC若葉講座 PS・PS2タイトル編
初めに †
- 本項目ではフォーミュラフロント指南として、同競技で用いられる、AI制御ACこと「u-AC」の構築+αについてのレクチャーを行う。
- ゲーム内には一応、フォーミュラフロントを運営するFFAという組織から発行されているレクチャーガイド(という設定の説明ムービー)もあるのだが、本項目と合わせてみるともっと理解を深めるだろう。
機体アセンブリについて †
- ACFFを始めて、ネームエントリーとムービーを終えてGARAGEを見ると最初から「5機分のu-ACが構築されている」のを目にするだろう。過去作を経てACFFを始めたレイヴン上がりのアーキテクトはここで困惑するだろうが、ACFFではチームは5機のu-ACを保有すること、オプショナルパーツ以外のパーツは重複してはいけないという制約が課せられているためである。
- ただしこの制約ががっつり効力を発揮するのは試合に際しチームが保有するu-AC5機すべてを使うことになる、PS2版のエキスパートリーグのみで、1機のu-ACを使うボトムリーグやPSP版のレギュラーリーグではそこまで効力は薄い。最もPSP版でも複数機体を作って相手に応じて使い分けをするとかするのであれば話は別だが…
- また、この制約に伴い、ACFFではジェネレーター、ラジエーター、ブースターに3つずつ、合計9つの追加パーツが用意されている。
- また、ACFFではACNBに登場したすべてのパーツ+上記の追加パーツ9つが最初から解禁されており、制約の範囲内なら機体構築の自由度は高い。
- アセンブルや武器選びに関してはこちらやこちらも参考にしてもらいたい。特にACFFからACを始めるという剛の者には絶対見ておくといい。
- ただし、競技用かつ、AI制御ということもあり、頭部パーツのパラメーターからバイオセンサーやオートマッピングと言ったミッション用の項目は削除されている代わりに後述するAIアセンブリ用の項目であるAIキャパシティが追加されている。
- ちなみにレクチャーガイドでも言及されているが、プレイヤーのチーム含め、フォーミュラフロントに参加しているチームの保有パーツはすべてFFAからの支給品である。
AIアセンブリについて †
- さて、ここからが本題である。ACSLのAI機体育成よりかはマシになったとはいえ、それでもACFFのAIアセンブリは複雑だったりする。
- ACFFのAIはアセンブリをしていない状態でも一応は動ける。しかし、真っ白当然なAIではACテストの相手に勝てるかどうかも分からない。せめてパフォーマンス項目だけはしっかりするべきではある。
BASE CHARACTER †
- u-ACの行動特性を決める項目である。
- 特性は「距離特性」、「行動特性」、「移動特性」、「戦略特性」の4項目あり、移動特性以外は項目内の1つのパラメーターを設定し、移動特性は走行、ジャンプ、ダッシュの3つのパラメーターを設定する。
- 距離特性はu-ACの交戦距離を決定する。近距離戦闘をさせたいなら近距離に寄せ、逆に遠距離戦をさせたいなら遠距離に寄せる。真ん中に寄せると中距離戦を行う。
- 行動特性はu-ACの行動を多彩にするか否かの項目で、変化に寄せると様々な行動をとるが、固定に寄せると様々な行動をとらなくなる代わりに、行動の安定性が高くなる。具体的にいうと変化に寄せると武器チェンジの頻度が多くなり弾切れの武装を的確に解除するようになる代わりに照準精度は甘くなるのに対し安定に寄せるとその逆になる。
- 移動特性は走行、ジャンプ、ダッシュの3つの移動方法を多く取るか否かの項目で、奪取はブースト移動、ジャンプはジャンプ移動、走行はブーストなしの移動に対応している。これらの項目を高に寄せるとu-ACは試合中その手段で移動を行う可能性が高くなるが、低に寄せるとその手段での移動を行う可能性が低くなる。使いたい脚部がフロートやタンクなら歩行よりもジャンプやダッシュの項目を重要視すること。また、歩行を低に寄せた上で、ダッシュとジャンプを高に寄せると積極的に回り込もうとし、逆にするとENの残量を気にしつつ動くようになる。距離特性に応じて項目を設定しよう。
- 戦略特性はu-ACの試合中での行動の方向性を決めるもので、攻撃寄りならば積極的に攻撃を仕掛け、防御寄りの場合、積極的に攻めなくなり、敵の攻撃をできるだけ確実に回避するようになる。遠距離機なら防御寄りにし、それ以外は攻撃寄りにすると良いだろう。
PERFORMANCE †
- u-ACに搭載されるAIの「性能」を決める項目。
- 頭部パーツごとに決められた「AIキャパシティ」の数値分、「敵分析」、「地形分析」、「攻撃戦術」、「防御戦術」、「熱制御」、「EN制御」、「機体制御」、「移動制御」、「武器制御」、「索敵制御」の10項目に割り振る。割り振りの最大値は1項目につき10。
- 敵分析、地形分析はそれぞれ敵や地形に対しての判断を行うための物で、基本的に射撃戦をするなら絶対に最優先にキャパシティを振り分けるべき。というのも地形分析に振れば障害物があっても弾を撃ってしまう事を防ぎ、敵分析に振れば敵機の行動をきちんと見て判断を下せれるようになる。逆に武器腕ブレードオンリーなど、射撃戦を投げ捨てるのであれば両方0でも構わないが、基本的に最優先に割り振る項目である。
- 攻撃戦術は攻撃的行動、防御戦術はデコイやECMと言った回避手段の使用頻度を高めたり、敵の射程外に移動するなどの防御的行動に関連している。そのため、近接戦機であればむしろ防御戦術への割り振りを少なくし、遠距離戦機であればその逆の割り振りと、組んだACの戦闘距離に合わせて割り振る必要がある。
- 熱制御は読んで字のごとく、機体が熱暴走しそうなときに熱が発生する行動を控えたりする。その為、熱量重視武器を持った相手に熱ハメされると動かなくなる場合がある。
- EN制御はENがレッドゾーン付近になったときチャージングしないように機体を制御する。そのため、割り振り次第では頻繁にチャージングを起こしてしまい、隙だらけになってしまう。
- 機体制御、移動制御は敵分析や地形分析同様絶対に最優先でキャパシティを振り分けるべき項目であり、なおかつ最大振り推奨である。特に機体制御はロックオン精度や機体の反応速度などに直結しており、移動制御も機体の移動動作に影響を及ぼすため、かなり重要な項目と言える。
- 武器制御は武器の射程距離やタイミングに関係する項目で、適切な距離で適切なタイミングで攻撃を仕掛けるようになる。最優先というほどではないが、割り振っておくと勝率がぐっと上がるようになる。
- 索敵制御は敵の居る位置を正確に把握するための項目………なのだが、肩レーダーを装備してる場合には切り捨てても良かったりする。逆にレーダー未搭載だったり、レーダー内蔵頭部採用時にはある程度割り振るといい。
OPERATIONS †
- オペレーションチップを組み込み、自機の行動を指定する項目。
- 180秒の試合時間を30秒ごとに6つに分け、その6つにそれぞれオペレーションチップを1つだけ差し込むことで自機の行動を変化・指定させる。
- オペレーションチップの詳細はこちらを見るとよい。
- ただし最初は必要最低限のオペレーションチップしかない。オペレーションチップの種類や所持数を増やすには試合を勝ち進んだり、既定の条件を満たしたりする必要がある。
- 組み込むオペレーションチップによっては機体が木偶の棒になったりする。注意が必要。
いざACテスト †
- 機体側とAI側双方のアセンブリが終わったらいざ実戦……の前にきちんと想定通りに動くかどうかACテストで試そう。
- PS2版やPSP・インターナショナル版限定だが、君が腕に自信があるレイヴンならば、自分で操作して自分が組んだu-ACの相手をしてもいいだろう。最もその場合、レイヴンとしての誇りをぶち壊されないように。
- 何かしろ問題点が見つかったらその問題を解消して再度テストしよう。それでもまだ不満があるならアセンブルなどを見直そう。繰り返していくうちに理想のu-ACが組みあがるはずだ。
さあ、実戦投入だ †
- u-ACが組みあがったらゲーム内の試合でもいいし、対戦でもいい。実戦に投入してみよう。実戦を経て何か掴めるはずだ。もっともその掴んだ何かを生かすも殺すも君次第だ。
- そこから先は君の好きに進めるといいが、オペレーションチップの種類や所有数を増やすならばゲームを進めていく必要がある。なお、ゲームを始めた当初は下位リーグに当たるボトムリーグの最下位に君のチームは位置する。ボトムリーグの頂点に立つと自動的に上位リーグに進む。ここでPSP版とPS2版で進むことになる上位リーグが分岐する。
- PSP版はレギュラーリーグへと進む。こちらでは全30チームが参加し、レイヴンにおけるアリーナのように上位の相手と勝負し、勝つと順位を上げていくという方式。一戦ごとに所有u-ACから一機を選んで戦うため、一機のみに特化させるか、相手ごとに使うu-ACを変えていくかはプレイヤー次第。
- PS2版はエキスパートリーグへと進む。こちらでは全18チームが参加し、5機のu-ACを用いた勝ち抜き戦方式の3ブロック制リーグ戦を行い、その後順位決定戦で最終順位を決定する方式の5つのGPを行って1シーズンとする方式。
- また、PS2版限定で1機のu-ACで100機の敵機をなぎ倒していくモード「フォーミュラマキシマム」がある。ここでしか手に入らないエンブレムもある。なお、出てくる敵機の中にはPSP版の機体も混じる。PS2版でPSP版の機体と戦えるのはここだけ。
- なお、PSP版はレギュラーリーグのトップランカーになるとエキシビジョンが開催される。インターナショナル版だとPS2版の機体は無論、フロムからの刺客、フォーミュラマキシマムからの刺客、さらにはACMOA以来の公式大会優勝者構築機軍団という豪華な面子が君の前に壁として立ちふさがる。心してかかるように。
余談 †
「ビビり」について †
- 端的に言えば、「自機が短時間のうちに大きいダメージを受けると相手と距離を詰めなくなる」現象。FFのAI構成や対戦会などで頻出する言葉。
- バズーカ系の同時着弾や重いEN火器の連打、両手マシンガンのラッシュを出合い頭に浴びてこの現象になる事例が多い。その様子がいかにも火力にビビったり腰が引けている様から名づけられた。
- 特に距離を詰めねばならない近接機や後述する「回り込み機」のような機体にはあまりに致命的な現象。永続的ではないようだが、それでもAC1機が消し炭になるには十分な時間ビビりが続くため、機体によってはこれが発生した時点でほぼ確実に役割が果たせなってしまった。
- これの防止策はオペレーションチップ「MOD-1/フルアヘッド」を始めとしたアヘッド系チップを組み込むことである。当然だがチップが有効な時間でないとビビりは抑制できないので要注意(場合によっては複数枚アヘッド系チップを詰める必要が生じる)
- 「距離特性」を縮めることは直観に反するようだが対策になりえない。そもそも距離特性を無視して距離を開けるのがビビりであるからだ。
- 自機が起こすにしても、相手機に生じさせるにしてもFFの中でも重要なファクターとなる現象であり、ゆえに水面下で凄絶なアヘッド系チップ奪い合いが起こる原因になっている。ご利用は計画的に。
3竦み構成 †
- かつてFFの研究や交流が一部で盛んだった頃に見出された3竦みのある種の基本的な構成概念。
- 「回り込み機」「固定砲台ガチタン」「引き撃ち機」の3つの構成タイプからなり、「回り込み機」は「固定砲台ガチタン」に強く、「固定砲台ガチタン」は「引き撃ち機」に強く、「引き撃ち機」は「回り込み機」に強いといった3竦みを形成している。
- これは通常プレイや対人問わず非常に効果が高い概念で、強力なu-ACの多くが上記いずれかに該当するかを見極めカウンターとなるタイプをぶつけることで高い確率で撃破ないし大ダメージを与えることができた。
- 1vs1は言うに及ばず、5vs5ではチーム内のパーツ重複禁止も相まって、何番目にどのタイプを置くかは重要な読み合い要素のひとつになっていた。
- 何より重要なのはこの構成が「わかりやすく」そして「組みやすい」ことである。複雑なACFFにおいて入門にうってつけの概念であり、対CPUや対人の如何を問わずまずはこれを覚えることが推奨されるほどであった。
- 当然ながらこの概念が全てではなく、慣れたプレイヤーが相性をひっくりかえしたり全く別のアプローチから殴りかかる様もFFの風物詩のようなものである。まずは基本を守れてこそ、それを破り、離れて別の天地へ向かうことができる、というのはFFでも変わることはない。努々お忘れなく。
- 以下各構成の概要
- 「回り込み機」
- 相手機の側面ないし背後を占位するよう構成された機体。
- 軽量さと旋回力が重視され、軽二や軽四に腕バズまたは両手マシンガンのような構成が多く見られた。短射程を呑んでも高い瞬間火力とタンク1機以上を始末できる総火力が求められる。
- 火力と軽量さの両立のため熱ハメ装備が同時採用されることが多く、FFの切り札ともいえるインサイドナパームはこの機体に採用される例が多いようだ。代替としては両手ガトマシや火炎放射器、ロケットが用いられていた。
- とにかく機動と攻撃ありきのため、AIキャパシティの「熱制御」「EN制御」といった項目への割り付けを減らして抑制的な行動を減らしつつアセンで補ったり、上述するビビり対策を兼ねてアヘッド系チップを多く採用する構成が主流。
- 高い火力と機動性を両立した機体は完成度次第では有無を言わせぬ猛チャージで「回り込み機」に対してカウンター返しすら決めてのける。肉食獣のように飛び掛かり相手を喰い千切る様はACという兵器の面目躍如たるところである。
が、その特性から耐久性の低さと継戦能力の低さは如何ともし難く、1vs1ならともかく5vs5の時はオーダー順によっては何もできず退場したり、閉所マップに送りに処されたりビビりで役割果たせず完敗などといった大きなデメリットも常に付きまとっている。
- ひたすら距離を取り側背面も取らせない「引き撃ち機」との相性は悪く、短射程紙防御のままWライフルやレザライと正面かつ遠間から撃ち合うことを余儀なくされ、弾を垂れ流した以外何もできず蜂の巣にされる様子はFFではまれによくある光景である。
- 「固定砲台ガチタン」
- みんな大好き重戦車。機動を捨てて火力と防御に振り切ったトラディショナルなガチタンスタイル。
- 重火器複数運用による瞬間火力と総火力の両立、高いAP・強力な防御と冷却による抗湛性による安定した、そして知らぬものの目にすら分かりやすい強さが特徴。
- 火力と熱量を併せ持つ主砲やLAMIA2(肩パルス)を中心に採用されることが多く、神バズで火力底上げしたタイプや左マシンガンで追従性を向上させたタイプなど多くのバリエーションが存在する。
- いかに基本的に旋回と冷却に不安を抱え、回避もままならない。故に有人機に滅多に採用されないであろう重ラジエータやターンブースタが採用されたり、効果は高いが人間では操作や管理が大変なエクステ迎撃レーザー+インサイドECMといった防御構成でも難なく攻撃と両立させ使いこなす。
- 完成度の高いタンクは相手を2タテ3タテしたり「回り込み機」がこちらの照準を振り切る前に叩き落して木っ端ミトコンドリアにしてしまう。圧倒的な火力で相手を粉砕する様はFFのみならずACのある種の「華」を余さず体現する。
- それもこれも相手をロックサイトに入れればの話である。開けたステージで「回り込み機」に側背面を焼かれてウドの大木呼ばわりされるガチタンを見ても決して嗤うべきではない。ただ不運だったのだ。
ちなみにFFにおけるこのアセンへの対策が「爆雷ミサイル」の僅少な存在価値の大半を担っている。
- 「引き撃ち機」
- 相手の正面方向に一定の距離を保ちながら射撃戦を行う機体。有人ACの引き打ちと変わらぬスタイルの射撃戦機。
- マシンガンなどの近接火器が届かない間合いから撃ち続けて勝利を拾う手堅いスタイルが主流だが、構成の柔軟性が高いことから他2タイプでは難しい役回りをこなすこともある演技派にもなりうる。
- 有人のAC対戦で主流になるようなフレーム選択がなされ、運動性・旋回・積載が重要視されるのは変わりがない。が、うまくAIを組めば一枚落ちるフレームでも同等の活躍が見込めるので腕の見せ所ともいえる。
しわ寄せっていうな
- 一方で火器関連は選択の幅が従来以上に広く、スタンダードなライフル中心のスタイルももちろん、CPU操作の特色である高いサイティング能力を生かしたNDサイト武器の採用や火力補助にロケットを採用するなどここでしか見れられないような異色な構成が現実的な選択肢となる。幅が広いゆえにアーキテクトの性格が最も出やすい類の部分でもある。
- 他2タイプとは異なり際立ったスタイルではないが、その柔軟性はアーキテクトの実力を端的に表す。完成度に勝れば「固定砲台ガチタン」相手に華麗な回避をしながら正面から撃ち勝つことも十分可能である。時には鮮やかに、時には意表を突く際立つ戦いぶりはフォーミュラフロントという競技の持つ芸術性を描いている。
- その柔軟性と引き換えに磨き上げるのは他2タイプよりも難しく、華々しいビジュアルに仕上げられた引き撃ち機が果敢に「固定砲台ガチタン」に挑んで消し炭になるのはFFにおいても変わらぬお約束である。