レイヴンACのアセンについて、概略を記す。
もし中古攻略本を探せるなら、ソフトバンク刊の『アーマード・コア3 オフィシャルガイドブック』は一冊押さえておいて損はない。



ACのつくりかた

ステップ1:コンセプトを決める

どんな戦い方をしたいのか、どんなパーツを使いたいのかをよく考える。

グレネードやガトリングガンをぶっ放したいなら重量級。
ミサイルカーニバルがしたいなら、最適なFCSとそこそこ動ける機動力。
『蝶のように舞い、蜂の様に刺す』高機動戦なら軽量級。

初めにコンセプトがしっかりしていれば、構築中に「どのパーツを変更していけばいいのか分からない」「このパーツは採用するべきか迷う」ことが少なくなる。

ステップ2:脚部を選ぶ

まず最初に脚部を決める。脚部はACの外見・戦術を決定づける、機体を象徴するパーツである
例えば、攻撃を避けることを重要視するのならば高機動力を獲得するために軽量2脚やフロート脚。
逆にどっしりと構え「やられる前にやる」というスタイルで行くのならば重量2脚やタンク型脚部がいい。

脚部の注目パラメータ

脚部別ガイドは後述する。

ステップ3:コア・ブースタ・ジェネレータ・ラジエータを決める

次に、脚部と並んでACの中核となるコアと、ACの心臓部である内装パーツ群を選ぶ。
コアは重量・防御力の両面でACの中核になる。そしていかにフレームが良くても中身が無ければただの箱。
ゲーム開始直後で資産がない時は、まずは内装から整えていくとよい。なお、内装パーツはSL以前とNシリーズで大きく基準が変わる。

コアの注目パラメータ

内装パーツ・SL以前の場合

内装パーツ・N系の場合

ステップ4:頭部と腕部を決める

コアと脚部に比べると重要度は落ちる。余った積載量で過剰性能にならないように決めよう。

頭部の注目パラメータ

腕部の注目パラメータ

ステップ5:装備とFCSを選ぶ

機体が完成したら、余った積載量の中で選ぶ。決めたコンセプトにしたがってちぐはぐにならない様に選ぶ事。
例えば、ブーストをガンガン使う高機動機にエネルギーを消費する武器は合わない。

「格闘用の高威力ブレード、近距離用のショットガン、遠距離用のマルチミサイル+高機動ミサイル、インサイドのロケット、エクステンションの追加ブースタも欲しい……」
初めはとにかく装備を盛りたくなるが、過度に汎用性を追求すると必然的に装備が増えて機動力や防御力が犠牲となり、最終的に機体バランスが崩壊する。最初のうちは、特定の距離に限定した武装を施すといいだろう。
「マシンガン+高威力ブレード+単発ミサイル」の近距離型、「ライフル+低燃費ブレード+ミサイル2種」の中距離型など。

最終的なサイトの広さはFCSと武器のサイト特性による為、FCSはこの段階で選ぶ。
必中の狙える距離で逃げられにくい「WS(広角)」タイプFCSが扱いやすい。
ミサイル適正や、特定のミッションへの対策で「FS(横長)」「ST(標準)」「ND(遠距離)」タイプのFCSを選択する形となるだろう。

ステップ6:オプショナルパーツ(OP)を選ぶ

シリーズごとにOPの性能は違うため、各解説ページを見て吟味してほしい。が、シリーズを通したある程度の傾向は存在する。

多数のOPを装着したいがためにスロットが多いコアを装備するのは本末転倒。OPはあくまでもおまけであることを忘れないように。

ステップ7:テストする

出来あがったACを「ACテスト」で動かして、問題点がないかチェックしてみよう。
動かしづらいのであれば、再びガレージに戻り、原因となるパーツを交換して再度テストをしてみよう。

ステップ8:実戦投入・フィードバック

上記で構成したアセンブリを次回の機体構築時に生かす。
「こういう機体を作りたい時は○○に気をつけてアセンブリすればいいのか」というのが分かってくれば、あなたのアセン知識は一歩前進。

脚部別ガイド

中量二脚

上半身の構成次第で機動力重視になったり装甲重視になったりと、構築の幅が広い。Nシリーズでは余剰積載システムのおかげで軽量二脚を凌ぐ機動力になることもしばしば。
初心者でも扱いやすいが、明確なコンセプトを持たせずにアセンブルを行うと「全てが水準を満たしていない器用貧乏」に陥りやすくなる。火力寄りか機動性寄りか、ある程度の方向性を持たせると良い。
高い潜在能力を秘めているが、それを引き出すのは難しい。極めようとすると最も奥が深い。

ミサイル、ロケット、オービットキャノン以外の背中武器は構えないと撃てない為、背中武器は基本的にこれらの中から選ぶことになる(これは二脚系、逆関節、フロートに共通)。

軽量二脚

文字通り中量二脚よりも軽く高機動。反面積載量は少なく、装甲も薄い。全体的に旋回性能が高く速度が出るので、死角を取る張り付き戦を行うアセンブルに向いている。
反面、防御性能が低く武器も多く積めないため、撃ち合いには向かない。軽二から機動性を取ると何も残らないので、装備は厳選する必要がある。明らかに上級者向けの脚部。

SL以前では有脚型の最終到達点とも言えるポジション。一方Nシリーズでは積載余剰ボーナスの煽りを受け、中二に直線スピードで負け旋回性能の優位も僅か、ということになりがち。

重量二脚

文字通り中量二脚より重く重装甲。積載量も豊富で大火力と機動力を両立しやすく、撃ち合いに向く。燃費は中二に劣るが、操作が簡単で耐久力もあるので、初心者にオススメ。
あまりに重武装・重装甲路線に傾くと「タンクでおk」になる。引き撃ちが出来る程度の機動力を確保しておきたい。

「中量二脚で賄える上半身にあえて重量ニ脚を当てる事で、防御力を犠牲にしてある程度の速度を獲得する or より火力を強化する」ことも可能。

逆関節

操作感覚は人間型2脚とほぼ同じだが、素ジャンプの到達高度が高く、消費ENが少ない。それを活かした3次元戦闘や、EN武器を主軸にしたスタイルに向く。安定した操作性を持ち、幅広いミッションに対応可能なAC入門にお勧めの脚部。
難点はパーツ自体が重く、その割に積載量が少なめである点。防御力も同じ重さの人間型ニ脚と比べると劣る傾向にある。背が高いので、四脚やタンクなどの背が低い相手にはブレードや光波を当てにくい場合がある。

SL以前とそれ以降で傾向が異なる。

四脚(AA以前)

接地状態ではキャノンが使用可能。地上での通常移動速度は速いものの、地上ブーストダッシュが出来ないフロートに近い操作感覚であるため、地上戦が基本となる。
難点はEN消費が高い事。更に重量の割に積載量が少なく、あまりキャノンを積めない。地面を跳ね、隙あらば地上を滑って高火力の一撃を狙っていくことになる。

3系以降の四脚にも当てはまるが、必ずしも四脚にキャノンを積む必要はないと考えておこう。
無理にキャノンを使おうとすると機体バランスが破綻することが多い。時にはキャノンを諦めることも重要。

四脚(3以降)

ホバー機構が廃止され、2脚と同じ操作性を獲得。かなり使いやすくなった。

逆関節と同じく重~中量級と軽量級に分かれているが、性質は大きく異なる。特にN系以降差が大きくなりがち。

タンク(戦車型・車両型)

見た目通りの重装甲と積載能力を兼ね備え、キャノンの発射制限が一切無い。代償として機動力が非常に低く、ブーストダッシュ不可。機動戦を挑まれると何もできないため、火力と装甲にモノを言わせ「やられる前にやる」のが基本戦術となる。
かといって余りに重装甲・高火力路線に徹すると完全な「鉄の棺桶」になってしまう。OBやターンブースタを装備するなどして「最低限の移動力」は確保しておきたい。「機動力を全く考慮しない」のはご法度。
派手に動き回れない=動き回る必要があまりないため、操作の大半をサイティングと攻撃に集中できる。実は初心者がゲームに慣れるにはもってこいの脚部。

足回りの形によって「無限軌道(いわゆるキャタピラ)型」と「ホバー型」の二種類に大別される。2以降、この二種類の差は大きくなる傾向にある。

N系の対戦ではホバタンが(というよりクレホバが)環境を席巻したため、LRでは全てのタンク型が大幅な下方修正を受けた。旋回性能やブースター性能が悪化し、ミッションでも以前の様には使えなくなっている。

武器腕とは相性が良くない。タンクは元から重いため、武器腕を選んだ程度ではあまり機動性は改善されない。折角の積載量を無駄にするばかりか防御力も下がるだけ。

フロート(2以降)

軽量二脚以上に装甲、積載能力が低く、より速い。
反面、操作の癖が非常に強い。ブーストジャンプは不可能で、行動には慣性が付きまとう。武装も軽量二脚以上に絞る必要がある。
全脚部中で唯一、水上を移動できるため、一部ミッションではこれを使うだけで難易度が激減する。
扱いは難しいが、マスターできれば他の脚部を圧倒する速度で動き回れる。無限ダッシュテクニックの習得は必須。

LRではシステムの関係上他のシリーズ以上に扱いが難しく、中途半端なアセンブルでは機体自体が産廃となってしまうため、アセンブル以上にプレイヤーのテクニックが重要となる。特に熱周りが厳しく、採用にはかなり勇気がいる。


各種アセン知識

防御係数/ダメージ係数(SLまで)

(PS三部作~)2系~3系に存在する隠しパラメータ。
非常に大雑把に言ってしまえば、ゲーム中の防御力の数値はダミー。実際のダメージ計算の際には、防御力を基に算出された防御係数という値を用いる。

+  計算式

平たく言うと防御力が50上昇すると防御係数が1上昇する。つまり、防御力を50刻みで上げていかないと、ダメージは思ったほど変わらない。

防御力上昇OPが必須扱いされるのは、この防御力と防御係数の関係が理由。
防御力(見せかけの値)の1.15倍というのが、防御係数(実質的な値)においては計算上の都合で1.3~1.6倍にもなるため。
OPスロットをたった1~2消費するだけで実質的な防御力が30%~60%も上昇するのだ。
(防御OPを装備できない3系の強化人間が脆い理由でもある)

先に説明したように、頭部パーツの防御力にこだわる理由はあまりない。
コア・腕・脚を先に決め、残した頭は係数調整という形で適当に選ぶため。


アーマード・コア シリーズ/AC若葉講座 PS・PS2タイトル編