Written by 独鴉
オリジナル・・・
オリジナル任務・・・レイレナードの亡霊と十字架・・・
元レイレナード占有領域 高山地帯兵器開発工場跡、静かに一機のネクストが半分以上崩れた整備場で眠っていた。
周囲の自動整備機器が機体を修理し、装甲板や間接部の調整・交換が行われていく。
人影は一つも無く、ただ静かに機械が機体を修理しているだけだった。
「標的情報ノ確認、NO23 クロスノ所在地特定完了」
光の消えたコックプット内の人影は動く気配も無く、今までの戦闘映像が繰り返し表示されていた。
オーメル・サイエンス・テクノロジー・・・リンクス研究所
アーリヤとライールの混合ネクストが一機、研究所から少し離れた場所で待機していた。
襲撃してくるだろう不明ネクストを迎撃し、サンプルを回収するためネットワークに演習を行うと情報をわざとリーク、
暗号を解読した標的が襲撃してくるのを待っていた。そして演習開始時刻、想定どおり所属不明ネクストが戦闘エリアに姿を現した。
「標的ヲ確認、ナンバー23 リバース・クロス及びリンクス 不知火ヲ確認」
狙われていたのはオーメルに飼われている元レイレナードのナンバー23、オッツダルヴァとは違ってオーメルの暗部、
非常時の暗殺や重役の護衛に当たる役目をおっていた。
「ナンバー29 エラーコード、そしてネクスト ファントムグレイ この亡霊め」
全企業から所属不明ネクストとして確認されていた機体はレイレナード所属ナンバー29のリンクス エラーコード、
そしてそのネクスト ファントムグレイ。所属企業が壊滅した現在でも与えられた任務に従い、
リンクス戦争中にレイレナードを裏切りオーメルに着いたクロスクロイツを追い続けていた。
「殺したいところだが、命令なんでな。解体したあと回収してやる」
レイレナード製の逆関節にオーメルの最新パーツを搭載したネクスト リバース・クロスはファントムグレイに武装の照準を合わせる。
MBを点火すると逆関節を利用して跳躍、上空から不明ネクストを見下ろす体制に入ると打ち下ろすようにMP-0901 ミサイルとAR0700突撃ライフルの攻撃がファントムグレイに襲い掛かる。
空中を舞うリバース・クロスの攻撃は地上を這うように走るファントムグレイでは対処し辛く、戦闘が始まってまもなく立体的戦闘を取る不知火の方が有利に戦闘を進め始めた。
「戦術プログラムノ変更、接近戦ニシフト」
左手に持つMARVEを捨てるとOGOTOを担ぎ、BQBで後方に下がりながら射角を広げて捕らえようとする。
しかし高度を保ったままMQBを点火し距離を取らせず、情報を取る優位な維持しつつPMミサイルと0700ライフルの攻撃が継続して行われる。
地上を駆け旧ACに近い戦闘方法を取るファントムグレイと、ネクストのもつ空中機動性をフルに利用した
三次元戦闘を取るリバース・クロスとは相性が悪かった。地対空では地がどうしても分が悪く、
相当の訓練を積んでも上空を見ながら周囲の状況に注意しつつ攻撃を行うのは簡単ではない。
「対処戦術プログラムノ修正完了」
左背のOGOTOと左のMARVEをバージすると機体を軽量化させ、MBと跳躍を利用して高度を上げると
MARVEを連射しながら接近。PAを貫いてリバース・クロスの攻撃が装甲を削り取っていくが、構わず距離を
つめることでMARVEの弾丸が当たり始める。しかしオーメル製の突撃ライフルはMARVEの発展型、
ほぼ同等の連射速度とレーザバズーカの破壊力はファントムグレイの装甲を容赦なく削りとっていく。
「相打ち狙いの特攻などさせるとおもうのか?」
リバース・クロスのPAが収縮しミサイルとレーザー、そしてAAによってファントムグレイが光に飲まれた。
展開された衝撃波に押され地面に落下すると動かなくなり、コジマ粒子がPA発生器部から漏れ始めていること
からすでに機体の戦闘機能が停止状態近いことが解る。
「無様だな29、所詮お前はAMS付加実験の失敗作だ」
AMS適性は先天性故にリンクスは限られるため戦闘への向き不向きは重視されず、高いAMS適性を持ちながら
戦闘を嫌っていたメノ・ルーなど問題は少なからずあった。逆にドン・カーネルのように戦闘を熟知した者でもAMS適性が
低ければ動きは鈍く、酷い激痛や苦痛に耐え戦闘を行わなければならない。
だがレイレナード末期一部の施設では後天的にAMS適性を付加する技術が研究されており、研究所や技術者を丸ごと
吸収したオーメル・サイエンス・テクノロジーは研究を発展させていた。そしてカラードランク23だったリンクス 不知火は
高いAMS適性を与えられ、オーメル製の特別な武装までも与えられる立場にいた。一方エラーコードと呼ばれたリンクスはAMS付加に
は成功したものの、AMS付加施術の未完成故に人格が崩壊し新たに刷り込まれている。
リバース・クロスは突撃ライフルを捨てると左手でファントムグレイの頭を掴むとレーザーバズーカの照準を
左膝間接に合わせトリガーを引いた。PAを失ったネクストの装甲はノーマルと大差なく粉々に接合部を打ち砕かれ四散、
自重を支えるものが無くなりその場に膝をつくような形になってしまう。
「ばらばらにした後回収して研究所におくってやる」
オーメルとしてはレイレナードのAMS付加実験の成功例としてエラーコードをサンプルとして欲しがっていた。
その為態々情報までリークしてオーメル管轄領域まで誘き寄せ、公式には存在しないネクストとリンクスを使用したのだ。
「機体状態レッド、回路開放」
機体が酷い損傷を負っているにもかかわらず、コックピット内の人影は焦っている様子は無い。淡々と機体状況を確認し
実行し得る最良の選択、不要なエネルギー供給回路を遮断しレーザーブレードに供給ラインを変更。強烈な光と共に
レーザーブレードの発生基部が溶解し、強烈な光を放つレーザーブレードを形成したが腕のEN供給回路が一瞬で焼ききれてしまい
リバース・クロスのコア装甲を若干切り裂いただけだった。
「面倒をかけてくれるなよ」
リバース・クロスは左腕にレーザーバズーカを押し当てトリガーを引くと膝間接部と同じように打ち砕かれ粉々に飛び散ってしまう。
「接触距離ト確認」
ファントムグレイのAAが展開され光と衝撃波が襲い掛かるが、異常状態で放ったAAは不完全な為大した威力は無い。
しかしリバース・クロスのPAを消失させ視界を奪いには充分であり、光が周囲を覆っている中右背のOGOTOの薬室から
まだ使用されていない砲弾が輩出され、ファントムグレイは右手に掴むとリバース・クロスのコア損傷箇所に叩き付けた。
爆発によってファントムグレイの右腕は消し飛んだ上に弾き飛ばされ地面に叩きつけられたが、同じように弾き飛ばされた
リバース・クロスのコアには大穴が穿たれておりコジマ粒子が大量に漏れ出していた。
正確にレーザーブレードによって装甲に開けられた隙間にグレネードを直接押し込まれ、ノーマルACやMTなど一撃で
破壊する爆発の衝撃をほぼ想定外の角度と装甲内部から受けたLAHIREの装甲は耐え切ることは出来なかった。
ファントムグレイは背部と残った右足補助ブースタを使用して機体を起すと、リバース・クロスの近くまで移動、
コアが完全に破壊されていることを確認した。
「不知火ノ死亡確認、任務完了…。帰還不可能ノ為機密保持プログラムヲ実行」
不明ネクストはコアを中心に爆発し四散、パイロット確認が不可能なほどばらばらになりオーメルが欲しがっていた情報が手に入ることは無かった。
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>- 続きキター。w リンクスは心配だけど、なによりここのチャンプスがかなり好きなので出番が多くて楽しかったです。w -- サイキライカ? 2011-12-10 (土) 12:50:08
物語りも終盤を超えて…これから彼はどうなるんでしょうねぇ。。。
>- MUDANといえばトリケア 再登場は? -- 2011-12-22 (木) 23:22:05
もちろん再登場しますよ。そういえばトリケアとリバードライブってコンセプト近いですよねぇ…。戦うとどうなるのかなぁ…