Written by 独鴉


臆病なダンが何故セレブリティ・アッシュを駆るのか。


カラード独立傭兵整備場・・・
 僚機依頼を受けたダン・モロは、セレブリティ・アッシュの最終整備が終わるのを待ち、整備場の隅に置かれているソファーで
漫画を読んでいたのだが、いつの間にかうとうとと寝てしまっていた。ソファーで寝ているその姿はなんとも無防備なもので、
彼が選ばれた存在であるリンクスとは到底思えない。どのクレイドルにもいる好青年にしか見えないのだが、
彼もリンクスとして戦う理由を持っていた。
 
 
 

今から数年前…
 GAのネクスト訓練場の通路を若い青年が歩いていた。白衣を着た技術者や整えられた軍服を着る兵士たちばかりの訓練場、
その中をジーンズとジャケットのラフな格好で歩いている若者の姿は余りにも場違いだった。通り過ぎる技術者や警備員は
一瞬青年を見るものの、青年の胸に付けられているカードを見るとすぐに自らの仕事に戻っていく。

「ダン! 何しているの!」

 そう、この場違いな若者の名はダン・モロ、数年後にはGAサイドの独立傭兵として活動を始めるが、今はまだ
GAネクスト訓練場所属の一訓練生だった。

「んぁ?」

 間の抜けた顔をしながらダン・モロが振り返る。今よりも幾分若いその顔には僅かに幼さが残っていた。声の主はダン・モロと
同い年くらいと思われる赤髪の女性だったが、GA製のリンクス用パイロットスーツ着ていた。ノーマルAC用パイロットスーツに
近い旧式のリンクススーツなのだが、サイズが合っていないのかスーツを着ているのか着られているのか良くわからない姿だ。

「ありゃ? ラインちゃん非番なのに自主トレしてんの?」

 ラインと呼ばれた女性は一般的な女性よりも小柄で、ダンを若干見上げながら言葉を続けるが少し呆れた表情を浮かべていた。

「昨日ローディー様とメノ様が特別に、トレーニングを見て下さると連絡があったじゃない。集合時間まで時間もうないわよ」

 リンクス戦争を生き残ったローディーと、撃破されたことによるAMS負荷によって搭乗不能のメノ・ルーは、
新規リンクスの教育者として活動していた。今日予定されていた特別訓練があることを思い出したのかダン・モロの顔が青ざめていく。

「やっべぇ! すっかり忘れてた!」

「あと10分でいつものトレーニングルームで始まるから急いでよ」

 ダン・モロは更衣室のほうへと駆け出していく。その後姿をラインは呆れながら残り時間を伝えると
足早にトレーニングルームに向かっていった。
 
 
15分後…トレーニングルーム…
「遅くなりました!」

 トレーニングルームに入るとローディーとメノ・ルーの前には、先ほどダンに声をかけたラインとチャンプスが横並びに
立っていた。二人とも呆れながらダンを見ると小さくため息をつく。

「ダン遅いぞ」

「次からは気をつけてくださいね」

 ローディーは少し眉間にしわを寄せているが、メノ・ルーは優しく微笑んでいるだけだった。ローディーに怒鳴られるよりも、
自らのど忘れを微笑で許されることはダンにも心苦しいものだ。

「ローディーの旦那、メノ様、申し訳ないです」

 ダンは丁寧に頭を下げるとチャンプスの横に立つのを確認するとローディーは口を開いた。

「さて、諸君らの基礎訓練はすでに終わり、5日後のミッション指令はすでに受けていると思う。その為今回は実戦訓練に備えて
アセンブルをおこなってもらう。GAグループ製であることはもちろんだが、最近グループに加わったBFF系も選択可能だ」

「自分の特性に合わせて組み上げて下さい。もちろん他企業も必要最低限なら許可しますよ。
では私達は15分後に戻ってきますのでそれまでにお願いしますね」

 ローディーとメノ・ルーがトレーニングルームから出て行くと、個々の端末に座りアセンブルを始める。そんな中、前もって何も
考えてなかったダンはチャンプスのアセンブルを覗き込む。

「…ダン、何をしている」

 チャンプスはダンの気配に気付いて振り返るとダンは苦笑しながらアセンブルを考えてこなかったことを話した。
苦笑いするダン・モロに呆れながらチャンプスは端末の前に止めてあった一枚の紙を手に取る。

「いくつかのアセンブルのメモだ。参考にするといい」

 ダンに紙を渡すとチャンプスは自分のアセンブルに戻った。

「サンキュー チャンプスの旦那」

 ダンはチャンプスから受け取った紙を手にラインの端末を覗き込もうとする。

「私の機体はこれよ」

 先ほどのやり取りを聞いていたのか、まだ聞いても居ないのにラインはダンのほうを振り返ると組みあがったネクストの映像を指差す。

「私のネクスト セレブリティ・アッシュよ!」

 アセンブルはすでに完成しているのだが、カラーリングが派手な上にGAグループではないパーツもいくつか組み込まれている。

「派手…というか、古めかしい?」

「機体の参考デザインはこれで、エンブレムはこれ」

 ラインは何かの資料とコミックの表紙をダンに見せる。

「MBVテム・・・いや、真似はまずいって」

 もう一つのコミックの表紙には、マスクをつけた全身青いタイツを着た男が赤いマントを着用している。
さすがに表紙を見ただけで内容の判断はしきれないが、なんとも言いにくい絵だった。

「…ヒーローか? これ」

「セレブリティ・アッシュ! 古いコミックだけど実は」

「あっ、よくわかったわ。サンキュー」

 長引きそうな話なので途中で切り上げるとダンは自分のアセンブリに戻ろうとする。

「ちょっと、最後まで聞きなさいよ!」

 まだ話し足りないのか、ラインはダンの肩を掴みイスごと引き寄せる。

「まだアセンブルが終わってないんだ。勘弁してくれ!」

 ダンとてラインが話したい気持ちも解らないではなかったが、間に合わなければ怒られるどころの話ではない。

「ここからが大事なの!」

「まだ始まってなかったろ!」

「うるさい。静かにしろ」

 静かだが気迫のこもったチャンプスの言葉に二人は自分の作業に戻った。

 この頃はまだダンはサレブリティ・アッシュのリンクスではなく、ヒーローに憧れる女性リンクスのネクストとして産まれた。
 
 
 
3日後・・・
「今回貴官らのオペレーター及び戦術指示を下すエンリケ・エルカーノだ。今回の任務はGA領域内鉱山基地を占拠している
不法武装集団。ノーマルACと旧式だが大型兵器を保有している。ネクストACならば充分排除可能だ」

 各自コックピットの中でAMS接続を完了し、いつでも出撃可能な体制でエンリケからの指示に耳を傾けている。

「最終確認だ。全員私の声が聞こえるか?」

「聞こえています」

「状態良好、聞こえています」

「聞こえてますよっと」

 全員からの反応を確認するとエンリケは新たな情報が追加された地図を送信、統合制御体は受信した情報を展開し、
リンクス達がイメージしやすいよう航空写真との合成を行う。

「初戦故に独立傭兵部隊をサポートに雇っている。危険を感じたなら地図に記載されている奴等に任せて退いて構わん」

 エンリケが各自に転送した戦略データには30機近くのノーマルAC部隊が待機している地点が記されていた。ノーマルとはいえ
訓練を終えたばかりの新人リンクスでは少々二が重いかもしれない。そうエンリケは考え、ノーマル傭兵部隊を後方に展開させていた。

「皆死なないように気をつけて! 先陣切るわ!」

 エアキャリアー下部ハッチが開かれると、ラインのセレブリティ・アッシュが姿を現し、ブースターでゆっくりと降下を始めた。
だが企業の攻撃が始まったと気付いた武装集団のGAEUM‐QUASARの照準はエアキャリアーへと向けられた。非武装機である
エアキャリアーへの攻撃は企業連及びカラードで禁止されているが、不法武装集団にとってそんなこと関係ない。砲撃及びミサイルが
エアキャリアーに集中しているのを気付いたラインは降下を一旦取りやめ、セレブリティ・アッシュはブーストを点火し、
エアキャリアーと敵部隊との射線軸に割り込んだ。

「早く下がって! そのままじゃ撃墜されるわよ!」

 いくらネクストにはPAがあるとはいえ、完璧なものではない。増していくAMS負荷と損傷に耐えながらセレブリティ・アッシュは敵部隊に向かっていく。

「ダンいくぜ!」

「出撃する」

 SSL2機がセレブリティ・アッシュの後を追うように降下、ブースターで降下速度を落としながら
着地すると敵部隊から砲撃が襲い掛かってくる。

「ちょっ、いきなりかよ!?」

 激しくPAを瞬かせながら装甲を傷付けていくが、急に攻撃が止み連続した爆発音が離れ場所で起きる。

「大丈夫!?」

 セレブリティ・アッシュはノーマルACの射撃の中を掻い潜り、ダンとチャンプスに向けて砲撃を行っていた
ソーラウィンドウをレーザーブレードで切り倒していく。

「あっ…あぁ、サンキュー助かったぜ」

「大丈夫なら前に出て! 数が多過ぎる!」

 小ジャンプブーストや左右への蛇行を加え、セレブリティ・アッシュはノーマルACの攻撃を回避しながらライフルで攻撃を繰り返し、
一機ずつだが確実に敵の数を減らしている。その動きは到底ネクストACの機動と言えたものではないが、低くは無いAMS適性と
バランスの取れたアセンブルはノーマルAC相手に十二分に力を発揮していた。
 
 
 
 その頃エンリケ・エルカーノは後方の指揮所で戦況を確認していた。

「順調に進んでいる。この様子ならNSS計画も順調に」

 一息つけるかと安心し掛けたとき、レーダーに新たな敵影反応が表示された。単機であることと移動速度からネクストと
すぐに確認が取れたが、正確な情報との照合を行いエンリケの顔はみるみると青ざめていく。

「これは……」

 敵増援を想定していなかったわけではないが、想定外と片付けていい相手ではなかった。

「馬鹿な! 奴が雇われている情報などなかったぞ!」
 
 
 
 すでにクラースナヤと交戦状態になっていた3機のネクストの中で、もっとも動きの鈍いチャンプスが集中攻撃を受けていた。
その中エリンケから相手がクラースナヤであることが伝えられるダンは取り乱しだした。

「クラースナヤ! あの天才!?」

 当時クラースナヤは登録されてあまり時間はたっていなかったが、すでに天才と呼ばれ次々とカラードランクを
更新していた。初任務の3人が勝てる相手ではない。

「俺は死にたくねぇ! 退却だ! 退却しようぜ!」

 ダンが退却というのは臆病から来ているのかもしれないが、天才といわれているクラースナヤのハリ相手に勝算などあるわけがない。

「私だって逃げ出したいわよ。手も足も震えて、逃げたいって言ってるのが判るもの!」

「じゃぁなんでにげないんだよ! 勝てるわけないだろ!」

 チャンプスの駆るSSLの左肩装甲板が弾け飛び、左腕の駆動系がむき出しになる。さすがのGA製とは言え徹底した
集中銃撃には耐えられるわけが無く、膝から崩れ落ちるようにSSLは地面に倒れこんだ。

「味方を見捨てて逃げるなんてヒーローがするわけにはいかないでしょ!」

 誰かを救うヒーローになりたい。それがラインのリンクスになろうとした理由だった。
ラインはオーバードブーストを起動し
クラースナヤに向かっていく。止めを刺そうとしていたクラースナヤは接近してくるセレブリティ・アッシュに気付き、
BFFライフルを捨てると脚部の装甲が開かれる。火力と弾数のバランスが取れているBFFライフルだが、対実弾性に優れる
GA機を一機落とすのでほぼ限界だった。脚部まで下げられた両腕に格納ブレードが装着され、白兵戦主体の戦闘スタイルに変更になった。
 ラインはクラースナヤの意識が自分に向いた事がわかるとオーバードブーストを停止、距離を取って戦えるよう
CHEYENNE01分裂ミサイルとライフルを構え600の距離を維持するよう左に進行方向を変えた。
ライフルと分裂ミサイルは命中率が高く回避しにくい。しかし追尾性能の高いMSACのミサイルはクラースナヤを
追いかけようと旋回するが、高機動のアーリアには付いていけない。しかし僅かにだが相手の動きを制限することには
繋がっていた。BFFのベーシックライフルはアーリアのPAに接触し、緑色のフィールドを瞬かせている。

「もう少し! もう少し持って!」

 アーリアはその機動性を保つ為、フレームとブースターのEN消費が激しい一面を持っている。かならず息切れを起こし
動きが鈍るはずだ。だが、OBの発動による激しい光を放ち、一瞬の間をおいてレーザーブレードの間合いにセレブリティ・アッシュを捕らえる。

「くぅっ!」

 左クイックブースタフル点火の衝撃がコックピット内を襲い、すぐ真横をクラースナヤが高速で通り過ぎていく。コアを
狙ったクラースナヤのブレードは左腕のBFFライフルを切り裂いただけに留まった。ライフルを捨てると機体を身軽にし、
ミサイルを発射しつつ後方に下がりながら空中へと機体を逃す。地上よりも空中の方がEN消費量は必然と多くなり、
クラースナヤのEN管理はますます難しくなるはずだった。クラースナヤはセレブリティ・アッシュを追いかけ空中へと舞い上がる。
 クラースナヤを駆るハリとて相手の誘いは理解していたが、短時間しか高AMS適正を維持できない以上ある程度のリスクを
負ってでも早期に敵ネクストを撃破しなければならない。そのためセレブリティ・アッシュの動きが鈍いと分かったハリは
ブレードを構え一機に接近していく。
 クラースナヤがクイックブースタを点火したタイミングにあわせセレブリティ・アッシュもまたブレードを発生させ振り被った。
ブレードレンジの長いEB‐R500レーザーブレードとクラースヤナの持つ格納用EB‐0600ブレード、同じタイミングで
振るったとしてもレンジの長いブレードを持つセレブリティ・アッシュの方が致命的損傷を与える可能性がある。その事をラインは
計算し反応速度や経験などを補う為は自分が出来る最高の攻撃を行った。

「そんな…」

 最高のタイミングだった。並みのリンクスなら確実にコアを切り裂き勝負は付いていた。だが、クラースナヤは
コアを僅かに削る距離でバックブースタを点火し急停止、セレブリティ・アッシュの一撃を回避して見せた。
 ラインは絶望の声を上げながらもセレブリティ・アッシュは左のクイックブースタを点火し、クラースナヤの
ブレード範囲外に逃れようとする。しかし十分過ぎる程に接近していたクラースナヤのレーザーブレードは
セレブリティ・アッシュのコア装甲を貫き、コックピット内まで貫いていった。身を焼く激痛とAMS負荷に
一瞬意識を失い、空中から落下しながら廃ビルに激突してセレブリティ・アッシュの動きが止まる。動かなくなった
セレブリティ・アッシュを眼下におさめながらゆっくりとクラースナヤは降下、着地するとセレブリティ・アッシュに
歩いて向かう。まだ稼働時間に余裕がある事と周囲に敵が居ないため心に余裕が生まれているのだろう。

「うっ…」

 コックピット内で鳴り響く警告音と激痛にラインは意識を取り戻し、目を開けるとAMSが解除されているのか、
ひびの入ったパイロットヘルムが目に映った。正面ディスプレイを見るとゆっくりとだがクラースナヤが向かってくる姿が映っている。

「戦わなきゃ…」

 ラインは手動操作に切り替えるため、コックピット左側に設置されている入力装置を操作しようとしたが、何故か
左手の感覚が何もない。その時視界の隅にコックピット左側に伸ばしているはずの左手が操縦桿を握ったままの姿があった

「あぁ、もう」

 コックピットをレーザーブレードが貫いたとき、左腕と肩をレーザーが焼き切っていたが、幸か不幸か高熱によって
焼け焦げた部位によって出血は止められていた。

「動いてよ…アッシュ」

 ラインが死を覚悟したとき、クラースナヤのレーザーブレードがセレブリティ・アッシュのコアに向けられた。

「くそぉぉぉ!」

 突如として上がった絶叫と爆発音にクラースナヤは動きを止めた。クラースナヤから1300ほど離れた廃ビルが
爆発と共に崩れ落ち、逃げたはずのダンが搭乗するサンシャインL型が姿を現す。すでに起動してあったのか
オーバードブーストの光を発しクラースナヤに向かって突撃していく。

「ダン!?」

 ラインが驚く中、ダンは絶叫を上げながらバズーカを乱射、バズーカ弾はPAを削り霧散させるもののクラースナヤに一発も
直撃することはなく、悠々とクラースナヤはバックブースタで射線軸から外れ機体を旋回させダンのネクストの方に向き直る。
溢れ出てくる恐怖で半狂乱になっているダンに冷静な判断も行動をとる余裕などなく、馬鹿正直に真正面からバズーカを乱射し
ながら突撃していくだけだ。クラースナヤは十分な余裕を持って直線に向かってくるSSLのコア目掛けブレードを振り被った。

「うぁぁぁぁ!」

 クラースナヤの持つ二つの小型レーザーブレードはPAを切り裂き正確にGAコアを突き刺した。だが、ダメージを受けていない
GAの装甲を貫くには余りにもその出力は低すぎた。超重量を誇るGAネクストの体当たりと受けたクラースナヤはダンの
ネクストごと廃ビルへと叩きつけられる。PAを失った状態でのこの体当たりはアーリアの装甲には耐え難いものだった。
体当たりを受けた周辺の機体装甲板がひしゃげ、間接部からは火花が散っている。これ以上の戦闘は無用と判断したのか
クラースナヤはブーストで廃ビルの残骸を砕きながら逃れ、投棄したBFFライフルを掴みOBで離脱していった。
 それから5分もしない内に到着したGA部隊によってラインとダンは救出された。チャップスはコアが無事だった為、
AMS負荷の様子見と合わせて二ヶ月の入院で済み、ダンは軽い手当てだけですぐにラインの元へと急いだ。低出力の
小型格納ブレードとはいえ、コアに突き刺されたラインは重症だった。コックピット内に流入した戦闘レベルのコジマ粒子から
身を守るヘルメットの欠損、吸引したコジマ粒子と失った腕の肉体的ダメージは延命が精一杯の状態だった。ダンは日々衰弱していく
ラインを見ながら自らの無力と目指していたヒーローの話を聞き、彼女が死んだ後代わりにセレブリティ・アッシュに搭乗、
戯画だったとしてもヒーローとしてクレイドルの子供達に夢を与える覚悟を決めた。
 
 
 

 
「ダン・モロ!」
 
 突然の声に目が覚めたのか、ダンはソファーから身を起こす。寝ぼけた目をこすると見慣れたオペレーターが
眉間にしわを寄せてソファーの前に立っていた。

「ん? あぁ、わりぃちょっと眠っていたみたいだ」

「寝るのは勝手ですが、予定時刻に遅れると相手のオペレーターに怒鳴られます。急いでください」

 ダンはジャケットを羽織ると足早に通路に向かっていく。ストレイド、彼ほどの実力を持っていたのなら大事な友人を
失わずに済んだのかもしれない。そう思うとダンは昔と変わらず自分が無力な事を痛感してしまう。

(俺はヒーローの器じゃないが、やれるだけやってみるさ)

 ダンがセレブリティ・アッシュを見上げると機能を停止しているはずのカメラアイが一瞬光ったような気がした。


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