小説/長編

Written by えむ


 クラニアム内での戦闘は続いている。
 ウィン・D・ファンションの駆るレイテルパラッシュとトーティエントのグレイグルーム。その両機の戦いは、迷うことなくウィン・Dが押していた。通常よりも範囲の広いアサルトアーマーに最初こそ圧倒されかけたものの、それだけ。それ以外の装備がマシンガンとブレードのみと言う近距離戦向き装備なトーティエントに対し、レイテルパラッシュの得意レンジは近~中距離。脅威となるアサルトアーマーも近づかなければどうということないため、距離を保っての射撃戦にて優位に立つ。
 だがトーティエントもトップレベルのリンクスだった男だ。そんな状況にありながらも機動力を生かし、レイテルパラッシュの攻撃を回避し、隙あらば必殺の一撃をあてようと仕掛けてくる。ヒット&アウェイの見事としかいえない動きに翻弄され、レイテルパラッシュは優位ではあるが苦戦を強いられていた。
 そしてロイ・ザーランドのマイブリスとヴァオーのグレディッツィア。こちらはこちらで激しい撃ち合いが繰り広げられている。ガトリングとハイレーザーが間隙なく飛び交い、第三者が割り込む隙間すらない。回避行動を取りつつ攻撃を仕掛けるマイブリスだが、凄まじい弾幕によって確実に機体ダメージが積み重なっている。それに対し、グレディッツィアは回避行動をほとんどとってはいないが、持ち前の装甲の厚さによってダメージが通りにくいのをいいことに攻撃を確実に浴びせていた。しかしマイブリスが装備しているデュアルレーザーによって、こちらも確実にダメージを入れられており、戦闘はまさに削り合いと化している。
 両機共に、戦闘の行方がどうなるかはハッキリしないまま時間だけが経過しているのが現状だ。
 そして、もう一組。
 レックスのフォートネクストと、メルツェルのオープニングの戦闘も続いていた。





 フォートネクストがオーバードブーストで突撃を仕掛ける。タンク機とは言え、オーバードブーストの加速は決して遅くはない。相手はガトリングとグレネードのクロストリガー状態。ガトリングで牽制し、至近距離で当てようと言う魂胆か。いや彼がそんな馬鹿正直な戦い方をするはずがない。
 これまでのレックスの戦いのデータを思い出し予測を立てる。意表をつくことで戦闘を優位に持っていくのが彼の戦い方の基本。正面からこちらの攻撃に突っ込みつつ攻撃するような相手ではない。となれば――オーバードブーストは布石に過ぎない。
 フォートネクストが迫った。だがある程度の距離を進んできたところで、すぐさまオーバードブーストをカット…と同時に後方へとクイックブーストをかけ、強引すぎる急制動をかけて機体を止める。それと同時に右腕を大きく前へと振りかぶっていた。同時にガトリングガンをパージ。加速がついた状態からの「武器投擲」。そして、それをOGOTOが狙う。
 フラジール戦で一度やったガトリングガンの爆破。全方位に弾丸をばら撒く攻撃を回避する術はなく、軽量機にとっては一たまりもない。そして重量機でも無傷とはいかなず、動きを牽制するのが狙いなら充分過ぎる効果を得られるだろう。
 確かに意表をついた攻撃だ。しかし奇策と言うのは、それを読まれていない状況で真価をはっきする戦術。そして、メルツェルはレックスのこの攻撃を読んでいた。
 投擲を行う以上、予備動作は必ず必要となる。そしてオーバードブーストで突っ込んでくる中、メルツェルは右腕部のガトリングガンが見当違いの方へと向けられていることに気づいていたのである。
 OGOTOが火を吹く。だがそれにあわせてオープニングのYAMAGAも火を吹いた。そしてガトリングガンへと届く前に、両者のグレネード弾が衝突し爆発。爆風程度で壊れるほどガトリングガンは脆くはない。やるなら直撃が必須。それを阻止すれば、弾丸をばらまかれることはない。
 何事もなく投擲されたガトリングガンが弧を描き、そして音を立てて地面を滑る。だが、それに注意をむけることはない。
 
「……っ?!」

 出来たであろう隙を狙うが、それは適わなかった。間髪いれずに次のグレネードが飛んできたのである。反応が遅れ、直撃を受ける。

「なるほど格納か…」

 フォートネクストのOGOTOの展開までの時間を考えれば、ガトリングガンをパージしてもすぐに追撃は来ないと思っていたが。これはさすがに読めなかった。タンクならば、どの装備も格納可能だが、それを外から確認する術はない以上、仕方のないことだ。
 しかし、それだけのこと。グレネードに、そう何度も簡単に当たる自分ではない。すぐにブーストを使って上昇し、ライフルで攻撃を仕掛ける。
 そこをフォートネクストが地上から狙う。OGOTOの射角は確保。――砲撃。
 地上ならともかく、空中なら直撃以外で爆発はしない。交差射撃による空中爆破もあるが、今回は「同時撃ち」ではないので、それ狙いでもないと判断。普通にクイックブーストを使って回避行動に移る。だが――

「……くっ!?」

 OGOTOを発射し、時間差でフォートネクストのNUKABIRAが放たれていた。しかもクイックブーストを読んでの予測偏差射撃。クイックブーストで飛んだ先へとグレネードが向かう。しかも噴射時間によって次を吹かせないタイミング。
 テルミドールのように二段クイックなどが使えれば避けることはできただろう。だが、自分は所詮粗製だ。そんな高等テクニックなど出来るはずがない。
 しかしながらメルツェルはメルツェルで、レックスのように粗製なりに自分の強さと言うものを組み立ててきた男だ。情報と分析、そしてそれを生かすことが最大の武器。得られる全てを集め、そこから最善の一手を切り開く。
 戦闘を左右するのは、敵の情報だけではない。「敵を知るには己から」との格言もあるように、自分についても熟知している必要がある。そして、その情報には当然自分の機体であるオープニングも含まれている。それゆえに機体特性や癖なども、全てメルツェルは把握している。だからこそ、メルツェルは咄嗟ではあったが回避方法をすぐに取ることが出来た。
 YAMAGAを撃つ。ただ、それだけ。だが、それだけで充分だった。オープニングが空中ではYAMAGAの反動を抑えられないのを逆手にとり、発射反動によってグレネードの射線から機体を逸らしたのである。
 さらに撃ち下ろされた一撃は、フォートネクストをその爆発に巻き込んでいた。相手は地上、空中と違って地面に当たれば爆発できる分、命中率はあがる。

「……奇策がすべてというわけでもないか。少し認識を改める必要があるな…」

 かろうじて回避できたものの。メルツェルはレックスの強さに息を呑んでいた。奇策が相手の武器かと思えば、普通に実力もあると来た。クイックブーストで動く距離と時間を読んで、相手をわざと誘導し当てる。戦闘に置いては定石の一つではあるが、それにしても見事としか言えない。しかも精度が高すぎる。
 それでも打つ手はある。相手の手数は最大で2。よって回避行動で2手動ければ対処は可能だろう。

「…さぁ、次はどうする」

 これでまた一手詰めた。何度目かのチェックメイトだが、まだ逃げ道がないわけではない。





「―――…っ」

 機体に受ける衝撃を感じつつ、レックスはレックスで相手の強さに舌を巻いていた。こちらについて調べ上げたというのは伊達ではないらしく、打つ手打つ手にうまく対応されてしまう。これまでに使った奇策は全て対応済みだった。
 何度か攻撃を当てたりもしてるが、それは咄嗟の判断での一撃ばかりだ。しかし、そんなのが都合よく確実に出せるわけではない。
 強い。自分の中では、今までに戦ってきたリンクスの中でも一番強いとすら思ってしまう。
 相手の動きは決して早いと言うわけではない。狙いも寸分の狂いもない正確なものというわけではない。ただ一つ一つの動きが練られており、こちらの動きにあわせて動いていく。
 奇策は、まず通用しない。ここまでの戦闘でそう確信したレックスは戦い方を変えることにした。純粋な技量による攻撃、回避を捨てて攻撃に専念する、本来なら軽量機相手に構築した戦術だ。
 案の定、軽量機よりも狙うのは楽だった。誘導射撃も成功し、グレネード直撃は確実とすら思えた。にも関わらず、相手はそれを回避し、さらにお返しとばかりにYAMAGAを叩き込んできた。グレネードキャノンの反動で回避する。普通ならまずしないし、考え付かない。だがそれをやったということは、動きのパターンの一つとしてすでにあったのだろう。
 
「…ほんとに強い」

 左腕のガトリングガンが弾切れを起こしたのでパージ。これで残る武装は、両手両背のグレネードと肩部武装の特殊散弾兵器だけ。さらに両背のグレネードの弾数も残り少ない。
 
「……全額賭けはまずかったかな」

 確実に一手、また一手とじりじりと追い詰められている。チェックメイト間際の攻防。一つの判断ミスで負ける瀬戸際の戦い。戦いながら、レックスはそんな感覚を覚えていた。そして、そのチェスの場にて、相手の攻撃を凌ぐので精一杯な自分の姿が脳裏を過ぎっていた。
 ここで逆転でもしなければ、このまま押し切られてしまうだろう。しかし、相手のことだ。さきほどの誘導射撃も、すぐに対策をこうじていることだろうから、また一つ状況は悪化している。

 状況を整理してみる。
 機体の状態は、かなりのダメージを受けているが、まだしばらくは耐えられる。見た目で見る限りは向こうも似たような物だ。このまま削り合いでも出来れば、こちらが勝てるだろう。間違いなく削り合いに持ち込ませてはくれないだろうが。
 火力に関してはこちらが圧倒的に上。一斉射撃FCSを使えば、さらに上がるだろう。最も、ノーロックになるので、さらに当てにくくなってしまうだろうが。あと向こうの火力も高いことは高いが、防御力だって高い。よって相対的にはこちらが有利。
 レイテルパラッシュとマイブリスは、いまだ交戦中。少しずつ戦況は良い方に傾いているようだが、まだ少し時間がかかりそうだ。援護までは期待できないと考えて良いだろう。
 逆転の奇策は浮かばない。幾つか仕掛けたが、ことごとく潰されてしまっている。さすがに調べ上げたと言うだけはある。試しに同じ手を使ってみたら、今度はさらに効率よく対応されてしまった。これでは駄目だ。
 これで勝てるとしたら、相手が本当に予想だにすらしない強烈な一手しかない。だが、それはなんだろうか。
 こちらの利点は火力と防御力、それだけ。唯一の救いは、相手の回避能力はそう高くないこと。だが高くはなくても低いわけではない。こちらがグレネードだけと言うのもあって、対処するのは難しくもないのだ。
 チェックメイト。しかも、今度は逃げる手もなく、完全に詰んでしまっている。こうなってしまっては、もうどうすることもできない。

「………」

 絶望的な状況だ。だがレックスは諦めない。
 レイヴンになって、まだ間もなかった頃。機体が大破し、自分自身も瀕死の重傷を負ってしまったことがあった。しまも相手が今まさにトドメを刺そうとしている局面。そんな状況の中、何かの偶然で引いた引き金によって放たれた一撃が、相手の頭部を破壊。それによって、ほんの少し生きる時間が延び、結果としてそこを仲間に救われて九死に一生を得たことがあった。
 その経験は、レックスに大きな影響を与え、今に至っている。
 弾もある。機体も動く。完全に終わったわけではない。瀕死の状態でも、腕一本動いて弾が一発あれば逆転できる可能性だってゼロではない。
 NUKABIRAを構える。こうなったら落ちるまで粘るしかない。そう覚悟を決めて、再び迎え撃とうとして。
 視界の片隅に、真正面からマイブリスと派手に撃ち合うグレディッツィアの姿が入った。

「………っ」

 その戦い方を見て、レックスの中で何かが閃く。
 確かにチェックメイトされ、逃げる手がない状況で、それを覆す方法はない。そう思っていたのだが。

「…ふっ…。…あはははははは…。参ったな、これは盲点だった」
 
 盲点だった。
 自分は弱いからこそ、いつも慎重に立ち回ることを心がけていたのだ。そしてそれは確かに大きな成果を得ていた。実際、それでここまで生き残ってきたのだから。だからこそ、気づかなかったのだ、今の今まで。 
 だが気づいた。そして恐らく、相手はこの一手を読むことは決して出来ない。自分ですら、今の今まで考えもしなかったのだから。
 
「たまには悪くないかもな。力押しってのも!!」

 フォートネクストのオーバードブーストを展開。一気にオープニングへと突っ込む。それを迎撃すべくYAMAGAが放たれる。避けずに突っ込む。炸裂、衝撃。
 PAはまだ健在。機体もまだ動ける。このまま爆煙の中を突っ切る。

「大型ミサイル…!!」

 続けて大型ミサイルを発射される。反射的に避けたくなる気持ちを抑え、突っ込む。肩部の特殊散弾兵器を使って迎撃。だが爆発に巻き込まれる。
 PA消失。機体ダメージ上昇。だがレッドゲージにはなっていない。
 オーバードブーストでついた加速に乗ったまま、クイックブーストでさらに距離を詰める。

『……くっ?!』

 慌てた様子の声が聞こえる。そりゃそうだろう。今までにないパターンで動いているのだから。。
 オープニングが後退を始め、同時に光が収束しはじめた。アサルトアーマーだ。さすがにやばいか? いや、この機体なら―――行ける。
 アサルトアーマーが炸裂する。止まらず突っ込む。
 カメラが閃光に包まれる。さらにダメージによって、コクピット内でも幾つかのコンソールなどが火を吹く。
 
『………な……馬鹿な…』
「―――タンクの売りは…頑丈さだからな」

 トーラス特製のFCSを起動し、全兵装をアクティブに変える。同時にロックオンシステムが機能しなくなくなるが、どうせアサルトアーマーの余波で機能などしないのだ。何も問題はない。
 正面にはPAが剥がれてしまったオープニング。距離は至近距離、ノーロックでも十分当てれる。

「倍額いただきだ」

 トリガーを引く。
 次の瞬間。グレネード4門と肩部の散弾兵器。フォートネクストの持つ全兵装が火を吹いた。





「潮時か……」

 完全に動かなくなったオープニングの中で、メルツェルは一人呟いた。
 ダメージも気にせず強引に突撃し、至近距離での一斉射撃。PAがアサルトアーマーの使用によってなくなっていたのもあって、その一撃は致命的なものだった。
 戦術も策もない。ただの強引な力押し。チェスで言えば、テーブルごとひっくり返して負けをなかったことにしてしまう荒業。
 だがそれとて、立派な奇策に思える。こちらの予想を完全に裏切ったと言う意味で。慎重なだけかと思えば、こんな大胆な手に出るとは思いもしなかった。

「…この状況で…、落ちるのは避けたかったのだが…」

 いずれにしても戦況は決した。戦力バランスが崩れた以上、ここを守りきることはできないだろう。その結果として、エーレンベルクの発射予定は大きく遅れてしまうことになる。
 だがエーレンベルクそのものは、いまだ健在している。だから、まだクローズ・プランが失敗に終わったわけではない。となれば、後は残ったORCAのメンバーに望みを託すしかない。

「人類に、黄金の時代を……」

 願うは、ただそれだけだった。

□  ■  □  ■  □  ■  □  ■  □  ■  □  ■  □  

 フォートネクストがオープニングを撃破してから間もなく、レイテルパラッシュとマイブリスもORCAのネクストであるグレディッツィアとグレイグルームを撃破。特にマイブリスのダメージは大きかったようだが、それでもフォートネクストの損傷に比べれば断然にマシなレベルだ。
 その後、ラインアークとの連絡を試みてみたところ、ラインアークもホワイトグリントやバッカニア率いるコルセール、そしてセレンの駆るアリーヤの活躍もあって企業部隊の襲撃を退けることに成功したとのことだった。つまり、状況はひとまず落ち着いたということだ。
 
「よっ、派手にやられたな」

 ぼろぼろになったフォートネクストを見上げていると、後ろから気さくに声をかけられた。ロイ・ザーランドだ。

「まぁね。YAMAGAとアサルトアーマーの直撃を食らって、大型ミサイルの爆発に巻き込まれ、さらにPAが剥がれた状態で、至近距離でのグレネード4門同時斉射なんて、無茶をやったし」
「…よく生きてたな」
「あぁ、タンク乗りで本当に良かったと思うよ」

 タンクじゃなかったら死んでたかもしれない。いや、むしろタンクだったからこそ、あそこまで無謀に近い力まかせな手に出たのだが。

「それで、これからどうする」

 企業の意向を無視して飛び出してきた相手に、レックスが尋ねると、すぐ後ろからその答えが返って来た。

「決まっている。クレイドルの危険がまだ去っていないのなら、その原因を取り除くまでだ」
「ちょっと待てよウィンディー。さすがにこの状態で連戦は無理だぞ」

 ロイはそう言って、マイブリスとレイテルパラッシュを交互に見た。両機とも、ORCAのネクスト戦でダメージを受けている。それに残弾なども心もとない。
 だが企業の意向を無視して、飛び出してきた身だ。特にインテリオルのトップリンクスである、ウィン・Dの立場は危うい。今、修理・補給に戻れば、そこで拘束されてしまうのがオチだ。
 もちろん付き合いが長いからわかる。そうなるくらいなら、このまま直接向かいかねないのが彼女だが、それはなんとしても止めたい。

「じゃあ、ひとまずラインアークに来るってのはどうかな? ORCAを止めると言う点に置いては、目的は同じだし。修理と補給・それに情報交換は出来る」
「……ふむ…」
「ま、俺はとことんウィンディーに付き合うぜ。正直、ここで片が付くと思ってたところだったからな。まだ動くつもりなら、願ったり叶ったりだ」 
「いいだろう。ここは、そちらの好意に甘えさせてもらう」
「よし、決まりだ。もうすぐラインアークから回収へリと技術班が来るから―――って言ってた傍から来たみたいだ」

 ふと視線を向ければ、ラインアークの技術班が乗った車両が中枢へと入ってくるところだった。おそらく外には、輸送機が待っているだろう。
 だが、フォートネクストは持っていけない。3機も乗せられないと言うのもあるが、それ以前に今すぐに持って帰る必要は、もうなくなってしまっているのだ。
 フォートネクストを見上げる。そして機体の傍へと歩いていき、そっと手で触れて告げる。
 
「…無茶させて悪かった」

 そう語りかける。
 オープニングとの戦闘終了直後、それまで蓄積してきたダメージに加え、無茶な戦い方をしたのもあって。フォートネクストは、完全に動かなくなっていた。機能も完全に停止してしまい、外に出るのに手動操作による強制ハッチ解放をしなければ行けなかったほどだ。自分の見立てでは、恐らく修理出来るレベルの損傷ではない。
 乗り手が生きていたと言う意味で勝ってはいるが、戦闘そのものの結果は相打ちだったのだ。半分は自業自得だが。
 リンクスになって、自分にあった機体ということで組んでから、どれだけ戦ってきただろうか。途中でコアを変更したりはしたが、それでもここまで戦ってきた愛機――相棒だ。思い入れはある。
 だが、まだ終わってはいない。前に行かなければならない。

「ありがとな、付き合ってくれて」

 コレまで守ってくれて、最後まで守ってくれたことへの精一杯の感謝。それを言葉にし、レックスはその場を後にするのであった。

To Be Countinue……


now:337
today:2
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total:2873


移設元コメント


☆作者の一言コーナー☆
 最近ようやく少しパワーが戻った気のする、えむです。
 VSメルツェル。いかがだったでしょうか。個人的には、レックスの戦いで一番のものが書けたと、一人満足してたりします。実際どうかは別として・・・。

 ここだけの話、これが最終話でもいいんじゃないかと思えてきたり。いや、これで終わりにはしませんが。
 ――なお、最後戦は。期待や予想を大きくぶった切る(裏切る)ことになるかもしれません。そのことを前もって、この場にて謝罪させていただきます(ぇ

 では今回はここまでということで、お付き合いありがとうございました><
  
 なお今回までコメントレスコーナーは、お休みとさせていただきますorz 次回からは復旧しますので、ご了承ください。


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