小説/長編

Written by 独鴉


乱筆+粗製文で申し訳ないです。


「リッチランド襲撃を依頼します」
簡単な依頼を幾つかクリアしたところでそろそろAFとの戦闘を経験するべきとセレンさんの助言受け、
鹵獲されたGA製量産型AFランドクラブ撃破を含む依頼を受領した。
他にもオーメル・サイエンス・テクノロジーから依頼はあったが、身を守れるだけの力が無ければ辞めておけと止められた。
リンクス戦争から今までの躍進には数々の暗躍があるとセレンさんから聞いていた事を思い出し、当分接触を控えることに決めた。

依頼を受けたものの、GAグループは自社のリンクスを一人僚機に付けろと指示をしてきた。
個人的には不要とは思ったが、断って印象を悪くして今後の依頼に支障をきたす可能性があるとセレンさんに諭され、
GAグループのネクスト メリーゲートを選んだ。
報酬の30%が持っていかれる上に弾薬・修理費はこちら持ちだが仕方ない。
いつもどおり出撃前にカラード内のGA社ブリーフィングルームに向かっているが、セレンさんの機嫌が悪いのが気に掛かる。
GA系ブリーフィングルームの開かれた扉の中に入ると見慣れたGA仲介人兼オペレーターとはじめてみる女性が居た。

「あなたがストレイドのリンクス?」
ブリーフィングルームに入ったセレンさんと俺に気付いた女性はイスから立ち上がる。
エメラルドの長いストレートの髪とセレンさんより大きい胸を揺らしながらこちらに振り返った。

「私はメリーゲートのリンクス メイ・グリンフィールドよ。愛称はスマイリー 宜しくね。ストレイドのリンクスさん」
メイ・グリンフィールドはその綺麗な顔で笑顔を浮かべながらこちらに手を差し出した。
パッと見は到底ネクストACに搭乗するリンクスには思えないが、セレンさんも元リンクスということを思い出す。

(適性さえあれば誰彼釜わずか・・・・)

「あ・・・いえ、こちらこそ宜しく」

焦りながら差し出された手を握ると頭を下げた。笑顔を浮かべる目の前の綺麗な女性に緊張したわけではない。
メイ・グリンフィールドが振り返った時点からセレンさんから発せられる殺気に押されているからだ。正直生きた心地がしない。

「メイ・グリンフィールド、本題に入りたいのだが?」

セレンさんの表情は余り変わっていないがイライラしている雰囲気は誰だって理解できる。
普段飄々としているGA仲介人の顔にも恐怖のようなものが若干表れているからだ。

「ごめんなさい」

それなのに気付いているのか無視しているのかは解らないが、メイは簡単に謝るとブリーフィングへと移った。
しかし自分はセレンさんからブリーフィングルームを叩き出されていた。

エアキャリアーでリッチランドに到着し機体が降下された。すぐ左前方では僚機のメリーゲートが降下している。
リンクスであるメイの髪と同じ色に染められたGA製重量二脚型ネクスト。ランクマッチはまだした事はないが、GA製なら実弾に対して堅牢なのは間違いないだろう。

「こちらメリーゲートよ。作戦を開始しましょう」

敵部隊はこちらを迎え撃つ準備は完了しており、多数のノーマル部隊を前面に配置、後衛としてAFランドクラブ2機がお互いに距離をとった形で待ち構えている。
高威力・長射程を利用した砲撃戦、ノーマル部隊を囮にしてAFの射程圏内で戦闘をさせるつもりだろう。
アーリヤはライールを除けば中量級の中でも最軽量、ランドクラブ級主砲の直撃を受ければ損傷は免れない。

「上手く盾にしてね。その為の重量型よ」

自らを盾にしろという無茶な言葉だが、ブリーフィングとなんら変わらない落ち着いた声、よほど自分の機体に自信があるのか、
それともこちらを信頼しているのか意味を読み取れなかったが、おそらくストレイドのアーリヤフレームでは攻撃に耐えられないと判断したのだろう。
確かに元々高機動戦闘を主眼に置かれているアーリヤは被弾を余り考慮していない。

「正面から当たるのは愚の骨頂だ。主砲の射線に入らぬように回り込め」

「正面から行くわ。細かいのは性に合わないの」

セレンさんの提案を真っ向から否定し、メイ・グリンフィールドはネクストを進める。

「・・・・」

セレンさんは黙っているがこれは怒っている。これだけセレンさんの言葉を無視するメ
イ・グリンフィールドは天然なのか根性が座っているのかのどちらかだ。

「ストレイド 迂回し懐に入り込みます」

セレンさんの機嫌を損ねないように助言のとおりの行動をとる。
メリーゲートがランドクラブの気を引く為に正面からAFに向かい始めてから一呼吸置いた後ストレイドはOBで左に迂回しながら突撃していく。
ランドクラブ上部に設置されている砲塔はメリーゲートに向いていたが、こちらの動きに気づき砲塔が回頭し咆哮をあげた。
巨大な砲弾がストレイドの周辺に着弾し土砂を巻き上げるが、レイレナードの傑作機アーリヤの高速機動性は並ではない。
僅かでも気を逸らしたが最後、10秒と経たずにランドクラブの懐に入り込み、左腕のDRAGONSLYERでランドクラブの武装を破壊していく。
高速で飛び回るアーリヤに対して直接攻撃方法を失ったランドクラブは搭載しているノーマルACを降下させる。
上手くネクストを誘導し、もう一機のランドクラブが待ち構えている側面に移動させるつもりだろう。
有効で間違った戦術ではない。だが、ほとんど攻撃力を失ったランドクラブを影にしながらメリーゲートは接近していた。
重厚な武器から放たれたライフル弾とバズーカ弾がノーマルACを粉々に撃ち砕いていく。
メリーゲートの動きを確認するとストレイドは残ったもう一機のランドクラブへと向かっていくが敵も馬鹿ではない。
搭載していたノーマルACをありったけ出撃させ、無数のミサイルランチャーと4機の大型砲塔をストレイドへと向けている。
もっとも厄介な砲撃を回避しながら襲い掛かるミサイルをMARVEで撃ち落すが、
ノーマルACの銃弾が何発かPAを貫き、嫌な音を立てて装甲板を抉っていく。
攻撃力を失ったランドクラブを破壊し終えたメリーゲートはストレイドに気付き、
背中のWHEELIN03垂直ミサイルを担ぎ、肩のMUSKINGUMO02連動ミサイルを起動させた。
豪雨、それがもっとも正しい表現だろう。ランドクラブに向かっていくミサイルの豪雨がノーマル部隊を破壊し尽くし、ストレイドの接近を援護、
もはや懐にまで接近したストレイドにランドクラブの武装を斬り壊され、一機目と同じようにメリーゲートのバズーカとライフルによって破壊されミッションは完了した。

「作戦完了ね。相性がいいみたいね。あなたとは」

任務前・任務中・任務後、相変わらず落ち着いた笑顔のような言葉、罵声と叱咤しか知らない自分には新鮮だったが。

「任務は完了した!とっとと帰還しろ!」

「任務完了、帰還します」

どうやらメイとセレンさんの相性は抜群に悪いらしい。眉間にしわを寄せたセレンさんにこれから会うことを考えると気が重くなる。

カラードGA系ネクストAC整備場
戦闘後のネクストAC整備の為にカラードのGAネクスト整備場へとストレイドとメリーゲートは運び込まれていた。
本来はGA専属ネクストACのみの整備場だが、メイ・グリンフィールドとそのアセンブルを行ったエンリケ・エルカーノと言う方の口添えがあり、
特別に機体整備をGA系整備場で行っていた。
他にもGA系パーツの売り込みと専属リンクスへの誘いがあった。専属契約するのであれば最新フレームであるNEW‐SUNSHINEを無償譲渡してくれるらしいが、
専属への誘い文句がでるたびにセレンさんの機嫌が悪くなっていった。
最新機の大まかなスペックを知る為には雑音は仕方ない。
10分ほどNEW‐SUNSHINEのスペックを聞いた後専属の話を適当に断り、セレンさんと共にブースを出る。

「私はインテリオルに用がある。お前は機体整備が終わり次第こちらへ来い」

「わかりました」

廊下をインテリオルブースに向かってセレンさんは歩いていった。次の依頼かパーツまたは武装のことで用があるのだろう。
セレンさんが居なくなってから一人整備を受けているストレイドをガラス越しに眺めながらイスに座る。

「・・・・ネクストか」

ストレイドのリンクスになってから軽く考えても100人以上は殺した。レイヴンが人を殺すのはたいした事ではない。だが。

「気に入らないな」

虐殺とも取れる一方的な戦闘、それもたった一機のネクストでAFに乗る多くの人間を殺し、一撃で消し飛ぶMTやノーマルACを破壊する。
一方的な力が弱者を蹂躙する。これでは狩を楽しむ山猫だ。

「違う・・・俺は山猫じゃない・・・・」

決まった居場所を持たず、
自ら餌場を求め飛び回り、
気ままに喰らっては飛び去る。
止り木も自由の制約を受けず、
ただ風と気の向くままに空を飛び続ける。
鴉(レイヴン)こそが俺の理想。
いつしか夢見る大鴉(伝説のレイヴン イレギュラー)
となることを求めるだけだ。

意識を思考状態から元に戻すとストレイドの方を向いた。整備は7割方終わり残りは最終チェックを残すのみとなっている。
元々たいした損傷は負っておらず、装甲版の交換と内装系のチェックだけだった。
すぐ近くを歩いていた整備士を呼び止めるとあとどれくらい時間が掛かるか尋ねた。

「まだブースター系と脚部の調整が終わっていませんのでまだ1時間ほどかかります」

レイレナード製は精密かつ繊細な作りのため調整に時間が掛かるのは仕方ない。良く言えば精巧、悪く言えば繊細過ぎる。
GAのように作りが荒い代わりに至極頑丈な機体とは対極に近い。

「・・・わかった。一時間程したらまた来る」

GA整備場を離れようとすると整備の終わったネクスト メリーゲートのリンクス メイ・グリンフィールドがこちらに気付いて手を振っている。

「ストレイドの整備がまだ掛かりそうならお話でもしない?」

セレンさんからは企業の専属リンクスとは余り関らないように言われているが、他に時間を潰す理由が無かったため断らなかった。
だが、一時間程度なのでカラード内の食堂で簡単な食事をしながら話すことになったが、正直ずっとGA製品のことばかりだった。

「ねぇ。GA製品の話ばかりじゃつまらなくないの?私はそれでもいいけど」

少し趣味とか出身地なども聞かれたが、個人の細かい情報は一切喋るなと念を押されている以上何も答えなかった。


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