Written by 独鴉


乱筆+粗製文で申し訳ないです。しかも更新遅い+不定期重ね重ね申し訳ありません。


ワンダフルボディ撃破
「それでは、今回の依頼をお願いします」

インテリオルの女仲介人はブリーフィングルームを出て行った。
インテリオル・ユニオンは男性よりも女性の割合が高い上、総合的に質も高い為声をかける男は多いらしい。
独立傭兵のロイ・ザーランドがインテリオルよりの理由が、[インテリオルは美人が多いからだ]というのが有力説にまでなっている。
話が変わってしまったが、今回の依頼はGAのネクスト ワンダフルボディの撃破。
カラードランク24のリンクス ドン・カーネルが駆る機体だ。
GAのNSS計画によって見出され、GA通常軍に在籍していた元ノーマルパルACパイロットという肩書きを持っている。
しかし、低いAMS適正から粗製と罵られていた。

「私は少々用がある。お前は出撃の準備を整えて置け」

セレンさんはブリーフィングルームを出るとインテリオルの整備場へと向かっていった。
元レオーネ・メカニカのリンクスだったセレンさんは、時折後輩リンクスのウィン・D・ファンションやエイ=プールに会いに行っている。
何を話しているかは解らないが、無駄な事をしないセレンさんの事なので有意義に時間を使っているのだろう。
俺は他にすることが特に無いため、ストレイドが搬入されている整備場へと向かった。

整備場入り口まで来ると見慣れない男が立っていたが、誰であるかはすぐにわかった。
カラードのインテリオルブースの前に男が、それも旧国軍の軍服を着る者などアルドラのネクスト ブラインドボルドのリンクス ヤンしかいない。

「ん?お前は・・・」

向かってくる自分に気付きこちらを向いた。離れていた為解らなかったが、その顔には幾つモノ傷跡が残っていた。
一際大きいと思われる傷は大きめのサングラスで隠されているが、
ドン・カーネルを叩き上げの軍人と言うのなら、目の前の男は歴戦のツワモノと行った所だ。
リンクスなのに現役軍人並みの体格の上に軍服の肩が張っている。そうとう鍛えこんでいるのだろう。

「ストレイドのリンクスです」

「なるほど、お前が噂の新人か」

ヤンは組んでいた腕を解くとこちらに手を差し出した。
どういった噂が流れているかは詳しくは知らないが、恐らくランドクラブ・ギガベースとAFを撃破に成功に関するものだろう。

「・・・これは丁寧にどうも」

差し出された手を握ろうとしたとき、ヤンはこちらの手首を掴むと手前に引き、空いた手で腰に隠していた銃を掴むと眉間に銃口を突きつけた。

「生身での反応も良い。これは手強そうだ」

ヤンは心臓の位置に突き付けられている銃を見るとゆっくりと自らの銃を下げ、腰のホルスターにしまった。

「私の挨拶に反応できたのは君で四人目だ」

「・・・こんな挨拶二度と受けたくないですね」

警戒しながらゆっくりと銃をおさめた。

「一人目はアナトリアの傭兵、奴は私が手を引く前に私を投げ、その直後には額に銃を突きつけられたがね。
二人目は霞スミカ、銃を叩き落した後、私に向かって何発も発砲したよ。空砲でなければ今頃・・・。いや、それはもういい。
三人目はウィン・D・ファンション、近寄っただけでナイフを突きつけられたがね」

(セレンさんらしい反応だが・・・・)

「君も空砲のようだが、霞スミカの関係者か?」

「実弾の装填は禁じられていますので、仕方なく空砲で持ち歩いているだけです。どうも銃を持っていないと落ち着かないので」

自分が苦笑しながらそう言うとヤンさんは軽く頷いた。

「その気持ちはまぁわかる。軍人だった私も軍服を着て銃を持っていないと落ち着かなくてね」

体に染み付いてしまった感覚は取り去ることが出来ない。そう言う事を恐らく言いたいのだろう。
そういった感覚のようなことは自分にも身に覚えが色々あった。

「まだお話をしていたいのですが、これから任務がありますので失礼いたします」

「そうか、どんな任務か知らないが気を付けることだ。油断は死を招くからな」

丁寧に頭を下げると整備場の方へ向かった。すでに整備場ではストレイドの準備が整っており、自分が搭乗するだけですぐに出撃できる状態だった。
それからストレイドに乗り込むとエアキャリアーへと積み込まれた。
機体構成はフレームも内装もいつもどおりの純正旧式アーリヤ、武装はMARVEとDRAGONSLYERに、
背中のアクアビット製TRESORという初期兵装とほぼ変更が無い。

旧ピースシティエリア・・・・
ストレイドを載せたエアキャリアーが一機砂漠の上空を飛んでいた。過去、多くの人々が住み、
戦場として世界を騒がせた一帯は砂漠と化し、点在するビルの残骸だけが過去の姿を保っているだけだった。

「ミッション開始、敵ネクスト ワンダフルボディを撃破する」

エアキャリアーの下部ハッチが開き機体が戦闘エリアへと落とされる。
眼下の砂漠と廃ビル群が迫ってくる中、ストレイドはもっとも近いビルの高さまで減速せずに降下、
地面近くでブーストを吹かし、派手に砂煙を巻き上げながら着地した。

(・・・・・)

ノーマルACに乗っていた頃、ネクストの攻撃は受けたが戦闘は行っていなかった。
だが、ネクストの恐怖は身に刻まれている。

「ネクスト戦は初めてか?まぁ、いずれ避けられんのだ。初体験といこうじゃないか」

降下しながらGA製ノーマルAC SOLARWINDを連れてネクスト ワンダフルボディが先頭をきって砂漠の中を進んでいたのを確認していた。

「ワンダフルボディ及び敵ノーマルACを確認。戦闘を開始します」

こちらに気付いたGA部隊は陣形を変え、ワンダフルボディを援護するようにノーマル達は距離を取る。
突出を始めたワンダフルボディが右手に持つ巨大な銃口が向けられ、敵FCSに捕らえられた事が統合制御体から伝えられる。

「ようやくネクスト投入か。仕掛けが遅いな。インテリオル・ユニオンも」

「無駄な取り巻きをぞろぞろと・・・。かまわん、ワンダフルボディに集中しろ。目標は奴一機なのだからな」

戦闘はストレイドとワンダフルボディは、お互いの腕を探るように廃ビルを使った中距離射撃戦から始まった。

「・・・メイ・グリンフィールドが言っていたNSS機か」

砂漠迷彩の施されたネクストは重厚なGA製NSS。リンクスのことは良く知らないが機体はGAの新標準機、
SSと同様に実弾に対して堅牢であることは間違いないだろう。細かいスペックはともかく大まかな話はメイ・グリンフィールドから聞いている。
事実、アクアビット製TRESORのプラズマ粒子がワンダフルボディのPAを貫き、装甲に叩きつけられているはずなのに大した損傷を追っている様子は無い。
プラズマ粒子を受けながらミサイルと拡散バズーカをワンダフルボディは放ち、廃ビルを徹底的に破壊し尽くし周囲の地面を抉りながら砂煙を巻き上げていた。

「何だ?動きが悪いな。ワンダフルボディ 構わん。一気にたたんでしまえ。敵に付き合うこともあるまい」

(ノーマルAC・・・か?)

そんなはずはないが目の前のネクストは時折ブーストをカットし歩行している。さらに空中でQBを使うそぶりさえ見せない。
エネルギーを膨大に消費する何かを搭載しているかと最初は思ったが、武装は実弾で形成されエネルギー系は持っていない。
高出力の内装系によって燃費が悪いのかと考えたが、それにしては通常ブーストも遅く時折使うQBも大した速度を出していない。
恐らくフレーム自体のEN消費が膨大なのか、リンクスの癖かどちらかだろう。

(どちらにせよ。都合は良いな)

ストレイドはOBを発動し廃ビルの間をすり抜け、SOLARWINDに向かって突撃してく。
こちらの意図に気付いたワンダフルボディは垂直ミサイルWHEELIN03を発射した。
だが、ストレイドにロックしていなかったのだろう、ミサイルはただ上空に撃ちあがっただけでストレイドを追わない。
ワンダフルボディに追従していたSOLARWINDをDRAGONSLYERで2機を残して撃破、
その勢いを殺さずに地面の凹凸を利用して砂煙を巻き上げQT、そしてOBを再度発動させながらMQBで一気にワンダフルボディに接近する。

「それがネクストの動きだと?・・・・じゃあ俺はなんだ!?」

(・・・ノーマルか。それも重量型の)

ワンダフルボディはこちらの機動に驚き動きが止まっていた。MARVEを乱射しながらDRAGONSLYERの間合いに入り込む。
DRAGONSLYERは減衰しひび割れていたPAを貫きワンダフルボディの両足を切裂いた。
バランスを崩したワンダフルボディは両手に持つ武器を杖のように使ってバランスを保つが、そんなことで状況の打開になる訳が無い。

「これは・・・死ぬってのか俺が・・・」

実力の違いにドン・カーネルは戦意を無くしていた。ストレイドはQBTで遠心力を稼ぎ、
MARVEの強固な先端でワンダフルボディの頭部を貫くとDRAGONSLYERで左腕を切り落とした。

「ワンダフルボディ、撃破完了」

両脚部・左腕・頭部の破壊、傍目からしてパイロットは生きていないように見えるだろう。
だが、コアは数発の銃弾がめり込んでいるだけで貫通は一発もしていない。態々分厚い箇所を狙って撃ったのだから貫通して貰っては困るが・・・。
SOLARWINDは2機残っている。このまま残しておけばドン・カーネルは救出され死ぬことはないだろう。

「ワンダフルボディを撃破、帰還します」

エアキャリアーとの合流地点に向かってストレイドは移動を開始した。
インテリオルの仲介人が恐らく文句をつけてくるだろうが、良い言い訳はセレンさんが適切な理由を考えてくれているだろう。
ドン・カーネルを生かしておけばGAに対して恩を売れる。
インテリオル・ユニオンに対してもここまで徹底的にNSS機を破壊して見せれば面子も立つ。
インテリオルとGAからの印象を悪くしない為、一応考えた苦肉の策のようなものだった

カラード・インテリオル系ブース・・・
予想通りカラードに到着すると同時にインテリオルの仲介人が説明を求めてきた。
依頼内容は『ワンダフルボディの撃破』であり、『ワンダフルボディの完全破壊』ではないと押し通した。
押し通したと言うよりは、セレンさんの迫力に押し潰されたと表現したほうが正確だろうが。

「私は先に戻っている。今回の戦闘データをまとめたいのでな」

まだまだ自分の動きには無駄が多く、セレンさんの目から見れば素人同然らしい。その為、任務中の戦闘データをチェックしている。
セレンさんは中・遠距離を得意としているが、指摘は確かなもので確実に実力を高めることに役立っていた。
得意とする高速接近戦を伸ばしつつ、セレンさんの得意とする距離での戦闘や戦術訓練も平行して行っている。

「やっほ~♪」

何か聞こえた気がするが、今はGAのブースでワンダフルボディの戦闘で気になった武装を購入する事が先決だ。
ワンダフルボディとの戦闘中に上空から襲ってきたミサイル群、あの武装を今後の為に購入しておきたかった。

「ね~ってば~」

視界の隅で緑色の何かが動いているが気に掛ける暇など無い。
武装のスペックと値段次第では、ミサイルの購入からフレームの購入に切り替える。
独立傭兵ならば予備のネクストを一機組めるだけのパーツを持っていて当たり前だと聞いたからだ。
NSSはともかく、旧式のSSEやSSLなら今の予算でも買えるはず。

「ちょっと!無視しないでよ!」

視界の隅にあった緑の物体がどんどん近づいて来るのが見えた。
カラード内で自分を呼び止めるような人物に心当たりはないが、立ち止まると緑色の物体の方を向いた。

「メイ・グリンフィールド、何か用ですか?」

緑色の物体と思っていたのはGAのリンクス メイ・グリンフィールドだった。
確かにカラードのGAブースに向かっているのだから彼女と遭遇してもおかしくは無いが、一番不明なのは話しかけてきたことだ。

「まったくもう・・・、何度も話しかけたのに聞こえてなかったの?」

「考え事をしていたので気付きませんでした。すみません」

「もう気にしてないからいいけど。それで、ワンダフルボディを撃破したんだって?」

どうやらGA内では自分がワンダフルボディを撃破した事が伝わっているようだ。いや、もしかしたら企業全体に知られているかもしれない。

「ただ運が良かっただけですよ。いつこちらがやられてもおかしくなかったんですから」

「そうかしら?カラードの整備場に運び込まれるあなたのネクストを見たけど、余り損傷していなかったわよ?」

どうやらカラードに到着時からこちらを見ていたらしい。
事実ストレイドはほとんど損傷がなく、かかった経費のほとんどはエアキャリアーと弾薬費くらいなものだ。

「それにあなたの様子、きつい戦いを終えた後にはぜんぜん見えないしね」

それも事実、短時間で戦闘が終了した為、AMSとのリンク時間は短く精神的な負担は軽微で済んでいる。

「たまたまこちらの武装と立地条件がこちらに良かっただけですよ。ドン・カーネルは調子が悪かったようですし」

「まぁいいわ。それよりGAブースに行くなら一緒に行かない?」

こちらが真面目に答えるつもりがないと解ったのか、それとも戦闘に関することは優先順位が低いのかは解らないが、話が変わったことは有難い。

「別にいいですよ。GAブースでSSEかSSL系のフレームを買う予定なので」

「なら一緒にいきましょ♪ 念のためいうけどサンシャインはダメよ。あれはメノ・ルーさんだけのアセンブルなんだから」

リンクス メノ・ルーとネクスト プリミティブライト、GA最強と謳われ、対実弾性能に関しては開発から長い時間を経てもNO.1の座を譲っては居ない。
リンクス メイ・グリンフィールドとネクスト メリーゲートは第二のメノ・ルーと一部では言われているらしい。

「そんなに予算は無いですよ。SSLかSSEでもギリギリですから」

それからGAブースで予定していた垂直ミサイルOSAGE03の購入契約を行った。
しかし、メイ・グリンフィールドの勧めでフレームのGAN01‐SS‐ALとGAN01‐SS‐LLも同じく契約をした。


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