Written by レイ・マジーニ


11月 多くにとって、それは起こった。
国家解体戦争より以前から見かけなくなって久しい雪景色、にも拘らず量販店では雪の飾りつけをした一足早いクリスマスコーナーがひしめき合い、恋人とは無縁の独身男女がふてくされている。作者もそんな感じだ。

その頃。

旧ピースシティにて、長年地上最強を謳うアームズフォート、スピリット・オブ・マザーウィルが、新進気鋭の独立傭兵が駆る中堅ランカーネクスト、ストレイド(アルドラ製SOLDNERフレームベース)により大破、爆散する。

「早く退避しろ!!ソイツは異常だ!!!!絶対に巻き込まれるな!!!!!!」

大慌てでストレイドに無線を送るセレン・ヘイズ嬢(特技:空手)。

コジマ粒子全開のオーバードブーストに加え、度々前方向に噴出しているクイックブーストで、マザーウィルから遠ざかろうとしているストレイド。

その反対方向には、大破したマザーウィルの片足をもぎ取っては掴み、ACVのマスブレードよろしくブンブンぶん回している、コジマ色に光り輝くネクストの姿が!!

その十数分前……………

比較的GA寄りの独立傭兵チャンピオン・チャンプス(本名、マイケル・ウィルソン。ランク最下位。特技:空手)が、自慢のドーザーをストレイドの高出力レーザーにより焼き払われ、背部に装備していた武器類は全て弾薬が底を突いていた。

更に運の悪いことに、マザーウィルのぶっとい脚がキルドーザー直上に落下。

「いやああの時はやっちまいましたよハハッ!!」とは当時マザーウィルの操縦を担当し、その後奇跡的に生き延びた乗組員のセリフである。

マザーウィルの重々しい一歩。
キルドーザーの姿が、マザーウィルの足元に消える。
一瞬の間があった。

その直後、キルドーザーを踏みつけた足元から強烈な閃光が走った。
同時に、爆発がマザーウィル全体に伝播した。

「何だ!?何が起こっているんだ!!?」
「総員退避!退避だ!マザーウィルが崩か………うおっ!?」

「ヴォアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!!」

無線機の全周波数帯にけたたましく響くチャンプスの叫びが、ノイズを発しながら(一部、スピーカーを機能不全にしながら)戦場を駆け巡った!!

そして、キルドーザーを踏み潰したはずのマザーウィルの脚が、足元から閃光を発しながら、徐々に情報へせり上がり、遂には脚が本体から破断、更に宙へ上る。

そして……………

「チェエエエエエストオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!!!!!!!!!!」

豪快!!マザーウィルの足が突如、コジマ色に輝くキルドーザーの手によって、ストレイドに振り下ろされたのだ!!

「避けろ!!そんなもん喰らったらオシャカだ!!」

セレンの通信。しかしストレイドはと言うと、先程のチャンピオン・チャンプス・シャウト!によって無線機のスピーカーが故障していて満足に支持を受け取れないでいた。

まぁそんな指示がなくともあんなどデカい塊が降ってきたら誰だって逃げる。

クイックブーストを駆使して何とか難を逃れたストレイド。マザーウィル撃破の依頼は達成したので、退避行動を取る。

ストレイドの方も、ライフルやらロケットは底を突いており、残されたレーザーブレードは使えるには使えるし、上手く立ち回ればキルドーザーを倒せないことは無いだろうが………

「だっしゃあああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」

……………あんなコジマの権化と化した存在には触れたくない。

マザーウィルの脚をぶん回すキルドーザーを尻目に、ストレイドは全武装を破棄、戦線を離脱した。

一方その頃
コロニー「ネオジャパン」(ゲーム中のクレイドルとは異なり、スーパーテクノロジーで日本列島ごと宇宙に飛ばしたコロニーである。アサルトセル?そんなもん吹き飛ばした)にて。

「………CUBE、改めマイティ・ハーキュリーに続き、新たにコジマ覚醒を果たしたリンクスか」

声の主は有澤隆文(特技:空手)。有澤重工第43代社長。裏では「ミスター・ゴッドウッド」の名を受け継ぐ「格闘戦の神様」である。

「ええ、吹き飛んだマザーウィルからは大量のコジマ粒子、そして旧ピースシティには更なる重度のコジマ汚染。奴さん、この日本でドンパチやらなくて良かったですよ」

答えるのは有澤の右腕にして、国家解体戦争のオリジナルとされるワカ(愛称はシゲ。趣味・特技は機械整備)。

「周囲にコジマの気配無しにあのコジマ覚醒…侮れませんね。社長、シゲさん」

彼女の名はメノ・ルー(趣味・特技は相撲)。こちらもシゲと同じくオリジナルと呼ばれる現役リンクスである。

……えっ?彼女は4で死亡したはずでしょって?それは追々話しましょう。

「ぐわはははは!!面白れぇ、やってやろうじゃあありませんかぁ社長!!」

意気込みが良い彼はかつてのアスピナ機関所属リンクスであるCUBE………改めマイティ・ハーキュリー(日本名:大田)。あの骨と皮みたいな身体から柔道黒帯の恵まれた体に大変身した彼だが……彼については次回話そう。

「コジマ覚醒………リンクスが何らかの危機に瀕した時に生じる大規模コジマ反応及び機体の極端な性能向上………まさに覚醒と呼ぶべきか。いやはや………」

少々ため息をついた後、有澤がニヤついた表情で椅子から立ち上がる。

「シゲ、嬢ちゃん、大田!!地球へ降りるぞ!!奴の実力を我等で図るぞ!!!!」

世界はまた、狂う。

次回予告

チャンプスの覚醒の1年前、カラード主催のマッチで我らが有澤社長と在りし頃のCUBEが戦う事に。
迫り来る超音速のフラジールに、雷電の老神は捉える事が出来るのか!?
そしてなぜCUBEはアスピナから脱したのか!?

次回、「覚醒、マイティ・ハーキュリー(前編)」


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